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七十一話目 ステータスカードの結果と…の日



 僕は言われた通り、水晶玉の上に手を乗せた。


 あの時と同じ様に虹色の光が僕の手を何度も往復する。


 あっ、まずい!またあの目潰しな光が来る…。




 …………、あれ?来ない?



「あぁ…、言い忘れていたが、教会の魔力検査で出る様な、魔力の放出は無いから、安心しなさい…」


「えっ?あっ、そうなんですか?身構えてしまってすいません」


「問題ない…。君みたいな魔力量の多い生徒は大抵身構えるモノだ…。学園の水晶玉は地下と繋がっていて、地下に魔力を逃がす仕組みとなっているから、安心だ…。」



 えっ!?魔力量が多い!??


 僕はいつも、プロクス兄さんやルーメン姉さんを見ていたから、未だに僕の魔力量が多いのか少ないのか分かっていなかったんだけど…。



「何変な顔をしているんだ…?この板を通して、君の情報を読んでいるが、水晶玉の許容量ギリギリの魔力量だぞ?自分の魔力量を知らなかったのか?」


 先生の手元には、タブレット端末くらいの大きなステータスカード…、ステータスボードって感じの板があった。


 どうやら、あれで生徒の魔力量等の情報を読み込んでいる様だ…。


 何ソレ!?すげーカッケー!


 何でそんな便利な物が有るのに、眼鏡は無いんだよ!?



 あっ、いや、それより今は、僕の魔力量についてだよね?


 先生すいません。


 全く知りませんでした。



「昨年教会で測って頂いた時も、神父様には何も言われませんでしたので…」


「んん?あぁ、君の街に居るのは、確かクラレンス神父だったな…。あの人は優秀な人なんだが、やる気がないからなぁ…」


 仰る通りで…。


 普通終わったんだから早く帰れなんて、神父様が言う台詞じゃないよなぁ(苦笑)


 流石は光の精霊様だ。



「まぁ良い…。さぁ、ステータスカードの更新が済んだぞ?これからは、このカードが学生証にもなる。くれぐれも無くしてくれるなよ…?」


「はい、ありがとうございます」


「ん。良い返事だ…。君のクラスはお兄さん達と同じくA組だ…。場所はカードを操作して見つけなさい…。地図の機能が追加されているハズだ…」



 ステータスカード、やっぱすげー!?


 マジハイテクだわ。


 んーと、どれだろう…?


 あっ?これかな?ステータスカードの角の方に紙が丸まってるみたいなアイコンがある。



「これですか?」


「そうだ…。それが地図のマークだ…。この学園の地図は入力されている…。この学園の敷地は広いからな…。よく使う機能になるだろうから、覚えておくといい…。では、行きなさい。さぁ、次の生徒は此方へ…」



「はい、ありがとうございました。失礼します」


 次の生徒…、って言うかブロンデに向き合う為、僕には手をヒラヒラと振るだけだったけど、色々丁寧に教えて貰えたし、良い先生だったなぁ…。


 他の人の邪魔にならない様に、廊下に出てブロンデを待っている事にしよう。



 廊下の壁に背を預けながらブロンデを待つ。


 あ~、待っている間、暇だなぁ…。



「やぁ、君は新入生かい?」



 ん?誰?


 視線を上に上げると、目の前に1人の男子生徒が立っていた。


 どうやらこの学園の上級者みたいだけど…。


 何かキザったらしい貴族様、って感じの見た目のパイセンだな…。



「何か、ご用ですか?」


 でもまぁ…、どんなにウザそうなパイセンでも敬わないといけないよね?


 一応…、念の為…。


「ご用…、というか、君に興味があってねぇ…?」


 あ゛?


「俺はスティンガー子爵家が長男、ゾルフと言う。麗しいお嬢さん?お名前は?」



 あ゛ぁ?お嬢さんだぁ?


 何だこいつ、頭沸いてんじゃねぇのか?



『ブフッ…』


 クレイ!!


 お前本気で飯抜きだからな!?


『そっ、それだけはご勘弁をシエロ様~』


『自業自得でしょ?シエロ、ここは穏便にね?ね?ほら、さっきのブロンデ君にも我慢出来たじゃない?ね?』



 うん、分かってるよ、ブリーズ…。


 僕は、落ち着いて…。



「女神様を思わせる艶やか(つややか)な髪…、艶やか(あでやか)で深い海の底を思わせる様な青の瞳…、そして、さくらんぼの様なふっくらとした唇…」



 何とか冷静に対処しようとする僕の顔にキザ男の顔が近づいてくる。


 ……、僕の顔に近づいてくる!?



「ふざけんじゃねぇ!!」


《ゴツッ》


 近づいて来たその顔目掛け、渾身の頭突きを喰らわせる。


 思ってもみなかった衝撃に、相手のキザ男は無様に尻餅をついた。


「こっちが黙ってると思って好き勝手しやがって!僕はコルト辺境伯が次男、シエロ・コルトだ、覚えとけこの野郎!!」



 畳み掛ける様にまくし立てる。



「おっ、男?君が?」


 絞り出す様に震える声を出し、僕を指差すキザ男。


 人の事を指差すなって母親に教わらなかったのか?こいつ。


「シエロじゃないか?どうしたんだい?大きな声を出して?」


 あっ、プロクス兄さん。


 あ~、こんだけ騒いでたら目立つよね?


 僕の周りを囲む様に、いつの間にか人だかりが出来ていた…。


「プロクス兄様、お騒がせして申し訳も御座いません。実はこの方が僕を女の子だと仰って…」


「ん?君は、スティンガー子爵家の…。僕の弟に何か御用かな?」


 兄さんが僕とゾルフの間に割って入ってくれる。


 周りの人だかりから、プロクス兄さんの名前を囁く声が聞こえた。



《プロクス様よ?あの女の子はプロクス様の弟ですって!?私よりも可愛い…スティンガー様は手が早い事で有名だから…》


 等々…、殆どが女子みたいだけど、プロクス兄さんって女子から人気があるんだなぁ…。




「ぷ、プロクス・コルト先輩…。先輩の弟君でいらっしゃいましたか…。えっと、その…、失礼しました!」



 兄さんに睨まれたゾルフは、顔を真っ青にさせながら逃げていった。



 一体何がしたかったんだ…。



「兄様、助けて頂き、ありがとう御座いました」



 とりあえず助けてくれた兄さんに感謝の意を伝える。


 お礼と挨拶。


 これ、大事!!


「いや、シエロが無事ならそれで良いさ。彼は悪評が絶えなくてね?気をつけるんだよ?」



「はい、気をつけます。有り難う御座いました」



「いやいや、シエロの役に立てて、僕も嬉しいのさ。眼鏡のお礼もまだだったしね?」


「あっ…」



 せっかく会えたんだから、ついでに新しくした眼鏡の具合を聞いてみようかな?


 ブロンデはまだ出てこないし、何かイライラが止まらないしね(笑)






遂にタイトル詐欺からの卒業でございます(笑)


しかし、ここまで来るのにどんだけ長いことかかっているのか…orz


相変わらずのろまですいませんが、宜しくお願い致します。



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