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二百四十話目 勇者一行メンバー追加?の日


6月10日の更新です。


さっき確認して1人でパニックになったのですが、今日の更新分が昨日の内に更新されてしまっていた様で…ご迷惑をお掛け致しまして、申し訳ありませんでした。


以後この様な事が無い様に注意して参りたいと思います。


本当に申し訳御座いませんでした。





「へ?」


 と僕が返しても、裕翔さんはにこにこ穏やかな笑みを浮かべるばかりで、緊張感とか緊迫感的なものを感じません。



《「シエロ君も僕達の仲間にならない?」》



 と、何の前振りも無く、突如として落とされた裕翔さんによる爆弾発言は、未だのほほんオーラを放っている裕翔さんを除く、この部屋の中にいるメンバー全員にクリティカルなダメージを与え、皆を固まらせました。


 もしこれが目的だと言うなら、大成功!な展開ですが、当の本人は、【?】と首を傾げて、どうしたの?と目でこちらに訴えかけて来ます。


 だから、多分無意識なのでしょうが…。


 うん。この辺は亜栖実さんとどっこいどっこいだな。



「こらっ裕翔!勝手に先走るなってあれほど言っただろうが!!」


 と、そこへ急に現れたツッコミ番長にして、我らがおかん。森野宇美彦君が、1人のほほんとお茶うけのクッキーに手を伸ばした裕翔さんの後頭部に、痛烈な打撃を食らわせました。


 要は拳骨で思いっきり殴ったんですが、


「痛いじゃないか宇美彦~」


 裕翔さんにはあんまり効いてない様で、軽く頭をさするくらいのダメージしか与えられていない様です。


 寧ろ宇美彦の拳の方が赤くなっている事から、裕翔さんって本当に強いのかも…と思わせられますね。



 ……とと、そんな場合じゃないや!


「宇美彦、人の頭をパカスカ叩くもんじゃないよ?」


「あん?良いんだよ!コイツと亜栖実、それから(まもる)は叩かなきゃ分からねぇんだからよ!!」


「いたい、いたい~」


 僕が宇美彦に注意すると、構わねぇんだよ!とばかりに裕翔さんの頭をグリグリし続けます。


 いや、言って聞かないからって暴力は…と思わなくもなかったものの、きっとこのツッコミ番町は、1人で仲間全員の突っ込みをしなきゃいけなかったんだろう。大変だったろうな、と思い返して黙りました。


 口を開きかけたのに、何も言わずに口を閉じた僕の態度に満足したのか、宇美彦は暫くの間頭の頭頂部、主につむじ周りをグリグリし続け、それをされていた裕翔さんはギャーとかイタタタタとか唸っていたけど、僕はそっと、見てみぬフリをした。


 脳天を押され続けた裕翔さんは、きっと明日便秘になるでしょう。



――――――



「あの~?それで、僕を仲間にしたいと言うのは…?」


「あぁ、その話しね?どう仲間になってくれる?」


 ニコニコしながら爽やかに問いかけてくる裕翔さんでしたが、僕としてはもう少し説明を受けたいな~。と言うか、何で僕何かを仲間にしたいと思ってくれたんだろう?と思っていたので…。


「えっと、あのですね…?」


 黙っていても始まらないと、そんな疑問に思った事を簡単に話してみれば、


「お前は【また】何の説明も無しに話しを進めたのか!!」


《ゴヅッ》


「でっ!?」


 と、僕と裕翔さんの会話を聞いていた宇美彦が、また痛烈な拳骨を裕翔さんの頭に叩き落としました。


 そして、その拳骨の勢いが強すぎてテーブルに強かに額を打ちつけ呻く裕翔さん。


 テーブルは無事でしたが、それは脂汗をかきながら【物体強化】の魔法をテーブルにかけたスクルド先生のファインプレイのお蔭。


 学校の備品の扉はいざ知らず、流石に私物のテーブルセットを壊されたくはないですもんね?


 ……じゃなくて!


