六十一話目 神父様に不信感を感じた日
ステータスカード、主に【加護】の欄に対しての不安感が拭えない僕です。
えっ?まてよ?
まず、女神様って聞いた話だと、双子だったような…?
シエロ・コルト
性別:男
年齢:5歳
level:6
種族:ヒューマン
魔法属性:光・空間・風・土
所属:無し
スキル:魔力制御(Lv.5)、土操作(Lv.4)、回復魔法(光:Lv.3)、空間把握(Lv.3)、風操作(Lv.3)、ヒューマン言語(Lv.2)、
加護:女神達の寵児
シルビアーナの加護
スカーレットの加護
ブロナーの加護
風妖精の寵愛、土妖精の微笑み
再度、ステータスカードを確認する。
いち、にぃ、さん…。
うん、確かに3人居るな…。
はっ?えっ?どういう事?
「シエロ!ステータスカードの結果はどうだった?僕たちにも見せてくれないかな?」
えっ?あっ、お兄さん、ちょっと待って?
ちょっと混乱中なの…。
「女神様方は貴方の事を、お見守り下さっているのです。ただ、それだけ…。混乱する事などありません。大丈夫、他の方には女神様のお名前は見えませんから…」
耳元で神父様に囁かれる。
反射的に神父様の方を見る。
神父様は慈愛に満ちた、穏やかそうな微笑を浮かべているだけで、それ以上は何も語らなかった。
今、心を読まれたのか?
本当にこいつは何者なんだ…?
「シエロ?どうかしたの?」
神父の方を睨み付けていると、お兄さんから声を掛けられた。
あぁ、いけない…。
お兄さん達を心配させる訳にはいかないもんな。
「ううん、何でもないよ?ステータスカードだよね?どうぞ♪」
笑顔でステータスカードをお兄さんに手渡す。
神父の件は、後でこっそりと家を抜け出した時にでも暴いてやる。
もしくは妖精達に頼む!!
『こらっ、人任せにすんな!!』
スパーク君、お兄さんと一緒に学校へ行く様になったらガラ悪くなってきたよね~?
昔みたいにわざとらしい感じでもないし…。
『話しを逸らすんじゃないの!?』
「まぁ、貴方、ここの項目を見てくださいな!シエロにも女神様のご加護が!!しかもお2人からの様ですよ?あぁ、何て事でしょう…。親子で女神様が見守って下さっているなんて…」
「プロクス、ルーメンもそれぞれ妖精達に愛されて、シエロまでか…。私達の子供達は何て素晴らしいんだろう」
両親は、僕のステータスカードを食い入るように見つめた後で、感動の涙を流している。
祖父母も興奮している様だ。
お祖母さんはルーメンお姉さんと踊り出したし、祖父さんは…。
うわっ!何アレ!?
こっわっ!!
閻魔様みたいな顔して仁王立ちしてるよ…。
何を裁く気何だろう…。
あっ、もしくは魔除け?
「さぁ、これにて洗礼の儀はお終いです。続きは待合室の方でお願い致します」
それぞれ盛り上がっている家族達を促す様に、神父が手をたたきながら声をあげる。
「あぁ、シエロ様?貴方様は、既に魔力操作を覚えているご様子ですので、余りとやかくは申しません。ですが1つだけ…。魔法は便利なものではありますが、使い方を少しでも違え(たがえ)れば、一瞬にして他者の命を容易く奪えてしまう術でもあります。その事を、努々(ゆめゆめ)お忘れなき様に…」
その顔は笑顔だけれど、目は笑っていると言うよりは、好奇に満ちている様にも見えた。
「…。分かりました」
「何か聞きたい事がありましたら、何時でもいらっしゃい。私に分かる事でしたら、何時でもお教え致しましょう。大丈夫、私は貴方方の味方ですよ?」
銀色の髪が、キラリと光る。
穏やかな笑顔が、嘘臭く映る。
貴方方の方は、誰を指している?
家族達の事か?
それとも、妖精達の事か?
「ありがとうございます…」
ここに来た時とは、違った意味でドキドキしながら、洗礼の間を退出する。
体の中には、酔っ払いが1匹とその介添えが1匹。
せめて、両方が正常な時にでも、こいつの正体を暴いてやる。
僕は誰にともなく誓うのだった。




