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五十五話目 続々・洗礼式の日



 洗礼式なう(死語)



 いや~、あんまり綺麗な光景を見た後って、喋りたくなくなるね?


 それくらい、神秘的な光景だった訳だけどさ、あれは一体何を表していたんだろう?



「洗礼の儀はこれにて終了致します。ルーメン様、御気分はお変わりありませんか?」



「はいっ、だいじょうぶです。しんぷさま、さっきのぶぁーってしたのは、なんですか?」



 そうそう、そのぶぁーってしたやつって何なんですか?



「先程のものは、ルーメン様のお力が具現化、表に現れたものです。この部屋中が、ルーメン様の魔力で包まれたのですよ」


 えっ?じゃあ、アレ全部お姉さんの魔力だったの?


 それだけお姉さんの魔力が多いって事か…。



『きもちひかっら~』


『さいこうらった~』


『よっぱらっひゃ~』


 あっ、何かアクア達を久しぶりに見た気がする(笑)


 いや、そうじゃないよな…。

 ちょっと、お前ら大丈夫か?


 何かフラフラしてるぞ?


『うん~』


『りゃひじょうぶぅ~』


『あしたはふつかよいらろ~♪』


 うん、大丈夫じゃないな…。

 とりあえず、ルーメンお姉さんの体の中に入って休んどきな?


『あ~い』


『そうしる~』


『おやしゅみ~』



 おぅ、お休み~。


 …、ブリーズさん。 アクア達ってどうしたの?


 明らかにベロベロだったよ?

 心なしか、いつもは真っ青な雫顔がほんのり赤かった気がするし。



『どう見ても魔力酔いね…。ルーメンちゃんの魔力を吸い込みすぎたのよ…』


 魔力酔い…。


『あの水晶玉で、魔力量とか、その子が持ってる属性とかを調べているみたいなんだけどさ、その時に吸収した魔力を、最後に吐き出すんだよ。アクア達はそれをモロに被っちゃってたからね…?そりゃあ、魔力酔いも起こすさ』



 スパーク君は、呆れ顔でそう言った。


 スパーク君のこの感じから言って、アクア達は自分から突っ込んで行ったんだろう。



 よっぽど凄いご馳走に見えたのかねぇ?



「ルーメン様の魔力は、同年代の他の方よりもお強く、一歩間違えれば容易く他の方を傷つける事も出来る力でしょう。」


「はい、ジュリアにもききました。あしたから、まりょうせいぎょのおべんきょうがはじまります」


「それは素晴らしい事ですね?魔力制御が出来ましたら、その力は貴方様にとって掛け替えの無い物となりましょう」


 そう言って、神父様は笑った。

 さっき、心底うざったそうに祖父さんをあしらった人と、同一人物とは思えないほど、穏やかで優しげな表情だった…。


 祖父さんは泣いていいと思う(笑)



「それでは、此方がルーメン様のステータスカードで御座います。再発行も出来ますが、無くしませんように、お気をつけ下さいね?」


「これが、わたしのステータスカード…。しんぷさま、ありがとうございます!!」


「いえ、ルーメン様に女神様のご加護がありますように」


 ステータスカードを大事そうに胸に抱き、嬉しそうにはにかむお姉さんと、それを微笑ましそうに見つめる神父様。



 一見、とても感動的なシーンなんだけどさ、神父様、カード一体何処から出したの!?


 見間違いじゃなかったらさ、水晶玉を支えてる台座から取り出した様に見えたんだけど!??


『間違いなく、台座から出したわよ?』


『ぺーって出てきたべよ』



 皆騒いでないし、当たり前の事何だろうけど…。


 明らかに木製の台座から、プラスチックみたいなカードが出て来るとは思ってもいなかったから焦った。


 自分の時に、忘れてて「えっ?」とか変な声あげないように気をつけよう…。


 そう心に誓うことにした。



「それでは、此にて洗礼の儀は本当に終了で御座います。本日はお疲れ様で御座いました。待合室は暫くお使い頂いて大丈夫ですので、宜しければ、お使い下さい」


「神父様、本日はお世話になりました」


「ありがとうございました」



 続きは待合室でどうぞって事かな?


 神父様だって忙しいもんね、うちにばっかり構ってられないよな。

 うんうん。


「いえいえ。あぁ、そうでした、コルト様。プロクス様に続いて、ルーメン様も精霊と出会う事があるかもしれません。今はこれだけしかお伝え出来ませんが、お楽しみに、とルーメン様にお伝え下さい」



「おぉ、それはルーメンも喜びましょう。重ね重ねありがとうございました」


「それでは、失礼致します」




 僕達は、神父様だけを部屋の中に残し、洗礼の間を後にした。


 待合室に残したジュリアさんと早く合流しなくちゃね。




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