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四話目 イケメンに会った日



「お口、あーん」

 から数日経ちました。



 いやー、あの後大変だった~。

 この子は天才かもしれないわって、現お母さんが大興奮しちゃって。

 ただ、爺ちゃん先生に言われた通り、口を開けてただけでしょうに。


 更に、そんな騒ぎを聞きつけて、初めましてなイケメンが部屋に飛び込んで来ちゃったりしてさ…。


 まぁ、どうやらそのイケメンが僕の現お父さんらしいんだけど…。

 背中辺りまで長く伸ばした深い緑色の髪の毛を、後ろで1本にくくって靡かせてる爽やかなイケメンがさ、


「どうした!リーベ!?」


 って、血相変えて部屋に飛び込んできたんだよ。

 いきなり、凄い勢いで飛び込んでくるから、皆ビクッてなったし。


 あっ、リーベは現お母さんの名前みたい。


 しかしさ、僕、天然で緑色の髪の毛の人なんて始めてみたもんだから、部屋にイケメンが飛び込んできたってことよりも、そっちの方に驚いちゃってさ…。


 いつの間にか誤解が解けていたらしくて、納得した現お父さんが慈愛に満ちた微笑みを浮かべながら、茶色の瞳を僕に向けていたのに暫く気づかなかった。


 髪の毛の色の方に夢中になってて、気がついたら現お父さんがベビーベッドの中を覗きこんでるんだもん、吃驚したよ。


 終始無言だったし、顔は近いし、ちょっと…、いや、かなり気になったけど、目の前のイケメンさんに悪い気はしなかったかな?


 現お父さんと、男同士の目には見えない絆を感じた気がした。


 まぁ、その分現お母さんがはしゃいじゃってて大変だったけどね。

 僕を見つめてないで止めてよ、現お父さん…。

 ねぇ、聞こえてる?


 流石に僕もやらかした事に気がついたから、偶々、偶然、口をあーんって開けたんですよ~?って偽装したりとか、現お父さんが部屋から出て行った後、もうおねむなので寝ますね~?とかって誤魔化したりとか、凄い面倒くさかった。


 今思えばさ、そりゃそうだよね?

 産まれて数週間の赤ん坊が人の言う事聞き分けられる訳ないし。

 きっと、出来て音に反応するくらいだよね?

 うん、もう少し経つまで自重しよう。

 後出来るのは、反射で笑ったり、夜泣きしたりくらいだっけ?


 まぁ、夜泣きだって、止むに止まれぬ事情がある時以外はしないようにしてるけどね?

 夜一緒に寝てくれてる、現お母さんに悪いしさ。


 あっ、そうそう、話しは変わるけど、僕はちゃんと男の子だった!


 今まで、見るのが怖くて、何となく見ないようにしてたんだけど、遂に今日、見てしまった。


 ちゃんと男の子だった…。


 凄い安堵した瞬間だった…。


 それと、もう一つ。


 ジュリアさんが、何か執拗にこっちをチラチラ見てくる様になった。


 最初は赤ん坊が寝起きしてるわけだし、気になるだけかと思っていたんだけど、何か違う気がしてきた。

 たぶん、現お母さんに何か言われてて、僕が赤ん坊らしからぬ行動をしたら報告しようとしてるんだよね、あれ。


 何で分かるかって?


 そりゃ~、見りゃ分かるでしょうよ?


 だって、何かメモ用紙みたいなのをずっと片手に持ってるし、鼻息がすっげー荒いし…。

 何より用もないのに、ベッドの側を彷徨いてんだよ?

 怪しすぎるでしょ…。



 ジュリアさんには悪いけど、僕、絶対ボロ何か出さないよ?

 だから、いくら待ってても無駄なんだからね!?




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