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二話目 苦行の日



 なんじゃこりゃー!!事件から数日たちました。

 今、僕は日に数回訪れる苦行の真っ最中です。



 よく転生物の小説とか読んでたから、赤ん坊になるって事がどういう事なのか分かっていたつもりでいたけれど、まさに今、あのテンプレ的な事柄が目の前で起こっている…。


 そう、それは、授乳タイム……。


 童謡で言うところの、【おっぱい飲んでねんねして♪】のあの部分…。


 今はさ、僕は赤ん坊になってしまった訳だし、仕方ないっちゃあ仕方ないって分かってるんだけどさ……。

 目の前で可愛らしい二十歳前後位のお姉さんがだよ?


 見方によっては金色にも見えるふわっふわの茶色い髪の毛を背中に流してて、キラキラした蒼い目が印象的なお姉さんがだよ?

 ピンク色のガーリーなブラウスの前をはだけて、にっこり笑顔を此方に向けてさ…。


「ご飯ですよぉ~?」


 だよ!?

 僕にどうしろと!!?


 まぁ、飲むけどね?飲ませて頂きますけどね?


 お腹すいたし…、僕赤ん坊だから目の前に差し出されたら抗えないし…。


 まぁ、赤ん坊だからなのか、変な気持ちにならないって点は助かってるけど。

 でもやっぱり背徳感的なものはある訳で…。


 たぶん、今世での僕のお母さんにあたるだろうこの人は、前世?の僕よりも絶対年下だし、すごい可愛いし、何より可愛いし。

 大事な事だから2回言いました!



 そう、前世…。

 どうやら、いつの間にか僕は死んでしまったらしい。

 数日かかってやっと、この事態を飲み込めてきた。

 死因も、いつ死んだのかも、何もかも分からないけど、ここでこうして現お母さんにお乳を貰っているいる以上、そう言う事なんだろうと思う。


 死因以外の前世の記憶はあって、名前も覚えてる歪な状態だったけど…。


 木土きど 宙太そらた

 それが、ぼくの前世での名前だ。

 歳は26歳。

 背が低くて、解せない事によく女の人に間違われてナンパされているような男だった。


 産まれてすぐくらいの赤ん坊が、こんな考えを想像や妄想で考えられる訳ないし、寧ろこんな事妄想する赤ん坊は嫌だ。


 まぁ、実はまだ体は死んでなくて、魂だけが抜け出した状態で、この赤ん坊に取り憑いているってのも考えられなくはないけど…。

 だから、宙太の記憶があるのも当たり前だよね~、的な…。

 でもまぁ、それはないだろうなぁ。

 っていうか、そんな事考えたくもない…。

 こんな小さな赤ん坊に取り憑いてるとか申し訳ない気持ちで一杯になる。

 今すぐ返せるものならお返ししたい。



「あら?どうしたの?もういらないのかしら?全然飲んでないわ?ほら、もっと飲みませんか~?ママのお乳は美味しくありませんか~?」


 そんな事考えて、落ち込んでていたら頭上から声がした。

 上を見上げてみると心配そうで、とても不安そうな現お母さんの顔が目にうつる。


 あぁ、ごめんなさい、現お母さん。

 僕は大丈夫だよ。


 何て言ったって通じるわけもなく…。


「どこか具合でも悪いのかしら…。ジュリアー?ジュリアはいるー?」


 どうしたもんかなぁ。

 そのまま現お母さんの顔をボーッと見上げていたら、誰かを呼ばれた。

 っていうか、言葉も普通に分かるんだよね…。

 生前、よく読んでた転生物だと、始めは何言ってるのかさっぱり分からなくて難儀するって書いてあったけど…。

 って、それどころじゃないよ!

 ジュリアさーん、大丈夫ですよぉ~?

 僕は元気です~。




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