五十九話目 洗礼式の日(シエロ版)
11月12日分の更新です。
本日からシエロの年齢が上がり、魔法何かも度々登場していく予定です。
本日も宜しくお願い致します。
今日は待ちに待った洗礼式の日。
1歳の誕生日から、早4年もの月日が流れました。
長かった…。
もう待ち過ぎて、朝からテンションが可笑しくなってる。
ルーメンお姉さんも、こんな気持ちだったんだろうか、とか考えるとほっこりした気持ちになるな(笑)
あっ、アホな事考えてたらちょっと落ち着いてきた。
「シエロ、朝からご機嫌だね?」
「うん!せんれいしき楽しみ~☆」
眼鏡を掛けたプロクスお兄さんは、朝からテンションが高い僕を見て、クスクス笑っている。
うんうん、眼鏡を作って本当に良かった。
アレルギーがあったらまずいと思って、チタン性の全フレームの眼鏡にしたけど、真面目なお兄さんには凄い似合ってる。
土属性万歳!!
フレームもレンズも、元を辿れば材料は石だもんなぁ。
あってて良かった土属性(笑)
あ~、眉間に皺が寄らないお兄さんはメチャクチャ可愛いなぁ。
こんなに可愛いお兄さんが、うちの祖父さんみたいになっちゃいけないんだ。
祖父さんの顔は鬼瓦にしか見えないんだから。
まぁ、魔法の説明をするのに、妖精に教えてもらった、とか嘘をついたのは心が痛んだけどね?
『あら?私達と話し合った結果であの形式になったんだから、まるっきり嘘って訳じゃないんだし、シエロが心を痛める事はないわよ』
『んだよ~?シエロは悪くねぇんだから、自信持ってやんなさいねぇ?』
ありがとう、ブリーズ、クレイ。
この4年で変わった事と言えば、妖精達に敬称をつけなくなった事と、魔法が使えるようになった事。
いつまで他人行儀に【さん】づけするのよ!
と、ブリーズに言われた事が発端だった。
確かに、アクア達の事はずっと呼び捨てなんだし、ブリーズにそう言われるのも道理だよな…。
と思って、敬称をつける事を止めた。
暫くの間、うっかりブリーズさんって呼んで、睨まれたのはご愛嬌と言う事で…。
後は、魔法についてだけど…。
色々と夜中の訓練を重ねて行く内に、体も成長してきて自由に歩き回れる様になった。
それならば、とお母さんと一緒に庭へ行った時とかに、土遊びをしていると見せかけて魔法の訓練をする様になったんだ。
流石に、攻撃型の魔法は妖精達と話し合って、洗礼式の後からちゃんとした人族の先生に習う。
って事にはしたんだけど、その他の工作型の魔法とか、回復型の魔法はブリーズとクレイの許可をもらって、訓練を始める事になった。
【光】の属性は比較的メジャーだった事もあって、ブリーズやクレイに教えてもらえたから、比較的簡単に覚えられた。
だけど、【空間】の魔法を教えてくれる人は妖精も含め誰もいなかったから、苦労したよ。
ルーメンお姉さんの洗礼式の時に、教会の大きさを目算出来たのを思い出してなかったら、今でも使えなかったかもしれない…(汗)
後は、スパークとアクア達が、兄姉達と一緒に帰ってきた時とかに、学校の授業内容を教えてもらえたって言うのも大きいかもな。
まぁ、一通り苦労はしたけど、何とかお兄さんの眼鏡も作れたし、第一の試練は突破出来たかな?
「シエロが造ったって言う、ねがめ(・・・)だったかな?不思議な形をしているね?」
あっ、眼鏡の事を考えていたら、お父さんがお兄さんを捕まえて、眼鏡をしげしげと観察してる…。
お父さん…。
【ねがめ】って何よ…。
「お父様、ねがめではなく、眼鏡ですよ。妖精に教えてもらいながら、造ってくれたんだそうですよ?」
「ふむ、【目の病気を軽くする道具】だったかな?聞いたこともない魔法で加工していたんだろう?シエロ、他には何を教わったんだい?」
うわっ、お兄さんからこっちに矛先が向いちゃったか…。
めんどくせぇな…(小声)
「お父さま!せんれいしきから帰ってきたらにしてください!早くいきましょうよー!!」
秘技!我が儘駄々っ子!!
なんつって(笑)
「おぉ、シエロ、すまないね。そうだね、洗礼式から帰ってきたらゆっくりと話しを聞くことにしようか…。リーベ達の支度は終わったかな?」
あっ…。
これは長くなるフラグをたててしまったかもしれん…。
ブリーズ、クレイ、今日はご飯(魔力)抜きになるかも…。
『え~?シエロのまま食わんにぃのかし?勘弁してくれろ~』
『あんたは昨夜も貰ってたじゃないの。それに、たまにはお父様に付き合ってあげなさい?ここのところ忙しくてシエロの寝顔すら見てないって嘆いてたわよ?』
おぉう、ブリーズのお母さん力がどんどん上がっていくなぁ。
了解ッス。
今夜はお父さんに付き合ってあげるとするよ。
さて、そろそろ時間だよね?
教会へ行くとしようか!?
――――――
今僕の目の前には、高さ20m、横15m、奥行き100m程の、白を基調とした石造りの建物が建っている。
建物は2階建てで、2階部分には丸い窓がいくつも填められていた。
あっ、いや、手前は1階部分しかないか…。
手前は礼拝堂みたいになっていて、奥に居住スペースがあるようだ。
あれ?デジャヴ?
嘘々(笑)
久し振りに見た教会は、あの時と少しも変わりなかった。
変わったと言えば、自分の足で立っていると言う事くらいかな?
あの時は、お母さんの腕の中から見ていた光景だったけど、今日は自分の意志で教会の中を進めるのが凄く嬉しい…。
後3年経てば、お前の番になるんだぞ?
今日はお兄さんの勇姿をしっかりと、そのクリックリの赤茶色の瞳に焼き付けておきなさい?
4年前に自分が居た、お母さんの腕の中を見つめる。
そこには、緑色の髪の毛を持ち、赤茶色の瞳を持った2歳児が居た。
そう、兄姉達が学校に入った後で産まれた、僕の妹だ。
彼女の名前は【フルスターリ】。
お兄さんやお姉さんとは違い、猫の様な吊り目が特徴的な可愛い女の子なのだ!
「に~?」
フルスターリは、僕が大好きなので、目が合うと僕に抱っこしろとせがんでくるのが難点だな…。
家の中ならいざ知らず、外でお前何か抱っこしたら潰れちゃうよ、僕が。
夜毎夜更かししていたのが祟ったのか、同年代の子供に比べると、僕の身長は著しく低いらしい。
お兄さんは背が高い方だから、並んじゃうと絶望感に苛まれる。
くっ、学校へ入学するまでには身長をガンガン伸ばしてやるんだ!
ビックな野望を胸に秘めながら、僕は教会の扉を潜った。




