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閑話 続・学園の七不思議


6時27日の更新です。


18時に間に合ったので更新させて頂きました!

本日も宜しくお願い致します。




「そう言えば、何で皆は此処に居るの?」


 と、少女に真っ直ぐな瞳で見つめられた少年達は、


 ワンダの忘れ物を取りに来た。


 と、適当に話しをでっち上げ、うにゃうにゃと誤魔化す様に少女…アリス・ルイスと別れた。


 その際、


「アリスさん1人だと心配だから、僕は彼女と一緒に寮へ戻るよ!」


 と、今日1の笑顔でブロンデが言い出したのは言うまでもない。


 確かに1人でいつもここまで来ているとは言え、クラスメイトの少女を1人で残すのもなぁ…。


 と思っていた少年達は、ここでブロンデと別れる事にした。


 そして、ブロンデとアリスの2人と別れた七不思議探検隊の一行は、次に特別教室棟の【薬草学教室】へと向かったのだが…。


「まったく、ブロンデは弱虫だよなっ!」


「元々無理矢理連れて行った癖に、良くそう言う事が言えるよね?で?次はどんな七不思議なの?」


 ブロンデが抜けた事をプンプンと口で言いながら怒っているワンダに対し、フンッと鼻で笑う様にバッサリと切り捨てたデイビッドが、次の七不思議の説明を求める。


「うっ、うん…。次はね?」


「「(デイビッドこえぇ…!)」」


 思わずワンダの口調が素になる程の、デイビッドの言葉と黒い笑顔による攻撃力の高さに、アレックスと浅葱は身震いしながら2人の後に続く。



 因みに次の七不思議は、【動き出す薬瓶の中の魚】と呼ばれ、薬草学教室の中の薬瓶の中に閉じ込められた魚が、薬液の中で夜中に泳ぎ回り、その姿を見た物は呪われるとか何とか言われていた。



