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二十二話目 またまたやってみた日



 まさか、体から【扇風機】を出す日が来ようとは、思いもしませんでした。



 しっかし、 これ、一時期めちゃくちゃ流行ったよな~。


 片手で操作が出来るハンドタイプの扇風機。


 最近では、ミストが出るタイプとか、電池が要らないやつとかも出ていたっけ。



 とりあえず、手元のスイッチを押してみる。



《カチッ、ぶぃ~》



 おぉ!本当に回った♪



「あ゛~、あうあうあ(ワレワレハ)、うぃうぅーいうあー(地球人だー)」



 まぁ、扇風機って言ったら必ず1回はやっておかないとだよね☆



「んっ?シエロちゃん?あら…起きちゃったのかしら?」


 うわっと!


 やっ、ヤバい、お母さんを起こしちゃった。



 うわわっ、まずいまずい、こっち来る!

 早く寝たふりしないと。


 慌てて扇風機のスイッチをオフにして、布団に潜り込む。



「あら~?良い子で寝んねしてるわ?寝言だったのかしらね~。ウフフ、可愛い寝顔…。お休みなさい、シエロちゃん♪」


《チュッ》



 お母さんは僕のおでこに優しくキスを落とすと、自分のベッドへ戻っていった。


 すぐに穏やかな寝息が聞こえてくる。



 せっ、セーフ…。

 あっ、危なかった~。


 まだ心臓がバクバクしてる…。



 うん、あんまりふざけるのはよそう。


 こんな真夜中に起こしちゃってごめんね?お母さん…。


 今度からはもうちょっと静かにやります。



 さてと…、またお母さんを起こしちゃわない様に、今日はもう実験中止!


 考察するだけにしておこう。



 布団に隠していた扇風機を取り出し、観察してみる。


 機体本体は黄緑色で、扇風機の羽の部分は濃いめの緑色か…。


 淡く発光もしてるし、結構派手だな(笑)



 機体には4枚の羽と、スイッチがあるだけで、電池が入る様な所は見当たらない。



 あ~、そう言えば【電球】も、それ単体で光ってたっけな…。


 まだ正式に習った訳じゃないから自己解釈の域を出ないけど、魔力が電池や電気の代わりをしているって事なんだろう。



 んー、今の状態でも意外に強い風が出た訳だから、今よりも保持魔力が上がれば、それこそ天変地異クラスの現象が起こせるかもしれないなぁ…。


 あっ、だから、【暴走】させない為の魔力制御カリキュラムって訳か…。


 何せ、出産時に火山を噴火させた男もいるくらいだからな(笑)。



 それに比べて、僕は【扇風機】か…。

 それもハンドタイプ…。


 はぁ、まだまだショボいなぁ。


 精進せねば…。


 よし、落ち込むのおしまい!


 それよりさ、始めて分かりやすいのが出て来たよね~。


 だって、【扇風機】だよ?

 絶対これ【風】属性じゃん(笑)



 あれっ?いや…、だったら【電球】も分かりやすいのか?


 なんとなく【光】属性の魔法っぽいもんな…。


 んー、そうなると、問題は【巾着袋】だけって事か…。



 何処までも腕が入っていったって事と、巾着袋の中がグニャグニャ歪んでた事くらいしか分からなかったし…。


 ん?


 空間が歪む?

 何処までも、腕が入った?



 あー!分かったかも!!


 よく、RPGのゲームや、ファンタジー物の小説に良く出て来る便利アイテム!



 【マジックバック】とか、そのまま【アイテム袋】とか呼ばれる類のあれに似てるんだ。



 んーと、だとすると、あれは何属性の魔法になるんだろう…。



 よく読んでた小説だと、何て言ってたかな~…。


 あっ!!【空間】属性だ!


 何だろ、今夜の僕って冴えまくりじゃな…。




 調子に乗って、テンションがアゲアゲになったところで、時間経過で扇風機が消滅し、僕の意識もなくなったのでした…。




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