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四十四話目 僕は怒ってるんだ!な日



 お母さんとは違った意味の美人で、とっても若いお祖母さんに、頭が混乱しています。



 あっ、でちゅまちゅ言葉で話してるのをサラッと流しちゃったけど、このお姉さんに凄い似合ってる気がするから、まぁ、良いか。



「シエロちゃ~ん。玩具、気に入ってくれたんでしゅか~♪お祖母ちゃんは嬉しいでちゅよ~」



 うっ、うん。

 凄い気に入りましたんで、職人さんを消さないように、お祖父さんに伝えて下さい。


《コロロン♪》


 ほら、凄い良い音がするでしょ?

 こんなの作れる職人さん、なかなかいないよ?



「あら?良い音がしますわね?シエロちゃん、良かったわね~?とっても良い物を頂いて」



 お祖母さんの腕に抱かれた僕をニコニコしながらお母さんが見守っていた。


 そうでしょ?お母さん。


 でも、こんな高そうなオモチャ、僕には使えないよ(汗)

 どうしよう…。



 ん?そういえば、さっきからブリーズさんとクレイさんが凄い空気になってない?


 どうしたの?



『このお祖母様の前に立つと、何か緊張しちゃうのよ…』


『んだなぁ~』


 そんな小声でしか話せなくなるほど?

 心なしか2人とも顔色が悪い気もするし、大丈夫?



『うん。ありがとう、平気』


『さすけねぇよ~』


 うん。全然大丈夫じゃなさそう。

 もしアレなら、僕から離れてても大丈夫だよ?



『ううん、平気』



 んー、ブリーズさんがそう言ってくれるのは、凄いありがたいんだけどさ、クレイさんはちょっと逃げたいみたいだよ?


 逃げられないように、首根っこ掴んだら可哀想だよ?



「あら?シエロちゃんの周りにも妖精がいるのね?風の妖精と、土の妖精かしら?フフフ、リーベさん、貴方の子供達は皆妖精に愛されてるのねぇ?」



「まぁ、私には見えませんから、分かりませんでしたが、シエロの周りにも妖精がいるのですか?」


「えぇ、風の妖精と土の妖精が1つずついるわ?プロクスには強い光を放つ火の妖精が1つに、ルーメンには水の妖精が3つ。フフフ、うちの孫達は皆、妖精に愛されてるのねぇ~♪」




 愛されてる…か。


 ねぇ、僕って愛されてる?



『なっ、何聞いてるのよ!?あっ、愛?』


 緊張からか、青くなっていた顔色が、あっという間に真っ赤に染まる。


 お~、イリュージョン(笑)


『めんこいやな~?』



『もう!からかわないでちょうだい!!』



 からかったつもりはなかったけど、結果的にブリーズさんを怒らせてしまった、反省、反省。



「フフフ♪妖精さん達?シエロをよろしくお願いしますね?」


『えっ?あっ、はいっ!』


 妖精の声は聞こえていないって話しだったけれど、ブリーズさん達に話しかけたお祖母さんは、どこか楽しそうだった。


 おかげでブリーズさんの怒りも吹き飛んだみたいだし、お祖母様、ありがとうございます。


『シエロ、後で覚えてなさいよ…?』


 あっ…、はい。


 生意気言って申し訳ありませんでした。



「ふむ、シエロは可愛い女の子じゃから、妖精も寄ってくるんじゃろうて」



 一部を除いて、和やかな雰囲気のまま、ゆっくりと時間が流れていた子供部屋の中。


 そんな平和な部屋の中、絵本が沢山詰まった本棚に腰掛けたお祖父さんが、笑顔で特大の爆弾を落とした…。



「しかし、シエロは男と聞いていたつもりだったが、こんなに可愛い女の子だとは思わなかったわい」



 温かな雰囲気漂う部屋の中で、局所的に極一部の温度が著しく下がる。


 今、何て言った?



「おじいさま?シエロは男の子ですよ?」


 プロクスお兄さんが、お祖父さんに間違いを指摘してくれた。

 やっぱりお兄さんは良い人だな…。



 で…?


 今、何て言った?


「おぉ、そうじゃったか、あんまり可愛いから女の子と間違えてしもうたわい」



 いや、はははじゃねーよ…。


「嫌ですわ、お義父様。シエロはどう見ても男の子じゃないですか~」


 うふふ、と笑うお母さんは凄く可愛いね。


 今日はお祖母さんに抱っこされているから、同じ目線でお母さんが良く見えていいね~♪



 で?祖父さん何つった?



『しっ、シエロ?』


 どうしたの?ブリーズさん、どうかした?


『あっ、ううん…?何でもない、わ』


 そう?


『あわわわわ、シエロ君から何か出てるべ…』


 えっ?クレイさん、何言ってるの?


 あはははは、何も出てないよ?


「む?シエロや?どうした…」



 祖父さんに最後まで言わせる事なく、僕は爆発したのだった(物理)




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