《ガラッ》


「「「「失礼します」」」」


 誰もいない、真っ暗な薬草学教室の中へ足を踏み入れる。入る際、きちんと挨拶をするところが律儀だ…。



 さて、教室の中は薬草の独特な臭いが混ざりあい、一種異様な臭いとなっていた。


 特に鼻の利く犬族のアレックスは辛そうにしていたが、そんなアレックスの様子にに気付く事無く、能天気なワンダは教室の中をズンズンと進んでいく。


「あっ!これかな?薬瓶がいっぱい並んでるぞ!?」


 扉から真っ直ぐ進んで教卓の前までくると、教卓のすぐ左隣辺りの壁際の棚の中に、ズラリと並べられた薬瓶が目に入った。


 並べられた薬瓶は、その殆どは乾燥させたハーブ等の薬草だったが、棚の真ん中辺りに1つだけ、魚が浮いているものがあった。


 魚が浮いているものには何かの液体が並々と注がれていて、中に入れられた銀色の鱗を持つ小さな魚達が、プカプカと液体の中を漂っている。


「ん?これだけ、蓋がされてはおらんで御座るな?わんだ殿、これが話しにあった、【動き出す薬瓶の中の魚】なので御座るか?」


「多分ね?だって、後魚っていないもんね?」



 ワンダに問い掛けられ、そうだなぁ?等と呟きながら、キョロキョロと教室の中を少年達が探り歩いていた時、


《ぱしゃっ》


 と、背後から幽かな水音が聞こえてきた。


「えっ?」


「まさか…」


 おそるおそる振り返って見ると、さっきまでただ液体の中を漂っていただけの薬瓶の中の魚が、瓶の中をスイスイと泳ぎ回っているでは無いか。


「「「「うわーっ!」」」」



 思わず悲鳴を上げて、一目散に教室から逃げ出そうとした少年達は、我先とばかりに扉へと急いだ。


《ガチャッ》


「おっと!」


 しかし、あまりにも勢い良く扉から飛び出した少年達は、扉の前に立っていた青年と、出会い頭にぶつかってしまった。


 中でも、体が小さくて軽いワンダとデイビッドは、仲良く並んで尻餅をついた。


「「うわっ!」」


《どすんっ!》


「悪い悪い…。でも君たち、何でこんな所に居たんだ?もうすぐ消灯時間だろ?」


 ぶつかってしまった青年は、悪い悪いと頭を掻きながらワンダとデイビッドに手を貸して立たせながら、疑問を投げ掛けてくる。


「えっと…」


「それは~。ですね?」


 おそらく見回り担当の教師であろう青年を見つめながら、少年達は返す言葉に詰まってしまっていた。


 もし本当の事を言えば、担任のランスロットの下へ話が行ってしまい怒られる。


 しかし、その場しのぎで嘘をついたところで、その嘘がバレれば結局ランスロットから怒られるのだ。


 大抵はこう言う時、バレなければ良いだろうと思いやってしまいがちだが、相手は【この学園の】教師だ。


 下手な嘘など通用しない。する訳が無いと、少年達は考えていた。


 それに、少年達は担任のランスロットの事が大好きだった為、嘘などつきたくなかったのかもしれない。


 はたまた、あの説教好きの話の長さには恐れを抱いていた。と言うのが本当かもしれないが…。




 あぁ、軽い気持ちでワンダ何かに付いてきてしまったが、ランスロットからの説教は一体何時間分になるのだろう…。


 素直に謝れば、少しでも説教の時間が短くなりはしないだろうか。


 そこまで少年達が絶望しかけていると、不意に目の前の青年が吹き出した。


「ぷっ!あはは、どうせ君たち肝試しでもしてたんだろ?大丈夫、俺も昔やった(くち)だからな。先生方にバラしやしないから安心しなよ?」


 カカカと豪快に笑う青年の姿に、自分達の目的はやはりバレてしまっていたのか、と言う恐ろしさと、他の先生にはバラさないでいてくれると言う言葉を聞いた安堵から、せっかく立ち上がった2人を含めて、少年達はへにゃへにゃと床に座り込んだ。


「うわっ!?どっ、どうした?お腹でも痛くなったか?ん?」


 青年は慌てた様子で、大丈夫か?と優しく介抱してくれたのが嬉しくて、七不思議探検を始めた事を後悔し始めていた少年達は、ちょっと泣いた。


 青年は更に慌てていたが、それに構う余裕は彼らには無かった。



ーーーーーー


「なるほどね。それで驚いたって訳か。なぁ、君らの中に、薬草学を選択してる奴は居なかったのかい?」


 ようやく落ち着いた少年達が、今までの説明…懺悔とも言う。を終えると、青年は一瞬考えた後で問いかけた。


 少年達は質問の意図が掴めなかったが、


「えっ…と。さっきまで一緒だった奴は薬草学取ってたんだけど、途中で別れちゃったから…」


 と、アレックスが代表してオズオズと答えた。


「はぐれたのか?」


「違う…ます。クラスメイトの女の子が魔法の練習してたから、1人には出来ないって、その子に付いていきました」


 青年は、あぁ、あの子か…。と顎に手をあてて2~3回頷いてから、


「じゃあしょうがないか~」


 と言いながら、魚が入っている薬瓶に近付いていく。


 うぎゃあ!呪われちゃうよ!!と騒ぐ少年達に、青年はにっこりと笑いながら、ナイナイ。と否定しつつも手招きして少年達を呼んだ。


「君たちもおいで?大丈夫、取って食われたりはしないから」


 薬瓶の前で大丈夫だから、と、青年に手招きされては少年達も嫌とは言えず、そぉ~っと薬瓶棚の前まで近寄って行く。


「ほらっ、よく見てみな?」


 少年達は、ビクビクしながら薬瓶の中を覗き込んだ。



さて、少年達と出会った青年の正体とは!!←分かりやすすぎですかねぇ?


本日もここまでお読み頂きまして、ありがとうございました。


明日も…と言いたいところなのですが、ただでさえ遅い文章を打つ速度が、更に愚鈍化しておりますので、もう少し慣れるまでゆっくり更新とさせて下さい。


次回も宜しくお願い致します。




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