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二百四十五話目 続・最後の発明の日


6月16日の更新です。


本日も宜しくお願い致します。





「出来た!!」


 僕の歓喜の声に反応した部員達が、揃って僕の方を凝視してきます。



 僕は何だか嬉しくなって、


「出来たよ~!やったよ~!!」


「おめでとうございます。シエロ様」


 と、いつも僕の隣に居るコローレに抱きつきました。


 コローレはいつもの様に淡々と返事を返してくれたけど、近くで様子を伺っていた部員達の中の数人の【女子部員】達が、


「よっしゃ!!」


「我が人生に悔いなし!」


「これでまた暫く生きていける…」


 と謎の言葉を残して倒れて行きます。


 倒れた女子部員達は、皆鼻から赤い汁を垂らしながら、幸せそうに気絶している様でした。



 うん、とりあえず亜栖実さんとサラ先輩は呼び出して、徹底的に教育的指導をするとしよう。


「シエロ様、私も是非お仲間に…」


「うん、分かった。宜しくね?一緒にお仕置きしよう」


「御意に」


 またちゃっかり僕の心の中を読んでたコローレだけど、いつもの事なのでとくに誰も気にした様子は見られなかった。


 まぁ今更か?一応小声だったしな…。


 と下を見ると、倒れたはずの女子部員達が薄目を開けて此方を見ていたので、


「《光操作:ライト》」


「「「ぎゃー!?目が!目がぁぁあ!!」」」


 それぞれの目の前に小さな光球を展開させて光らせてやりました。


 全く、君達も亜栖実さん達と一緒にお説教だよ!!




「で?今度は何が出来たんだ?」


 この一週間。部員達以上にソワソワしていたスクルド先生が、僕が作り上げたばかりの魔道具の周りを彷徨きながら聞いてきました。


 ちょっとこのこ達のお説教を先にしたかったんだけど、とも思ったけれど、先生がwktkしたこの様子じゃあ、魔道具の説明を先にした方が良さそうですね…。


 ザッツwktk。ワクワクとテカテカが止まらないと言った感じの、頬を赤く染めた可愛らしい魔道具オタクの熱意に答える為に、僕は口を開きました。


「これは、自動魔石製造機です」


「じ、どう、ませき?」


 口で説明するのは面倒くさ…分かりづらいかな?と、実演しながら補助的に説明を加えていく事にします。


「先ずは見ていて下さいね?」


 僕は先ず、皆が見ている前で、今作り終えたばかりのホヤホヤな魔道具を、皆が見やすい様にテーブルの上に置きました。


 僕の腰くらい…約50~60cmくらいの高さの四角柱と言った形のこの魔道具は、向こうの世界のガチャガチャの機械に似ています。


 唯一違うのは、カプセルが入ってるガラスケースの部分が真っ黒で中の様子が窺えないって事くらいかな?


 後は本体とガラスケースを繋いでいるところのすぐ下にガチャガチャと回すつまみがあったり、お金を入れるところっぽいものや取り出し口があったり、お金の返却ボタンっぽいボタンまでついています。


 企画した時点では此処まで似せる気は無かったんだけど、気がついたらどう言う訳だかソックリに仕上がっていました。…う~んミステリー…。



 さて、では早速と言う事で…。


「えっと、そしたらここの穴に…」


 ガチャガチャの機械で言うところの、お金を入れる部分に手をあてる。


 するとその穴に魔力が吸い取られていく感じがして、お金を入れる部分――に似ているだけで四角い窓は有るものの、穴が空いている訳ではない――の色が赤から黄色に変わります。


