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七十九話目 初登校日



 朝ーーー!!


 聖ホルド学園で迎える最初の朝を、僕は抱き枕にされている状態で迎える事となった。



 うぅ…。


 全然爽やかな朝にならなかった…。



 実は昨夜、散々マルクル先輩に脅かされたブロンデは、余りの恐怖に1人で寝るのを諦め、僕のベッドにそのまま泊まったのだった。


 まぁ、おねしょとかされなかっただけマシか。



「ほら、ブロンデ…。いつまで引っ付いてる気?朝だよ?」


「んにゃ?」


 3度目の正直とは良く言ったもので、ブロンデの体を揺さぶり続けて3回目でやっと起きてくれた。



 当然、寝起きのブロンデと目が合う。



「◎☆♪ゑヰ!!!※◆!」



――――――


「シエロ君、ごめんね?」


「何が?朝の事なら、もう気にしてないよ?」


 今、僕達は寮から学校へ登校している最中。



 笑いをかみ殺している僕を真ん中に、右に真っ青な顔のブロンデ、左に笑いすぎて真っ赤な顔をしたルドルフ、というカオスな状態で廊下を歩いている。


 ブロンデが何でこんなに謝っているかと言うと、寝起きの寝ぼけた頭で僕を見た時、「あれ?ママ小さくなったねぇ…」と言いながら、僕の雄っパイを揉んだから(笑)


 もうさ、揉まれた事に怒ったら良いのか、泣いたら良いのか、それとも笑い飛ばせば良いのかも分からず、とりあえず眉間にチョップを喰らわせた後、苦痛にのたうち回るブロンデを置いて、顔を洗いに逃げた。


 それで、洗顔から帰って来た僕に気がついたブロンデから、かれこれ2時間くらい謝られ続けているって訳。


 ルドルフはルドルフで、事情を話した瞬間から笑い転げてるし、両隣の奴らのせいで、何か凄い注目を浴びてるんですけど…orz


 はぁ、初日から勘弁してくれよ…。


 ため息をつきながら、教室の扉を開ける。


 あ~、やっと自分達の教室まで辿り着いた気がする。


 何か此処まで長かったなぁ~…。



 ん?黒板に何か書いてある…。


 あっ、席順か!


 黒板には、アルファベット順に座る様にとの指示と、その席順が書かれていた。


 そうそう、余談何だけど、この世界で使われている文字はあっちの世界のA~Zに凄い似てる。


 とは言え綴りが違ったり、読み方が違ったりするから全く一緒って訳でもないんだけどね?



「僕はCだから…、あっ、窓際から2番目の1番前だね?」


「B~、B~、あっ、僕窓際の1番後ろだ」


「俺はシエロの後ろの後ろか…。結構バラけたな?」



「でもさ、教室が一緒何だから席が何処だって変わらないんじゃない?」


「それもそうだな」



「すみません。あの…」


 席順表の前で騒いでいたら、後ろから声を掛けられた。


「あっ、ごめんなさい。お邪魔でしたよね?すぐ退きますから…」


 ほらっ、お前らも散るぞ!!



◇◆◇◆◇◆


 あっ、言ってしまいましたわ…。


「ふぅ…」


 思わず口からため息が洩れてしまいます。


 昨日、お姿をお見かけした時も、お声を掛ける事が出来ず、今も…。


 でも、私負けませんわ!


 必ずやシエロ様とお近づきになってみせますの!!



◇◆◇◆◇◆


 席に着いてから暫くの後に、扉が開いた。


《カチャ》


「お早うございます皆さん。席に付いて下さいね~?」



 そう言って入って来たのは、昨日のデッカい先生ではなく、講堂への入り方を教えてくれた、銀糸の様なサラッサラな髪の毛をなびかせたエルフ先生の方だった。


 思っても見なかったエルフ先生の登場に、教室中の子供達の目が点になる。


「あ~、やっぱり驚かれますよね?理事長の思い付きで、初日だけ担任を入れ替えていたんです。理事長は素晴らしい方なのですが、時々突拍子もない事を思いつくので…。おっと、そんな話しではありませんでしたね。とにかく、私が皆さんの担任を任されましたランスロット・フェザーと申します。これから宜しくお願い致しますね?」



 理事長の突然の思いつきとか…。


 どこかの学園長を彷彿とさせるな(笑)



「それでは、私も皆さんの名前と顔を覚えたいので、窓際の人から順番に自己紹介をしていって頂きたいと思います。アラン・ハインド君から名前と、種族名、それとカードに記載された魔法属性を発表していって下さい。あっ、皆さんにも見える様に、立ってお願いしますね?」



 先生の指示で、僕の左隣にいる生徒から自己紹介をする事になった。


 うぉおー!?


