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八流伝機パワードランカー  作者: 桜崎あかり
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八流、真田幸村現る!


 西暦2019年10月、コンセプトイベントから3年近くが経過しようとしていた。

パワードランカーは、イベント開始当初の予想を大きく裏切るような形で反響を呼び、関西、九州、北海道、東北の都市部でも展開される程の人気となっている。

テレビでも格闘技専門チャンネルだけでなく、ゲーム情報を扱うチャンネルやサイト等で中継されるまでに発展していたのだ。

これに関して山口飛龍やまぐちひりゅうは、こう語っている。

「ARゲームとVRゲームの区別がつかない――その認識は今は昔となっています。その道を切り開いたのが、パワードランカーです」

 山口もイベント立ち上げ前――コンセプトイベントを行うまでは不安があった。

ゲーム脳やソシャゲの廃課金問題、チートや不正プレイ、特殊なケースでは実況者の夢小説がアップされる、違法なプレイ動画が出回る等もあるのだが――。

ゲームに対して色々な問題が存在する中で、ARゲームが風評被害などを吹き飛ばすような起爆剤となってくれる――そう考えていたのだ。

ネット炎上問題は今も昔も基本は変わっていない。だからこそ、彼は巧妙化した現代のネット炎上に危機感を抱いている。

実際にネット上でも炎上マーケティング等を含め、様々な問題は放置されていた。そうした放置された案件が一部勢力のグレーゾーンマーケティングに悪用されている現実もある。

しかし、モグラ叩きのようにエンドレスになると判断して一部の案件に取りかかるような様子は全くない。テレビのニュースでも報道されていないので、どのような状態なのかも確認出来ないのだ。

一部に関しては、さすがに日本政府もマーケットに影響を与えると言う事で対策をしているようだが――ネット炎上の本格的な解決には至っていない。

果たして、日本のコンテンツ流通は正常化できるのか?



 10月1日、公式ホームページでは上位ランカーの称号である八流はちりゅうの称号を得たプレイヤーが発表された。

【5と6が発表されたが、他は現状維持か】

【そこまで到達する能力者が出ていないという証拠かもしれない】

【八流だからと言って8人ではないはず】

【8人以上は持っていそうだが、上位メンバーとしては8人か?】

【そう言う事か――】

 ネット上のつぶやきでも、様々な意見が出ているのだが――新たな八流の称号を得たプレイヤーが少ないのも痛い。

八流と言っても8人だけが得られる物ではなく上位称号の一つである。その中でも最上級を誇るのが八流伝機はちりゅうでんきという――。

この称号は新設された称号ではなく、パワードランカーが開催された初期にあった物である。

しかし、この称号に辿り着いたプレイヤーは未だにいないのだ。その理由は分かっていない。

過去に辿り着く寸前にいたプレイヤーはいる事にはいたのだが――。



 足立区内のアンテナショップ、広さとしてはショッピングモール並だろうか。そこには大量の客が足を運んでいた。

何人かのギャラリーは、ARゲームコーナーの一角に置かれているセンターモニターの前に集まっている。

このモニターはARゲームの中継を放送する為の物だが、それ以外にもARゲームのデータ閲覧やカードの再発行なども可能だ。

そこでは、八流に選ばれたプレイヤーの発表告知が流れていたのである。

なお、別ジャンルARゲームのプレイ中継を視聴は可能なのだが――注目は八流に集まっている形だろう。

「なるほど。これだけの技術があると言うのに、海外輸出もしないとは――」

 カジュアルな服装に、身長は168位――巨尻が特徴な気配だが、盗撮をしようと言う人間はいない。

実際、アンテナショップ周辺ではジャミング電波の関係もあって一般的なスマホは動作しないのである。

これには仕様を知らない人間が、スタッフに抗議をするような光景もあった。しかし、ショップの入り口にはしっかりと看板に書かれている。

その為、それを見ないで入った人間は注意書きを無視し、ARガジェットを強奪しようと言う転売屋なのだ。

転売屋がスマホや携帯で情報交換を行い、商品の転売をオークションサイト等で行っているという事が問題視されたのだが――その対応としては、ある意味でやりすぎかもしれない。

「この技術が軍事転用されない事を祈るか――」

 彼女の名は島風舞華しまかぜ・まいか、18歳だがプロゲーマーとしても有名である。

彼女が別の場所へ向かう頃、転売屋が提督服を着たと思われる男性に拘束されていたのだが――それを確認する事はなかった。



 10月2日、谷塚駅近くにオープンしたARフィールド――そこでは、パワードランカーの試合が始まろうとしていた。

このフィールドではパワードランカー以外にも、さまざまなARゲームがプレイ可能なのだが、パワードランカーの方が人気としては若干上か。

ARフィールドに併設されたアンテナショップ内ではARゲームで使用するガジェット、インナースーツなども販売されており、手ぶらで来場してもプレイできる所がアピールされている。

