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二百三十四話目 続々・動き出した時間と止まった僕の日


6月2日の更新です。


本日も宜しくお願い致します。




 急に泣き出した僕に驚いた女神達から、慰められる事約30分。



 すっかり落ち着いた僕は、37歳にもなる大の男が号泣とか…と顔から火が出そうなくらい恥ずかしくなったものの、体は11歳だから!と自分を誤魔化して、スカーレットとシルビアーナに話しの続きをねだっていました。

 まぁ、ねだるってよりも、質問攻めにしていたって言う方が近いのですが…。



「魔力エネルギーにも属性があって、金平糖みたいな時間の欠片の粒の角っこ角っこには、それぞれの属性が入ってるってのは聞いたから分かったけどさ?何で全部の属性が一粒の中に揃ってるの?僕の中から出てきた訳だけど、僕、水も火の属性も持ってないよね?」


「それはだな。生物の体の中には、大なり小なり魔法属性が揃っているものだからだ。普通は1つの属性が抜きん出て多い為、なかなか属性スキルとして表には出て来づらいが、キチンと調べれば大抵の生物の体の中で全属性が作り出されているのだ。そして――」



 聞いた相手が悪かったのか、「良い質問だ!」とシルビアーナは嬉々として説明し出しました。


 主に横道に逸れる方向で…。



「――であるからして魔力の多い君は、個の属性として発言していないはずの魔力も他の生物達よりも多少多く持っていた、と言う訳だな。君は良く、姉上からもらった水の魔石を使っていただろう?あれを使う時、何気なくだが【水】の属性魔力を使って水を出していたのだよ。そもそも幾ら魔石と言えど、属性が遠い魔力を通しても発動しないのだ。あぁ、最初から魔力を充填してある場合は別だがな?」



 気分は講師、もしくは博士か教授な気分なのか、シルビアーナなそこまで広くない己の部屋の中に、部屋の半分を占領するくらいの大きめのホワイトボードまで作り出して、つらつらと講義を続けています。


 【ここ大事!】とホワイトボードに、赤いペンで注意書きされた文字の横に描いてある、蝶ネクタイをつけたクマさんがプリチー過ぎる。


「――ここで、ステータスカードに触れるが、アレは何気に厄介な代物でな?あれを見て自分にはこの属性が無いのだと勘違いしてしまうケースが頻発しているのだ。しかしあれが有用なのは事実な為――」



 どうしよう。


 長い上に、関係無さそうなところにまで話しが及んできたぞ…。


 しかもシルビアーナの講義が意外にも面白いから、止めるに止められなくて余計に困る…。


「姉さん。シエロ君が此処に居られる時間は限られているんだから、その話しはまた今度にしましょう?」


「後、10分も、無い…」


 僕のオロオロとそわそわが伝わったのか、スカーレットとブロナーが止めに入ってくれました。


 出来ればもう少し早く、僕が楽しくなってくる前に止めてもらいたかったけど、まぁそれはしょうがない。



「む?もうそんな時間か。肉体が此方に無いのは不便だな?良かろう、続きは次回に取っておくとしよう。しっかり復習しておくのだぞ?」


「はい先生!」


 明らかに話し足りなくて、不満全開な顔をしていたシルビアーナでしたが、僕が【先生】と呼びながら良いお返事を返すと、スッゴく嬉しそうに何度も頷いています。


 見た目的には先生って言うより【教官】って感じだけどね?何て一瞬思ったけど、誰もそんな僕の心の声に気がつかなかったみたいだから、敢えて触れる様な事はしないでおいたよ!




「姉さ、んが詳しく、説明してくれたから、私から、言う事はあまり無い。けど、1つだけ…」


「ん?」


「ステータスカード、見て」


「ステータスカード?」


 ブロナーに言われるまま、いつも首からかけてあるステータスカードを引っ張り出そうとしてフと気が付く。


「あれ?今僕って意識だけの存在じゃなかったっけ?確かに服とかはそのままだけど…」


「大丈、夫。シエ、ロ君、前、回来た時、妖精を、此処に呼ぶ事が出来た。だから、あの時と同、じ様に、やれば、身につけてい、たもの、くらいなら、取り出せる。はず…」


 【はず】って、何ともアバウトだなぁ。と思いながらも手をあてて服の下、胸の辺りを触ると、さっきまでは感じなかった固い感触に気がつきました。


「お?」


 次に首の辺りを探ると、急に皮紐が現れて首に軽く巻きついてくる。


「おぉ?」


 ちょっと楽しくなりながらその紐を引っ張ってみると、見慣れた白っぽいて四角いカードが首元から出て来ました。


「おぉー!?」


「良いから早く確認しちゃいなさい!時間ないんだから」


 服の中から出てきたステータスカードを掲げ、歓喜の声を挙げていると、スカーレットが呆れた様な声で先を促してきます。


「は~い(…お母さん(ボソッ))」


「何か言った?」


「ううん。別に?」


 確かにこんな半端なところで時間切れになるのも面白くないので、大人しくステータスカードを見る。


「そのまま見ていてね?」


 大人しく椅子に座りなおした僕の横に、スカーレットが立ち膝の状態で床に膝をつくと、僕が見ている状態のまま、横からスカーレットがカードの操作をして見せたい項目を出してくれました。


 彼女が見せたかった項目は、僕のステータスの加護の下に新たに出来た欄の様です。


 それは、



《呪い》



 の項目でした。



 あ~。やっぱり呪いは付いちゃうんだね…?


 何て思いながら呪いの項目をよく見てみると、



 呪い:肉体・年齢の成長遅延



 と記されていました。



「【遅延】?」


 てっきりアスタおばあちゃんや宇美彦達と同じで、肉体・年齢の成長【不可】の呪いかとおもっていたから、【遅延】となっていたのに驚いて、思わず声がひっくり返る。


 すると、隣で見ていたはずのスカーレットが、


「えっ!?遅延?」


 と同じ様にビックリした様な声をあげました。



「うん。ほら、遅延って書かれてるよ?…ねぇシルビアーナ、これってどういう事かな?」


 僕からステータスカードを引ったくる様にして奪い取ったスカーレットは、そのままカードの内容を凝視したまま動かなくなってしまいました。


 僕はシルビアーナに説明を求めるのを諦め、スカーレットに聞いてみる事に。


 すると、


「ふむ。そうだ「シエロ君、シエロ君!ここっ!!ここ見て!!」な…」


 と、口を開きかけたシルビアーナを押しのけて、スカーレットが見ていたステータスカードをテーブルの上に叩きつけます。


 自由だな…末っ子。


 急に割り込まれて唖然としている長女に、【南無】と祈りを捧げてから、テーブルに叩きつけられてしまった僕のステータスカードの中身を覗く。


 そこには、さっき見た時と同じく、【呪い:肉体・年齢の成長遅延】と記されていましたが、その後ろに…。



 呪い:肉体・年齢の成長遅延←オマケだよ☆



 と言う、新たな文字が出現していました。



 おっ、オマケ?





基本スカーレットは自由です(笑)


本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。


そして、明日の更新は勝手ながらお休みさせていただきます。


このところ、お休みさせて頂いてばかりで本当に申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。


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