表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/281

五十七話目 一年間を振り返った日



 ルーメンお姉さんの怒涛の誕生日から早くも7ヶ月が経ちました。



 その間に、お兄さんの誕生日とか、祖父さんが帰りたくないって駄々こねて土に還る寸前まで行ったりとか、まぁ色々あったけど、教会以上のインパクトはなかったので割愛しました(笑)


 と言うわけで、明日は僕の1歳の誕生日です。


 窓から外を見る。


 チラチラと雪が降っているようだ。


 んー、明日積もらないといいんだけど…。


 窓の外を見るために上っていた本棚から降り、絨毯の上に座る。

 毎日ジュリアさんが綺麗に掃除をしてくれるからか、いつもふかふかして気持ちがいい。



 ふぅ、もう1歳か…。


 やっと1歳って感じもするけど、前半の半年間が濃すぎて、振り返ると胸焼けを起こしそうだなぁ…。


 プロクスお兄さんの顔に泣かされたのも良い思い出です。


 勿論、ブリーズさん達に会えた事もね?



『ありがとう、私も貴方に会えて嬉しかったわ?』



『僕も嬉しかったよ。でも4の月になったらプロクス君にくっついて、僕も学校へ行こうと思ってるから、暫くの間お別れだね?』



 お別れ?


 あっ、そうか…。


 お兄さんが通う学校は、全寮制だから、そうそう会えなくなっちゃうんだったね…。


 次帰ってくるのはいつになるんだっけ?



『冬になったら帰れるはずだよ?だから、大体1年後かな?』

 そっか…。


 来年にはルーメンお姉さんも学校に入学だし、寂しくなっちゃうなぁ…。


『私とクレイが居るでしょ?』


 うん、そうだね…。


 寂しいなんて言ったら、2人に失礼だもんね?


 よし、ネガティブお終い。



 明日は近隣の人達を集めて、僕のお披露目会をやるって言っていたし、早く寝なくちゃね?


『そうよ?ほらっ、温かくして寝るのよ?風邪を引いたりしたら、大変なんだから』



 は~い、ブリーズお母さん(笑)



――――――


 朝だよ!!


 心配していた天気も、何とか持ち直したみたいで、灰色の分厚い雲の間から、澄んだ青空が覗いている。



 流石に外は寒いから、エントランスの所に誕生会&お披露目会の会場を作るみたいで、朝から沢山のメイドさん達がバタバタと準備に勤しんでいた。


 まだ覚束ないながら、少しずつ歩ける様になっている僕は、危ないからと部屋に閉じ込められている訳で…。


 歩ける様になったとは言え、まだハイハイの方が早いんだよねぇ…。



《ガチャ》



「シエロ~?お母さまが、おきがえするって、君をよんでるよ?」


 あっ、お兄さん。


 何だ、鍵は掛かってなかったのか…。


 まぁ、こっそり逃げ出す気もないんだけどさ?


「さぁ、行こう?」


「あい、にーに」



 しっかりとお兄さんの手を握って、僕達は部屋を後にした。





――――――



 で、またこうなるんだね…?


 何でドレスだよ!!PART2



 前のは絶対サイズが合わないはずだから、新しく作ったのか?


 今度は水色のリボンがいっぱいついた青いドレスだった。


 袖はパフスリーブになっていて、プリーツが幾つもついたスカートにも水色のリボンが着いているし、確かに可愛いけどさぁ…。



「シエロちゃんはドレスが似合うわね~?可愛いわよ~?」


 勘弁してよ、お母さん…。


「さてと、満足したから、ちゃんとしたお洋服にお着替えしましょうね~?」


 !!!!???


「ルーメンちゃんのドレスだけど、取って置いて良かったわ~♪こんなに可愛いシエロちゃんが見られたんだもの」



 僕は頭が真っ白になって行くのを感じた…。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