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五話目 怖い目にあった日



 前略、前世のお父さん、お母さん、お兄さん。

 先立った不幸をお許しください。


 そして、僕は今、転生先の異世界におきまして…。

 眼力で殺されかかっています。



 今日、僕がお昼寝から目覚めると、いつもの夜空に星の柄の天井に、いつもの現お母さんの柔らかい笑顔の他、明らかに異質な存在がベビーベッドを覗き込んでいました。


 現お父さんと同じく、深い緑色の髪の毛に、現お母さんと同じく蒼い瞳を持った5歳位の男の子という、どこをどう見ても今世でのお兄さんです、ありがとうございます。


 という感じの男の子だったんだけど…。



 何でそんなに睨んでんの!!!?



 えっ?えっ?僕達、初めましてだよね?

 僕この人に何かした!?

 目つき悪いってレベルじゃないよ?

 あっ、お母さんを僕に盗られたと思ったとか、かな?

 それは申し訳ないとしか言えないな。

 現に今、現お母さんを一日中、ずっと独り占めしてる感じだしさ。


 しかし、きっ、気まずい。


 現お父さんに無言で見つめられてた時も、若干気まずい物はあったけど、今回は比べ物にならないくらい視線の圧力が凄い…。


 この視線の威圧力で人が殺せると思う。

 たぶんこの人、2~3人殺してるよ。

 この目は殺し屋か、暗殺者とか、それに類する職の人がする目だよ。


 推定5歳児にこんな目させるとか、この家、実は凄い恐ろしい家なんじゃね?


 あんな優しそうな目をした現お父さんと、いつもニコニコしてる現お母さんからは考えられないけどさ…、もしかして、実はあの2人も相当ヤバい人達なんじゃ…、何て勘ぐってみたりして。


 っていうか、この現お兄さんの視線にた、耐えられそうもない。

 ヤバい…。泣きそう…。


 中身は26歳成人男性の赤ん坊なんだけど、泣きそう…。


 どうしよう、推定5歳児に泣かされる…。

 中身は成人してるおっさんだけど、外見は赤ん坊だし、許されるかな…。

 精神が身体に引っ張られて赤ん坊になってるんだよ、なんて、どこかで聞きかじった様な言い訳をしても、許されるかな…。


 駄目だ、何とか余所事考えてやり過ごそうと思ったけど…、本当に限界…。

 涙が決壊したダムの様に、溢れ出してくる。


「ふぇ、ふぇっ、ふぎゃ、うぎゃあ、あ゛ーーーー」



 マジで目がこぇえよーーー。


 ってあれ?僕が泣き出したら、現お兄さんが凄いびっくりしてる。

 何か凄い困ったような顔をして、現お母さんと僕の顔を交互に見てる。


「あ゛ーーー。ふぎゃっ、あ゛ーー」


 とはいえ、泣き出したら直ぐには止まらないのが赤ん坊というもので…。


 視界が滲む中、現お兄さんまで泣きそうな顔になって困っているのが見えた。


 そんな顔してるとちゃんと子供に見えるな。

 現お兄さんのそんな一面を見て、大分頭は冷えてきたけど、やっぱり涙は止まりそうもない。


「あらあらあら、シエロ君泣いちゃったわね~?大丈夫よぉ~?プロクスお兄様はちっとも怖くないのよぉ~?」


「あ゛ー、あ゛ーーー。」


「よしよし、泣かない泣かない、シエロ君は強い子ですよぉ~」


 現お母さんの優しい声と、抱かれた腕の中の揺れが心地よくて、何とか涙が収まってきた。

 で、それと同時に眠気も襲って来た…。


 ゆ~らゆ~らと心地よく揺れる腕の中…。

 うっ、気持ち良すぎる…。


 お母さんマジック…、恐るべし…。


 お、お休みなさい。




本日の投稿はこちらで終了とさせていただきます。


本当にご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。


また明日もお読み頂ければ嬉しいです。

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