 学校っぽい(笑)


《ガタッ》


「はい。アラン・ハインドです。ヒューマン族です。えと、僕の魔法属性は、土でした。よっ、宜しくお願いします」



 アラン君は金髪に茶色の目をした男の子だ。


 自己紹介をしている間、誰とも目を合わせ様としなかったので、ちょっと照れ屋なのだろう。


 さて、次は?


「アレックス・パブロフッス。犬の獣人です。魔法属性は風、宜しく!!」


 次の子は、アレックス君。

 犬の獣人って事だったけど、まるっきりシェパード犬って感じ。


 黒髪に黄色の目で見つめられたら、僕は確実にボールを投げるね(笑)


 とは言っても顔付きは人族寄りだし、手足もわんこって感じじゃないんだけど…。



 はいっ、次!


「オイラは、アーノルド・スタローン。ヒューマン族で、魔法属性は():身体強化って書いてあったぜ!!よろしく!」



 アーノルドは茶色の髪の毛を短く刈り込んでいた。


 目の色は黒で、顔だけ見てると整っててイケメンの部類だし、筋肉もゴツめで良いと思うんだけど…。


 制服のシャツはビロビロ出てるし、ジャケットの一部がズボンにINしちゃってるし…。


 何か名前的に、シ○ワちゃんと、シ○ベスタに謝って来い!?って叫びたくなるなぁ。


 ~~、次!


「拙者、アサギ・ロクジョウと申す。ご覧の通り鬼族は赤鬼種で御座る。ステータスカードには炎と記載されて御座った。これから宜しくお頼み申す」



 鬼っ子キターー!!


 真っ赤な肌に、金色の髪の毛、同色の瞳、額のところに2本、小さな角が生えていた。


 一人称は拙者だし、もう、もう!!(壊)


 洋風の制服が全然似合ってないけど、僕、アサギ君とお友達になりたい!!



 あんっ、次ぃ!!


「僕の名前はビル・ブライアンです。ヒューマン族で、魔法属性は樹でした。ロイの双子の兄です。宜しくお願いします」


 ロイと言うのはルドルフの後ろの席に座っている緑色の髪の毛に赤い目をした男の子。


 対してブライアンは赤毛に緑色の目をしている。


 全く同じ顔なのに、髪の毛の色と、目の色が真逆になっているので分かりやすい双子だ。


 あれ?赤毛に緑の目がロイだっけ?(混乱)



 ん~と、次!


「ブロンデ・フォールドです。猫族です。魔法属性は雷です。宜しくお願いします」


 窓際の列最後はブロンデだった。


 あっ、じゃあ次は僕の番だね?



 うぉ~、緊張してきた(笑)


《ガタッ》


「シエロ・コルトと申します。ヒューマン族の()で、魔法属性は無:空間、光、風、土、樹です。宜しくお願い致します」


 僕が自己紹介を終えると、周囲がざわつき始めた。


 あっ、これはまたプロクス兄さんの事で盛り上がるパターンッスか?


 うちの兄さん、どんだけ目立ってんのよ…。



《クィンタ?スゴイ…。えっ?男だったんだ。魔法属性5つも…?すげぇ。5こだって?》


 聞こえてきたのは魔法属性の多さと、男だった事にショックを受ける声だった。


 っていうか、誰だ!?


 僕、どう見たって男だろうが!!


 それにその(くだり)は昨日やったじゃないかぁ~!!



『そう思ってるのは貴方だけよ…』


 ブリーズの情け容赦無い攻撃が炸裂。


 僕は心にダメージを負った。


 クスン、ちょっとタンマ。


 立ち直るまでの時間を少しください。





流石に長くなったので、1年A組の良い子達の紹介文は明日も続きます。


本日もお読み頂きありがとうございました。



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