「此処に手をあてると、勝手に魔道具が特定の魔力を吸い取ってくれます。この四角い窓の色が変わったら魔力の充填が終わった事を意味します」


 色の変わった四角い窓を指差しながら、皆にも見える様に角度を変えながら説明する。


 四角い窓に皆の注目が集まったところで、魔道具から


《ポンッ》


 と言う電子音が聞こえ、窓の色が今度は黄色から青に変わります。


「「「「「わっ!?」」」」」


 余りにも集中していた部員達プラス、スクルド先生から悲鳴じみた声が挙がる。


 ぷくくくくく。ナイスリアクション。出○哲朗も真っ青だね…。



「今のが魔道具の中心にも魔力が行き渡ったよ~と言う合図になります。あの音が聞こえたら、この装置の中心部分にあるつまみを捻るのですが…」


 ちょっと皆の反応が楽しくなってきたところで、笑いをかみ殺しながら説明を続けます。


《カチカチカチ》


 つまみを少し捻る。


 すると、次々とつまみの部分に取り付けた小さな窓――魔力を充填した窓とは違うもの――から覗く色が変わって行きます。


「このつまみの部分に付いている窓から見えるのは、この装置で作れる魔石の種類を表しています。属性毎に色が違いますので、色々試してみて下さいね?」


「ふむ。何種類の魔石が作れるんだ?」


「この装置で作れるのは10種類くらいですね。」


《カチカチカチカチ》


 つまみをカチカチと動かして、次々と色を動かしていく。



 つまみには白(無属性)、赤(火属性)、青(水属性)、黄緑色(風属性)、緑(樹花属性)の他に、水(氷属性)、黄(光属性)、黒(闇属性)、茶(土属性)があり、9種類の色の窓があります。そこに空きのスロットを足して、10種類。


 最後はわざと空けてありました。それは…。


「最後の魔法属性は皆で決めようかな?と思ったので、わざと空けておきました。後で皆で話し合って決めませんか?」


「それは良い考えだな…。よし、シエロから操作の仕方を教わって、一度試してみてから皆で最後の窓の色(属性)を決めよう…。皆、良いか?」


「「「「「はいっ!」」」」」


 皆からのとっても良い返事を聞きながら、僕はニコニコとそれを眺めていた。


 あ~、この感じ良いなぁ。


『本当はもう少し学生してたいんじゃないの?』


『ユートさんは待ってくれてるって言ってたべしたな?もう少し、此処さ居たって良いんねぇの?』


 良いんだよ。


 僕は両肩からそんな風に気遣ってくれる2人の相棒達にそう返しながら笑顔を作ると、魔道具の操作方法の続きを皆に向けて話します。


「では最初と言う事で…。大惨事が起こりにくそうな緑色の魔石を作ってみますね?」


「お前、そんな不吉な事を言うんじゃないよ…。本当になったらどうするんだ…」


 wktkから一転、いつも眠そうなスクルド先生の顔が呆れ顔を作る。


 フラグを立てる。何て言葉がこっちの世界に有る訳じゃないのに、何で似た様な発言は出て来るんでしょうね?やっぱり不思議だ。


 僕はスクルド先生に笑って返すと、つまみに取り付けた窓から緑色が見えるまで動かします。


 理論上は上手く行くはずだけど、やっぱり新しい魔道具を作ると言うのはいつもドキドキするものですね?


「……それでは、つまみを緑色に合わせたところで、次はこのボタンを押します…えいっ!」


 気合いを入れて押したのは、ガチャガチャの機械で言うところの、お金の返却ボタン。


 この魔道具的には魔石を作る為の決定ボタンですが、多分宇美彦達が見たら吹き出すだろうなぁ…。


《ポチッ》


《カリカリカリカリカリカリカリ、ピピピ、ブーー》


 宇美彦や裕翔さんが笑い転げる姿を想像しながらポチッとボタンを押すと、中からはカリカリと起動音がなり、続いてモーター音の様なものが聞こえ始めます。


「シエロ、これは大丈夫なのか?」



 不安そうなスクルド先生に大丈夫大丈夫と笑いかけながら、取り出し口から魔石が出て来るのを待つ。


《ウィーン。ガガガガガガガガ。ウィーンウィーン…》


 何かこの世界に不釣り合い過ぎる機械音になっちゃったな…。


 皆も不安そうな顔をし始めているし、僕もテストもせずにぶっつけ本番だからドキドキする。


 僕は周りの皆同様ドキドキしながら、魔石製造機の行方を見守りました。






ガチャガチャ。


最近お面のストラップ?型のを買ってみました。


般若が欲しかった…。



本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。


さて、また中途半端なところで申し訳ないのですが、明日6月17日の更新はお休みさせて頂きます。


本当にお休みばかりですいませんorz


また宜しくお願い致します。



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