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四十話目 【白】の属性を知った日




 【綿アメ】を出して、妖精達に僕の魔法属性を教えて貰おうと思っていたら、誰も【白】属性の事を知らないと言われました。


 でも…。




 本当に知ってるの?


 僕の目の前には、自信満々に胸を張っているアクア達。


 …………。

 何処が胸なんだ…?



『もっちろ~ん!』


『これは~』


『【くうかん】ぞくせいなのだ~!』



 くうかん?

 あぁ、【空間】属性って事か。


 んー、図らずも仮説が当たっていた訳だけど、【空間】属性ってそんなに珍しいの?



『【空間】…。僕は聞いたことないかも…』


『んー、どっかで聞いたことある気がすんだけんじょ…』



 【空間】属性だと教えられても、他の妖精達にはピンと来ていないみたいだな…。


 うーん、もしかして、使えるの黙っていた方が良いレベルの属性なのかも…?



『みんなにぶ~い』


『くうかんは~【む】ぞくせいまほうのいっしゅ~』


『べんりなやつ~』



 むっ、むぞくせい?

 属性が【無】って事か?



『あーー!』


 うわっ!?びっくりしたぁ…。

 いきなりどうしたの?ブリーズさん。



『あっ、ごめんなさい。大きな声を出して。つい納得しちゃって…』


 納得?


 ブリーズさんは、申し訳無さそうにしながらも、どこか嬉しそうな顔をしていた。


『【無】属性って言われて思い出したのよ。無属性を使った魔法でね?【魔導袋】っていうのがあるの。それに似ているんじゃないかと思って』



『あ~、何でも入るって袋だべな?行商人のおっちゃんが持ってるの見た事あるべ』



 えっ?それって、モロ【マジックバック】だよな…?


 やっぱり【空間】属性に関する仮説は当たっていたみたいだ。



 しかも行商人のおっちゃんが使ってるくらいだから、そこまで珍しい物ではないのかな?



『【魔導袋】自体はそこまで珍しい物ではないわよ?普通にお店にも売ってるくらいだからね?でも…』



 えっ?でも…何?

 何か怖いんだけど。



『【空間】属性が、何を、どこまで、使える属性なのかが分からないから、シエロにこういう魔法よって、断言してあげられないのが申し訳なくて…』



『ただ【魔導袋】を作れる能力って事はないだろうからね?』


 今の話しを聞いてると、その【魔導袋】の職人になるくらいしかない能力かと思っちゃったんだけど、違うの?


『それだったら、魔法属性が【無】属性で、【魔導袋】って名前の魔法スキルになるはずなのよ…』



 んー、そっか。


 だったら【空間】何て大仰な属性にはならないのか…。

 ただの【無】属性になっちゃうんだ。



『くうかんはくうかんだよ~?』


『みんなむずかしくかんがえすぎな~?』



『えっ?それってどういう意味なの?』


 ニコニコ笑いながら、他の妖精達の周りを得意気に飛び回るアクア達。


 本当に分かっていないらしい、ブリーズさん達との対比が半端ないな。



『くうかんをじゆうにできるんだよ~?』


『あっちとこっちをつなぐの~』


『かくれんぼと、たからさがしつよいね~』



 えっ?空間を自由に出来る?


 空間を支配、もしくは把握する事が出来て、隠れている物、隠されている物まで暴け、空間同士を繋ぐ事も出来る能力。


 アクア達の舌っ足らずで、イマイチ要領を得ない喋り方だと、少し分かりづらかったけど、まとめるとこんな感じかな?


 んー、僕が勝手に思い描いていた【空間】属性よりも、ずっと使い勝手が良い能力なのかもしれない。



『しっかし、よくこんな事知ってたべな?アクア君達えらいだなぁ~?』


『誰かに教えてもらったのかい?』


『そう~』


『でもひみつなの~』


『やくそくしたの~』



 えぇ!?秘密にするって約束したのに、僕達に話しちゃって大丈夫なの?


 僕的には凄い有り難かったけど、秘密を破ってまで教えてくれるっていうのは相手にもアクア達にも申し訳ないから止めて欲しい。


『だいじょうぶ~』


『だれにおしえてもらったか、いわなきゃへいき~』


『シエロしんぱいしょ~』



 えっ?そうなの?


 なら、良いのかな?


 いや…、あんまり良くない気がする。



 んー、とりあえず聞いてしまった事はもうしょうがないし、諦めよう。


 いつか、アクア達に教えてくれた方に会えたら謝ろう。

 うん、そうしよう。


 僕は、この解決出来ない問題を一旦棚上げしておく事にした。




 もう棚上げし過ぎて置き場がなくなってきた気がするけど、無視しておこう、そうしよう(笑)




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