ただし、大型ガジェットを使うようなARゲームもあるので、事前に確認をしてから向かうのが望ましいだろう。

『既に10連勝を突破しているのは、今川義元――』

 コンセプトマッチで使用されたフィールドと同じ広さのスタジアム中央、そこに姿を見せていたのは10連勝を記録していたプレイヤーである。

AR技術で疑似表示されているのは、戦国時代の甲冑である。しかし、プレイヤーネームは今川義元いまがわよしもとだった。

どうしても、有名所の武将を名前にすると乱入で初心者狩りなどをされる可能性がある――と考えての戦略。

実況のアナウンスでも、それを把握してかあまりその事に触れようとはしない。

「このまま対戦相手なし――」

【挑戦者が現れました】

 今川が挑戦者がいない場合にドロップアウトが出来るモードを呼び出そうとガジェットに手を伸ばした矢先に、挑戦者出現のインフォメーションが表示された。

これによって、今出現した挑戦者を倒せば、今川はドロップアウトが出来るようになる。

ドロップアウトに関しては連勝記録を次のバトルから継続出来るだけでなく、ARガジェットのカスタマイズに使用出来るアイテムも手に入るのだ。

カスタマイズアイテムは別のジャンルでは出現しないが、AR対戦格闘というジャンルに該当するこちらの場合には出現するようである。

「どうせ、初心者であろう? 希望するのであれば、ハンデを与えてやってもよいぞ」

 今川は乱入してきたプレイヤーに対し、ハンデを与えてもよいと発言する。

ランク差が激しいバトルの場合、逆に得られるアイテム量が減ったり昇格に必要な勝利数なども増えてしまう。

それを踏まえ、プレイしたてのプレイヤーと今川は判断し、ハンデを与えると言ったのだが――。

「その様な物は必要ない――」

 姿を見せたのは今川と似たような甲冑姿の青年だが、赤のカラーリングと言うのが唯一の違いか?

