三十九話目 属性について聞いてみた日
僕の中から取り出した、【綿アメ】を妖精達に見てもらい、僕が持ってる属性について詳しく聞こうと思っていたのに…。
皆は雲の方に夢中で、【属性雲】という名前以外分かりませんでした…。
あの~、そろそろ質問してもいいでしょうか…?
綿アメ、もとい属性雲を珍しそうに観察する6体の妖精達。
あっ!クレイさんとブリーズさん!食べないで!?
『ごふぇん、あんまり甘くて良い匂いがするふぁら…』
ブリーズさん、そんなにほっぺにパンパンに詰め込みながら言われても…。
あっ!クレイさん、止めたんだからせめて食べるの一回止めて?
2人とも、早食い、もしくは大食い対決でもしているかの様に、バクバクと口に詰め込み始めたもんだから焦った。
一体、それの何が彼女達を駆り立てるのか…。
まぁ、ブリーズさん達が食べるくらいだから【黄緑色】が【風】で、【茶色】が【土】なのは間違い無さそうだね?
じゅあ、残るは後2色か…。
スパーク君、何だと思う?
『【黄色】いのは【光】属性だね。癒し系の魔法と、アンデッドに強い属性だよ?』
あっ、【黄色】はやっぱり【光】だったんだね?
仮説が当たってちょっと嬉しいかも(笑)
じゃあさ、【白】は?
『……。【黄色】いのは【光】属性だよ?アンデッドに強い属性だね』
一瞬の間の後に、スパーク君が答えてくれたけど…?
いや、うん、光属性なのは分かったよ。
【白】いのの属性が何か、聞きたいんだけど。
『【黄色】いのは【光】属性だね?回復するのが得意だよ?』
壊れた人形の様に同じ事しか話さなくなったスパーク君に困惑を隠せない。
顔がニコニコと、無駄に笑顔なだけに凄く怖い…。
あっ、もっ、もしかしてさ…。
スパーク君【白】いのが何か分からない的な…?
『うぐっ…。うん、ごめん。全然分かんない』
すると、スパーク君の笑顔が崩れ、うなだれてしまった。
あっ、ごめん、そうじゃないんだ。
聞いてるのは僕の方なんだから、謝らないで?
んー、スパーク君も知らないなんて、本当にこの【白】いのって何なんだろう?
ブリーズさんとクレイさんなら知ってるかもしれないと、聞いてみようとそちらの方へ首を向ける。
「あぇっ?」
思わずリアルに声が漏れた。
属性雲の下半分。
つまり、ブリーズさんとクレイさんが食べてたところの雲がすっかり無くなっていたからだ。
ポカンと見つめていると、僕の視線に気がついたブリーズさんが慌てて弁解し始める。
『ふぁっ!?ち、ちふぁうのよ?あぉえ?』
食べちゃったのは別に気にしてないから、とりあえず飲み込んでから喋ろうね?
『むぐぅ…』
少し呻いてから、ブリーズさんは大人しく咀嚼を再開した。
さっきよりもほっぺをパンパンにして、モグモグしてるブリーズさんは凄い可愛いけど、いつもと違いすぎる姿に、ちょっとびっくりした。
『んぐっ、ごめん。食べ始めたら止まらなくなっちゃって…』
いいよ、大丈夫。
だって、それだけ美味しいと思ってもらえたって事でしょ?
『うん…、ありがとうシエロ。甘くて美味しかったわ』
お粗末様でした。
ブリーズさんに気に入ってもらえて良かったよ。
で、悪いんだけどさ、聞きたい事があるんだ…。
聞いても良いかな?
『もちろん♪何が聞きたいの?』
ブリーズさんが食べてた属性雲の上半分について聞きたいんだ
【黄色】が表す属性はスパーク君に教えてもらったんだけど、【白】の属性が分からなくて。
『あ~、【黄色】は【光】属性で、回復とかアンデッド系を退治する時に力を発揮するわよ?』
もしかして、君もですか?ブリーズさん…。
『うっ…、ごめん…』
じゃあクレイさんは?
『ん~。すまねぇんだけんじょ、私にも分からねぇなし』
そっか、んー、まさか誰も見た事がないなんて思わなかったな…。
『ぼくたちしってる~』
『かんたん~』
『しってるしってる~』
えっ、本当?
アクア達が知ってるとは思わなかったから、すっかり諦めモードだったよ(失礼)
じゃあさ、悪いんだけど教えてくれるかな?
『いいよ~?』
『でも~』
『つづきはよんじゅうわめで~』
へ?




