表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/281

七十二話目 眼鏡と兄さんと新しい属性の日



 前回の長期休みに帰省して来た時、兄さんの眼鏡にバージョンアップと言う名の、魔改造を施した犯人は僕です。


 あれから一度も眼鏡の具合を確認出来ていなかったので、丁度良い機会だし、点検しておくことにした。



 僕の燃え上がる怒りを少しでも落ち着けないと…ね?



 兄さんに借りて、眼鏡の調整を行う。


 いつの間にか、アレだけ居た人だかりはいなくなっていた。



「これでよし、兄様、何か問題とかはありませんでしたか?」


「ありがとう、いや?特に何もないよ?それに、こんなに素晴らしい魔導具はそうそうないよ」


 兄さんは眼鏡を受け取りながら、変な事を言った。


 魔導具…?


 あれ?眼鏡って魔導具だったっけ…?



「何キョトンとしてんだよ?これが魔導具じゃなかったら、そこいらにある魔導具はただの道具になっちまうぜ?」


 ポケッとしていると、後ろから声を掛けられた。


 反射的に振り返ると、柔らかそうな茶色の髪の毛を、無理やりツンツンに立たせた様な頭の兎族のお兄さんが立っていた。


 瞳の色も髪の毛同様茶色で、垂れた耳がロップイヤー種の兎を連想させる。



「お前がプロクス自慢の弟のシエロだな?俺はエルドレッド。こいつの親友だ、宜しくな?」


 あぁ、この人がよく兄さんの話しに出るエルドレッドさんか…。


 勝手な想像だけど、兄さんの話し的に犬系の獣人さんだと思ってたから、兎族…、特にロップイヤー種だとは思いもしなかった。


「貴方がエルドレッドさんでしたか、お噂はかねがね、兄から聞いておりました」


「おい、プロクス!お前変な事弟に吹き込んでねぇだろうなぁ」


「さぁ、どうだったかな?」


「お前~」


 口調だけを切り取って聞いていると、エルドレッドさんが兄さんに詰め寄って喧嘩でもしてる様に聞こえるけど、2人は笑いながらくすぐりあってるだけである。


 家ではまず見せない兄さんの表情に、新鮮味を感じた。



「シエロ君、お待たせ…。うわぁっ!プロクスさんとエルドレッドさんだ!!何でこんなところに!?」


 と、そこへ、魔力検査を終えたブロンデが出てきた。


「あれ?兄様とエルドレッドさんの事知ってるの?」



「知らないも何も、僕の住んでいる村じゃ、この御3人様は英雄だよ?僕の村を救って下さっ…。え?兄様?」


 さっきまでのオドオド感はどこへやら?

 ブロンデは目をキラッキラさせながら、興奮気味に僕にまくし立てたかと思いきや、徐々に声が小さくなって、僕の兄様発言に大きな声をあげた。


 いや、あのちょっと…。

 耳がキーンって言ったんですけど…。



「う、うん…。プロクス・コルトは僕の兄様だよ?それより、兄様が英雄?」


「え?弟?え?」


 お互いの発言に混乱状態の僕らに対し、兄さんとエルドレッドさんが慌てた様子で割って入ってきた。


「ほっ、ほら、シエロ?もう入学式まであまり時間もないし、その話しはまた後にして、僕達に君らのステータスカードを見せてくれないかな?」


「そうだぜ?猫耳の少年!この哀れな先輩に、君達の輝かしいステータスカードを見せてくれ!なっ?」


 確かに、余りのんびりは出来ないけど、僕らの後ろにはまだ長蛇の列が出来ていたし、早くに爺さん宅から出て来たから、時間的な余裕はまだまだあると思うんだけど…。


 それを一番分かっている筈の兄さん達が、余りにも必死な様子なので、とりあえず誤魔化されてあげる事にした。


――――――


「じゃあ、せーので出そうね?」


「う、うん。シエロ君…」


「「せーの!」」



 話しが何とかまとまり、僕とブロンデは一緒にカードを見せる事になった。


―――

シエロ・コルト


性別:男

年齢:6歳

level:10

種族:ヒューマン

魔法属性:光・空間・風・土・樹(草・花)