「あぁ~、あ~。ストップストップ!」


 2発目に入ろうかとする宇美彦を止める形で、何とか2人の間に入ったけれど、裕翔さんの後頭部と額が心配です。


 まったくさ~、せっかく落ち着いてお茶を飲んでいたのに、またさっきの状態に戻っちゃったじゃ~ん。とブツブツ言いながら、裕翔さんの額の具合を診て、更に零れたハーブティーを拭き取り作業をする。


 裕翔さんの額は赤くなる程度で済んだけど、何でこんな事になったのか…。



 えっ?僕のせい?いやいやいや流石にこれは僕のせいじゃないでしょ?って言うかさ、何の説明もしないで結論から言うのが裕翔さんのデフォなのかな?


 あれ?そう言えば亜栖実さんは何の説明も受けずに学園に来たこともあったし、やっぱりデフォなのかも…いやいや、そんな事考えてる場合じゃないって!?



「とっ、とりあえず話しが進まないんで、状況の説明だけでもお聞きして良いですか?」


 頭を抑えて遂に涙目になっている裕翔さんと、別な意味で頭を抱えている宇美彦に対して、テーブルを拭き終えた僕は、布巾を持ったままおずおずと話しかける。


 こんな事続けていたら本当に日が暮れてしまいますからね?


「あぁ、すまないな。実は裕翔にお前の事を話したら、一緒に呪いを解くんだ!って聞かなくてな?」


 すると、止める前に突っ走られた…。と、疲れた表情で眉間の皺を揉む宇美彦はエラく年老いて見えました。


 その姿が子育てに悩むお父さんに見えて、


 おっ、お父さん大変ですね?


 何て思ってしまったのは内緒です。


『グフッ』


 はい、そこの実里(みのり)さん、内緒だから静かにして下さいね?


 あっ、実里と風華ですが、とりあえず妖精の姿のままで過ごしてもらっています。


 大きくなると新しく部屋を用意してもらわなくちゃならなくなるので、後半年くらいで卒業だしね?と我慢してもらう事になったんです。



「だってシエロ君は頼りになるでしょ?あの浄化魔法は絶対これから役に立ってくれると思うよ?元から仲間に誘うつもりだったんだしさ、良い機会だと思って…」


「それならそうと、ちゃんと説明してやれって言ってるんだよ。何でお前はそう大事な部分がすっぽ抜けるんだ!」


 お父さん大変ですね?パート2


 実里に気を取られている間に、子供みたいに頬を膨らませながら答えていた裕翔さんに対して、宇美彦は深い深~いため息をついていました。


 がっ、頑張れお父さん!



 あれ?もしかして、僕も裕翔さん達の仲間に加わったら、もれなく宇美彦のポジションが僕にも回ってくるんじゃないだろうか?


 ………ちょっと考えさせてもらっても良いですかね?



◇◆◇◆◇◆


※宇美彦目線



 俺がちょっと頭を抱えている間に、いつの間にかソラの奴も頭を抱えていた。


 まぁ、気持ちは分かる。


 他の2人にはまだ会ってないそうだから除外するとして、亜栖実や裕翔の仲間になるって事が、どんだけ大変なんだって事に気がついたんだろう。



 人の話しを最後まで聞かずに飛び出す亜栖実と、10あるはずの説明が良くて3になってしまう裕翔。


 そして、まだソラには話してもいないが、これに更なる馬鹿が1人付いて来る。


 しかも、そんじゅそこらの馬鹿じゃ太刀打ち出来ないくらいの馬鹿だ。


 もう1人の方は…。


 まぁ唯一の俺の味方と言っても良いくらいの仲間だが、やっぱり裕翔と負けず劣らず天然だから、今いち完璧な味方とも言い難い。


 あれ?これソラを仲間に入れて良いもんなんだろうか?


 却って苦労するルートにソラを引き入れようとしているのでは?


 いかん。考えてたら頭痛くなってきた…。



 兎に角、呪いを解くなら俺らと一緒に行動した方が良い事は事実だし、この際ソラには覚悟を決めてもらって仲間になってもらえたら嬉しいな。


 正直ツッコミが1人はつら…ごほん。


 思わず空咳を出すと、ソラが不安そうな顔をして此方を見ていたので、とりあえずニコッと笑っておいた。


 笑ったらエラいヒかれたが、顔が引きつっていたのだろうと結論づけた。



 とりあえずソラの卒業までまだ少しあるから、少しずつでも説得していこう。





苦労人宇美彦のお話しでした(違)


本日もここまでお読み頂きまして、ありがとうございました。


さて、本当に昨日は申し訳ありませんでした。


また明日も更新させて頂きますので、宜しくお願い致します。


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