そして、彼の持っている槍は――戦国時代には似つかわしくない形状をしていた。

「とんでもな形状をしている。しかし、先端の武器は見覚えが――」

 一人の女性が、対戦相手の槍に関して見覚えがあるような――と思う。

外見は、ジージャンにジーパン、『YuKa』と書かれた野球帽、それに腰にはカードデッキだろうか。

ARゲーム用のガジェットを右腰に付けているようだが、元々が彼女の所有物かは疑わしいユーザーネームが表示されている。

そのネームに誰も言及する者はなく、そのままになっているようだ。観戦している本人も、このガジェットを得たきっかけが特殊すぎた。

「まさか――パイルバンカー?」

 そして、彼女は思い出した。槍の先端が複雑になっていたのは、パイルバンカーが装着されている為だった。

さすがにハルバート的な使用方法をする訳ではないと思うが――戦国武将でパイルバンカーを使う事が不自然と言う気配を感じる。

それ以外にも両腰にビームダガーと思われる物もあるが、こちらは実体剣の類が使用不能となっているので、この辺りはやむ得ないだろう。

今川の方も武器で何を使おうとも敵ではないという表情をしていたが、さすがにパイルバンカーを見て――。

「お主、歴史上の人物を調べていないな?」

 今川が指摘したのは、戦国武将がパイルバンカーを使う事だった。

武器が大型でもそれが威力に直結するわけではないパワードランカーだが、いくらなんでもミスマッチ過ぎる。

今川以外の観客も同じような考えをしているようだ。しかし、戦国武将系の武器よりも使い勝手がいいという事で使っているのかもしれない。

あえて今川は、彼が持つ武器をハンデと受け取る事にした。

「歴史上の人物――? 知らんな!」

 青年の方は今川の発言をスルーしている訳ではないのだが、その反応は予想外の物だった。

彼の甲冑は戦国武将のソレなのに、彼自身は戦国時代を知らないような口調である。それを真顔で言ったのだ。

今川は彼の甲冑を良く見ると、そこにはある刻印がされていた。マーキングとも言うべきだが、甲冑なのでマーキングと言う訳ではないと思う。

「その家紋は――!!」

 今川が甲冑右肩の刻印を見て、挑発をされたかのように激怒する。その家紋は、何と――。

「我が名は真田幸村――推して参る!」

 身長175センチ、パイルバンカーの槍、バイザータイプのARメットは戦国風味だが――デュアル愛ではなく、バイザータイプだ。

戦国武将風のアーマーを装着しつつも、細部の装備や彼の口調は戦国武将のソレとは遠い。

おそらく、義務教育の授業程度の知識しかないのか――。その彼が名乗った名前は、真田幸村さなだゆきむらだった。



 会場内のセンターモニターでは、今から中継が始まろうとしていた。

フィールドの観客席は満員の為、入場は制限されている。その為、センターモニター等で中継されているのだ。

なお、動画サイトやCS専門チャンネルでも視聴可能であり、自宅で視聴、パソコンで視聴、スマホで視聴――様々な機種に対応している。

『パワードランカーズを見るときはアニメ的演出等の都合上、部屋を明るくして、画面から離れてからご覧ください』

『パワードランカーズはルールを守って、正しくプレイしましょう。違法プレイなどの不正行為はランカーにあこがれる子供達も見ています』

 中継では対戦カードの表示される前に、お約束とも言えるテロップが表示された。

これがパワードランカーが他の格闘技中継と決定的違う個所である。

実際、パワードランカーにはアニメ的な演出や表現等が使用されており、こうした魅せ方が評判となっているのかもしれない。

『このバトルはライフを0%にする事で1ラウンドの勝利、3ラウンド先取で勝利となります』

『チート、不正武器の使用は禁止、相手を意図的に痛めつける等のモラルを問われる行為も警告を受けます』

『子供たちは、強いヒーローに憧れます。ARゲーム運営としては、スポーツマンシップに則ったバトルを望みます』

 ルール説明のアナウンスに関しても、格闘技中継等では行わないような事まで説明を行う。

あくまでもARゲームと現実は違うと言う事を明確にしたいと言う運営側の配慮があるのかもしれない。



 対戦カードの表示を前に、称号も公開されたのだが――その称号を見た会場の観客がざわつき始めた。

「マジかよ――」

「あいつが、あの八流なのか?」

「外見はともかく、対戦成績は――!?」

「これって、もしかすると初心者狩りになるのは向こうじゃないのか?」

「これは思わぬバトルになりそうだ」

 観客側の方は、まさかの展開に驚いていた。対戦カードが改めて表示されると、そこには真田の対戦成績も表示されたのだが――。

これには観客も驚きの声を上げる。当然のことだが、バトル回数は勝ちに直結する数字ではない。問題なのは勝率の方かもしれないだろう。

「300戦!? そこまでバトルを重ねながらも――真田幸村を知らぬと言うのか」

 さすがの今側も300戦と言う数字に反応をした。いくらなんでも無茶苦茶過ぎるだろう。

300戦160勝辺りと言う勝率、約5割と言う具合か? 対する今川は100戦以下であり――場数と言う点では明らかに幸村の方が上である。

しかし、今川の怒りはそれだけには限らない。彼の称号を見て、その怒りはピークに達しようとしている。

「更に――八流だと!? 舐めプレイもいい加減にしてもらおうか。お主のプレイスタイルは、SF系のパワードスーツのヒーロー、あるいは西洋の騎士なのだろう?」

 八流の称号に関しては今川でも、それが意味する物を分かっていた。八流と言う称号はリズムゲームで言うと段位認定がある作品で十段クラスに値する。

明らかに初心者狩りなのは、幸村なのではないか――とも思い始めていた。アーマーの変更は自由なので、その性能を試す為と言う可能性もあるだろう。

「舐めプレイだと? そんなチート勢力等と同じような――」

 幸村は自分が今川を甘く見ているのではないか、と言う事を否定する。だからこその真剣な表情なのかもしれない。

《ラウンド1――》

 幸村が何かを言おうとしていたのだが、それを遮るかのように2人のARバイザーにはラウンド1開始のアナウンスが表示される。

そして、2人は武器を構えた。今川は刀を左手に握り、幸村は槍を両手で握っている。



 ラウンド1開始と同時に動いたのは、今川の方だった。幸村は様子見ムードと言う訳ではないが――防御の姿勢を取る。

「八流だろうと――先手必勝だ!」

 今川の刀の連続攻撃が幸村のライフゲージを削っていく。眼にも見えないような物ではなく、大振りの斬撃もあるのに――幸村は防御の姿勢を崩さない。

彼の勢いは本物であり、このバトルに連勝がかかっているのもあって――。下手をすれば幸村でも負けるだろう――というギャラリーもいた位だ。

「あまりの攻撃に手も足も出ないか――!」

 今川の斬撃が次々と決まって行き、その中には必殺技も含まれていた。気が付くと幸村のライフは残り20%を切っていた。

ここまで30秒足らずなのだが――それでも幸村が防御~攻撃に転ずる事はない。

これに関しては、ギャラリーも幸村が舐めプレイをしていると考え始める人物が出てくるほど。

「貴様の命も風前のともしび――ここまでだ!」

 今川の超必殺技とも言える炎の斬撃が、幸村にクリティカル。防御無視の技だった事もあり、ここで幸村のライフは0%となった。

各種モニターのライフゲージも、幸村のライフは完全に空となっている。これに関しては周囲から動揺も起こる程。



 ラウンド1終了後、幸村のライフは再び100%に戻る。格ゲーで言う所の勝利の台詞や勝ち名乗りはキャンセルされるような気配もした。

あるいは、最終ラウンド以外ではライフがあっさりと回復し、次ラウンドへ行くような流れか?

