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四十八話目 《僕が起こした爆発について》の日



 どうやら僕の起こした爆発事故は、魔力暴走ではなかったらしいよ?



 ブリーズさんも魔力暴走だって言ってたじゃないかぁ~?

 どうなってるんだよぉ~?


 やっぱり、今からでも起こすべき?


『だから、止めなさいって!!下手したら死んじゃうわよ?』



 うっ、ごめんなさい。


『はぁ、私も誤解させる様な事を言っちゃってごめんなさい。でも、あの反応の仕方は魔力暴走だと思ったのよね…?』


『私もそう思ったよ?だから、慌てっちまったんだし…』



 うーん。

 魔力暴走じゃなかったのは、喜ばしい事なんだろうけど…。

 あの爆発は何だったんだろう?


 ブリーズさんが見ても分からないくらい魔力暴走にも似た魔力波形をしていて、でも暴走ではないナニかか…。



 んー、でもあの時、何か声が聞こえた気もするんだよなぁ?

 まぁ、いつもの気のせいだろうけど…。


 でもな~?


 《おっと…》って聞こえた気がしたんだよなぁ…。



「奥様、シエロ坊やに何か、変わった事などありはせんかったですかな?何にせよ、引き金になる様な事はあったかと思うんじゃがのう?」


「えぇっとですね?お義父様が、シエロを女の子と間違えられた。という事くらいしか思い付かないという話しにはなっていましたの…」


 あれ?いつの間にか話しが戻ってる!?

 両親とお祖母さんが熊爺と話していた。



 あ~、また、祖父さんがやらかした話しを掘り返しているみたいだ。

 流石に祖父さんは泣いていい。



 に、してもさぁ?何で間違えるかなぁ~?

 見りゃわかるじゃんねぇ?



『んー、シエロって睫毛長いし、目は大きいし、唇もぷっくりしてるから、スッゴい可愛い系なのよねぇ…』


『そんだなぁ、どっちかって言うと整った顔してんべし、美幼女って感じもすっからなぁ…』


 コソコソ話してても、僕の中で喋ってるんだから、全部聞こえてるよ~?


 グスン…。

 皆して僕を女の子扱いしてさぁ、いい加減、怒りを通り越して悲しくなってきたよ…。



「シエロ坊を女の子と間違えた?あ~、そろそろ自我も芽生え始める頃じゃからなぁ?自分は男じゃと周りから聞かされとったのに、急に女の子じゃとか言われて、混乱したんじゃないのかの?」


「混乱、ですか?」


「うむ、シエロ坊はまだこんなに小ちゃいのに、ワシにまで挨拶してくれよる、頭の良い赤ん坊じゃからの?有り得なくはないわい」



 本人を目の前にして、そんなに褒めないでくれよ?


 超居心地悪いじゃん…。


 しかも、そんな孫自慢する爺ちゃんみたいな顔して…。


 今日初めて会った、実の祖父さんが血涙流して悔しがってるじゃないか…(汗)



「まぁ、それは冗談としてもじゃ、シエロ坊は同年代の赤ん坊と比べても、知性、魔力量共に段違いじゃからのう?ちっと癇癪を起こしたのが、魔力の暴走に見えたのじゃろう」



 癇癪を起こしただけ、という言葉に、不安そうだったお母さんの顔が少し綻ぶ。



「では、シエロちゃんの体に問題はないと言う事ですわね?」


 ホッとした表情になり、殺気もすっかり引っ込んだお祖母さんが、熊爺に念を押す。


 すると、熊爺はその愛らしい顔をニッコリ綻ばせてこう言った。



「えぇ、シエロ坊は健康体ですじゃ。まぁ、今日1日くらいは様子を見てくださらんかの?何か合ったら、またワシを呼んで下さればいいですじゃ」


「そうですか。はぁ~、良かった~」


「本当に、良かった…」



 熊爺にお墨付きを貰った両親は2人とも、その場にへたり込んでしまった。


 張り詰めていた緊張の糸が切れたらしい。


 本当に毎回毎回ご心配をお掛けしてすいませんorz``



「うむ、シエロ坊?あんまりご両親に心配をかけるでないぞ?それとな、お前の兄さんも似たような事を起こした事があるから、気に病む事もないぞい?」


 ウッス、本当に気をつけるッス。


 えっ?熊爺今何て言った?


 プロクスお兄さんも何かやらかした事あるの?


「ふぉっふぉっ、その内誰かが教えてくれるじゃろうて、ではまた来るからの?」


 そう意味深に言い残した熊爺は、両親や、祖父母と2~3言葉を交わすと、帰って行った。


 ってかプロクスお兄さん何したの?

 どうせなら、教えていってくれたっていいのに~!?



 モヤモヤしながらも、あぁ、これが両親に心配をかける僕への罰なのか…、と考える僕なのだった。





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