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三話目 リアルメイドさんに会った日


 ジュリアさんは、この家のメイドさんなんだそうです。



 そう、この家メイドさんがいるんだって!

 前世では26年ちょっと生きたけれど、リアルメイドさんにお目にかかる機会何かある筈もない訳で…。

 もし機会があったとしても、それは商業的なメイドさんで、職業的なメイドさんではなかっただろうしね。


 しかし、現世の僕の家はお金持ちみたいだ。

 そりゃそうだよね?あんなに肌触りの良い布団と、ふわふわな毛布を赤ん坊用に用意出来るんだからさ。


 まぁ、それでも、貴族様なのか、凄腕の商人さんなのか迄は分からなかったけどね?

 だって現お父さんにまだ会ったことないし、誰かに説明された訳でもない。


 っていうか、まず、この部屋から出たことすらないし。


 子供部屋って言葉がピッタリなこの部屋。

 床には一面に、柔らかな毛足の長い絨毯が敷かれていて、天井には夜空と、星の絵が描かれている…、らしい。

 だって、まだ天井の絵までは見えないんだよ…。

 んー、赤ん坊って不便だ…。


 あっ、そうそう、メイドのジュリアさん、何とウサギさんだった。

 水色という、前世では有り得ない色彩の髪の毛を、上手いこと編み込んできっちりまとめていて、その編み込まれた髪の毛の間から、ニョッキリと白くて長いお耳が顔を出していた。


 頭悪そうな奴だ、とか、何て月並みな感想なんだ、とか思われても良い。


 獣人種キターーーーーー!!


 ふぅ…。

 とりあえず叫んでおきたかったんです。すいません。


 しかも、それだけじゃなくてさ、どうやら魔法もあるみたいなんだよ!?


 ジュリアさんが、僕のおでこに手をあてて何かしてたんだけど、その手がぱぁーって光ったんだ。

 何の魔法か迄は分からなかったけど、あったかい感じがしたし、回復魔法的な何かじゃないかと思うよ?うん。


 それよりもさ、僕も使えるのかな?


 だって魔法だよ?

 使えたらいいよな~。

 炎魔法、ファイアストームとか、水魔法、ウォーターショット、風魔法、ウィンドカッター何て?うは~!いいなぁ~!憧れるよな~!



 あっ、獣人種やら、魔法があった事実に興奮して、テンションが可笑しくなっちゃったけどさ、あの後結局ジュリアさんがお医者さんを呼んできてさ、今、色々調べられている。


 来てくれた先生は、白髪の口髭を生やしていて、つぶらな瞳が何か可愛い、ずんぐりむっくりした体系のお爺さん。

 見ようによっては、熊にも見えるけど、たぶん体毛が他の人より少し濃いだけの人間だと思う。


 髪の毛?無いよ?ツルツルだよ?

 そっとしておいてあげてくれる?

 触れない優しさもあると思うんだよね。僕。



「はい、お口あーんして」

 はっ?

 生まれてせいぜい数週間の赤ん坊に何言ってんの爺ちゃん。

 普通無理だろー。

 こちとらやっと現お母さんの顔がハッキリ見えるようになってきたところだっていうのに。

 それとも、こっちの世界だったら普通の事なのかな…。

 だったら、下手に分からないふりするのもマズいか…。


 まぁ、外見はともかく、中身は26歳成人男性だから、どっちにしてもお口あーんくらいできるんだけど…。


「あーー。」


「ん。喉も赤くなってないし、目も綺麗だから大丈夫だろう…。」


 お口あーんは残念ながら爺ちゃん先生にスルーされた。

 流石年の甲ってかね?動じないんだね。

 それとも、やっぱりこの世界じゃ普通だった?

 まぁ、どっちだっていいけどさ。

僕は気にしないし…。



「今、シエロ様あーんって…」

「えぇ、先生のお言葉聞いてちゃんとお口あーんしてたわね…」


 おっと、ジュリアさんと現お母さんは驚いてくれるらしい。



 何だ、こっちでも爺ちゃん先生のあの発言は可笑しいんじゃないか(笑)




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