もしかすると、ライフが0%になる事はリアル格闘技で言う所のダウン扱いで、それが3ダウンすると敗北と言う事かもしれない。

幸村も分かっているらしく、すぐに立ち上がった。どうやら、ダウン後のカウントは取らないようだ。

「様子見か。悪趣味な事を――」

 今川は勝ちを譲った訳ではなく、あえて手の内を見る為に技を撃たせたような幸村に対し、苛立ちを覚えた。

しかし、1ラウンドを先取した事はアドバンテージにもなる。それを踏まえ、今度は本気でたたきつぶそうと考えているようでもあった。

「しかし、次は様子見をさせない! 今度こそは――」

 今川の記憶は、ここで途切れている。それは何故なのか?

理由は簡単である。その後のラウンドは全て幸村が取ったからである。それも、ほぼ一撃必殺だったと言う。



 ラウンド4では、前の2ラウンドとは異なって槍はサブ武装として削りでしか使っていなかった。

ラウンド2及びラウンド3では豪快とも言えるような槍捌きで今川を圧倒したのだが、それは大振りに刀を振り下ろす今川と変わらない。

手の内も読まれ始めていた幸村が取った行動、それは右肩の肩アーマーから出てきた物が物語る。

「ハンドガンだと!?」

 今川も、唐突な遠距離武器には驚きしかなかった。幸村が肩アーマーの裏に隠していた物――それは拳銃の様な軽めの銃火器ではなかった。

それは――ハンドガンと言うには若干大きめの物であり、携帯型大筒や種子島と言う様なデザインをしていたのである。

このハンドガンを見た今川は、ここだけ戦国モチーフな事にも怒りを覚えたのだが、それ以上に――。

「こちらとしても、全ての手の内をあっさりと見せる訳には――いかない!」

 近距離まで近づいての近接射撃、それは幸村が大筒を両腕で支えなければ耐えられない程の衝撃があったからである。

この一撃を受けた今川は――50%程あったライフが一瞬で0%になった。

完全決着ノックアウト

 KOの表示がARバイザー及びセンターモニターに出た事で、バトルの決着はついた。

勝者は真田幸村、称号的には順調というよりも当然の勝利だったのかもしれない。

「真田幸村――我こそは、戦国一のつわものなり!」

 まるで戦国時代をモチーフにしたアクションゲームの様な勝ち名乗りを――幸村が叫ぶ。

今川の敗因は、幸村を甘く見過ぎた事なのだろう。

「まぁ、こうなるか――」

 試合を見終わった友香は、そのまま観客席を後にした。他の一部観客も別のARゲームを観戦する為に移動を始めている。

ARゲームの観戦は無料が原則、有料な物があれば有名プレイヤーによる特別マッチ位だろうか。

それこそ、山口が開催したパワードランカートーナメントの様な規模のバトルに限定されるのかもしれない。



 今川とのバトル終了後、幸村は別のプレイヤーともバトルを繰り返し、10人のプレイヤーを撃破したと言う。

しかも、今川との対戦とは違い――全てがストレート勝ち。

この理由として、再戦する価値もないプレイヤーと切り捨てた訳ではなく――単純に向こうが弱かったと言うべきか。

大抵が八流のプレイヤーを倒して有名になろうと言う人物が多く、それこそつぶやきサイトで拡散して有名人になりたいと考える人物だったのかもしれない。

「今川義元――」

 幸村は10連勝した所で終了を宣言し、そのまま別の場所へと向かう。

戦国武将風のARアーマーが消滅すると、赤いインナースーツ姿のイケメンとは若干言いづらいような顔の幸村の姿が、そこにあった。

ARアーマーが消滅しても覆面だったりするのはARバイザーの設定を操作している場合のみで、基本的には不審者対策等でアーマーが消えると共に素顔も明らかになる。

「一体、彼は何を伝えようとしたのか?」

 幸村と言う名前にしたのは真田幸村がブームになっていた時期があった為に便乗――というきっかけだった。

北欧神話やギリシャ神話の名前は既にプレイヤーがあふれていたので、狙い目と考えていたのかもしれない。

人気アニメやラノベのキャラ名にすると、逆にネット炎上は避けられないと判断し、真田幸村にしたのだと言う。

本名でのエントリーも禁止ではないが、下手するとストーカーに狙われるかもしれない。そうした懸念を抱いてのリングネームだった。

それなのに、今川は名前に対してクレームを言ってきたのだ。タダ乗り便乗のまとめサイト等の様な勢力ではないのに――。

結局、今川の言っている事の意味が分からないまま――彼は他のフィールドでもしばらくの間は戦い続けていたと言う。


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