所属:聖ホルド学園

スキル:魔力制御(Lv.10)、土操作(Lv.8)、回復魔法(光:Lv.5)、空間把握(Lv.7)、風操作(Lv.6)、樹花育成(Lv.2)、ヒューマン言語(Lv.5)


加護:女神達の寵児

シルビアーナの加護

スカーレットの加護

ブロナーの加護


風妖精の寵愛、土妖精の微笑み、樹花妖精の情愛


魔力量:A


―――


ブロンデ


性別:男

年齢:6歳

level:6

種族:猫族

魔法属性:雷

所属:聖ホルド学園

スキル:魔力制御(Lv.2)、高速移動(Lv.3)、雷操作(Lv.2)、ヒューマン言語(共通Lv.3)、獣族言語(Lv.5)


加護:


魔力量:A


―――



 お互いにパッと出したカードを見比べる。


 あっ、所属が無所属から、聖ホルド学園になってる。


 おっ?魔力量の項目が増えてる。

 あぁ、ここを見てクラス決めしてたのか~。



 あっ、因みに、5歳の時に教会で測った時はこうだったよ?


―――


シエロ・コルト


性別:男

年齢:5歳

level:6

種族:ヒューマン

魔法属性:光・空間・風・土

所属:無し

スキル:魔力制御(Lv.5)、土操作(Lv.4)、回復魔法(光:Lv.3)、空間把握(Lv.3)、風操作(Lv.3)、ヒューマン言語(Lv.2)、

加護:女神達の寵児

シルビアーナの加護

スカーレットの加護

ブロナーの加護


風妖精の寵愛、土妖精の微笑み


―――


 さぁ、見比べて(笑)



「シエロ君のカード凄いね…。加護の所、女神達()の寵児ってなってるし、クィンタだ…」


「えっ?シエロは確かクアルタだったよね?何時の間に増えたんだい?」


 え?皆何言ってんの?


 魔法属性が5つもある訳…。


 ホンマや!!?



「あ~、お前の弟が一番驚いてんぞ?何だ、お前知らなかったのか?」


「えっと…。はい…。初めて計って頂いた時から、確認していなかったので、何時の間にクィンタになったのか…」



 魔法属性の項目を1つずつ確認する。


 あっ、【樹】の属性が増えてるんだ。


 えっ?何で【樹】?


『あ~、シエロさ頼まっち、私が何度かスプラウトちゃんと物々交換とかしったべした?あれで、スプラウトちゃんがシエロの事気に入ったんだと』


『半年位前に、スプラウトから何かの種を貰ってたでしょ?あれの花が咲いた時、そこから草花の妖精が産まれるらしいわよ?』


 はっ?いや、確かに半年位前にクレイを通してスプラウトさんから何か珍しい色合いの種を貰ったから、大事に育ててたけどさ…。


 今回学校に入るからって、植木鉢に移して、しっかり【僕の箱庭】に入れてある。


 因みに【僕の箱庭】は、空間魔法を使って僕が1から作り出したオリジナルの魔法で、手のひらサイズの小さな四角い箱の中に、それなりの広さの空間を魔法で閉じ込めてあるんだ。


 その広さは最初に込めた魔力量によっても変わるんだけど、今僕が使ってる箱庭の大きさで言うと、僕の家がすっぽり入るくらいの大きさかな?


 で、そこに学園生活で必要になりそうなものを詰め込んで来た訳なんだけど…。


 そこに入れて来た植木鉢の植物から、妖精が産まれてくるなんて…、マジで?



「シエロ?どうしたの?」



「あっ、えーと…。僕の妖精達が教えてくれたんですが、僕が育てている植物が【樹】の妖精で、花が咲いた時に花の中から生まれてくると…」


「えっ?何?お前の弟、妖精の声を聞けるのか?」



「そうだよ?あれ?言ってなかったっけ?シエロは妖精の姿をハッキリ見る事が出来て、声も聞く声が出来るんだ」



 兄さんが自慢気に僕の妖精視について話し始めた。


 うわ~、本人の居る前で弟自慢は止めてくれ~。


 兄さんの口からは、止め処なく僕に関する自慢話が溢れてくる。



 うわ~、ブロンデ、兄さん達はほっておいて、早く教室に行かない?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