二十一話目 またやってみた日
女神様の加護や、祝福を受けて産まれた子供は天変地異を起こせるよ!(混乱)
いや~、ジュリアさんって無口な人だとばっかり思っていたんだけど、実は凄い喋る人だったんだね…?
せっかくの外出だったけど、あの後はジュリアさんの講義で終わってしまった。
凄かった…、何て言うか、凄かったしか出て来ない(笑)
でも、まぁそのお陰で色々と勉強になったよ。
この間の兄姉喧嘩の時に、お兄さん達から漏れ出していた蒸気の様なものはやっぱり、感情の高ぶりで漏れ出た魔力だったって事も知れたしね?
しかも、あの2人の魔力の保有量は、同年代の子供に比べて凄く多いんだそうだ。
だから、まだ幼い2人の魔力が視認出来る程漏れ出す、何て事も起こった訳で…。
実はこれ、大人が同じ事をやろうと思っても難しくて、そうそう出来る人はいないんだって。
このままだと有り余る魔力を制御しきれずに暴走してしまう可能性が有るんだそうだ。
だから、もう少し大きくなったら魔法制御の訓練を始めます、ってジュリアさんは言っていた。
んー、女神の加護持ちのお母さんといい、兄姉といい、何てチートな親子なんだ…。
お父さんの能力とかはまだ分からないけど、あのお母さんの旦那さんな訳だし、ねぇ?
うわぁ、僕だけ落ちこぼれだったらどうしよう…。
あの感じだと、両親や兄姉の態度は変わらないと思うけど、周りの態度とか、学校へ通った時にイジメられたりとか…。
うん!特訓しよう!
先ずはいつもの続きからだ。
ジュリアさんの講義では、僕のアレが何なのかまでは分からなかったんだから蛇や虫が出るかも、何てビビってる場合じゃないよね!?
――――――
身体中の力を抜き、お腹の辺りに集中…。
僕の中にある、ゆらゆらを確認。
ここのところ、順調に起きてられているし、毎晩の様にこの作業が成功してるからか、大分やりやすくなってきた。
んー、何か毎回同じ様な事を言ってる気がするけど、すればするだけスムーズになってくるんだから、しょうがないよね?
さてと、今夜は黄緑色を集めて体から取り出してみるか。
黄緑色の魔力君達よ!集まれ集まれ~。
おっ、黄色とも、白色とも違う感じの何かが集まってきた。
集まったら、次は回転。
んー、我ながら何て流れ作業なんだろう(笑)
ん?うわっ!何だこれ!?
ちょっと回そうとしただけなのに、凄い勢いで回転し始めたぞ?
お腹の中で、小さな竜巻が暴れているみたいだ…。
あっ、これ駄目なやつだ。
少し回転速度を落とさないと、体から出すときに危ないかもしれない。
主に部屋の中が(笑)
回転を抑える、ゆっくりだよ?
ゆっくり、ゆっくり…。
何かいつもとは逆になっちゃったけど、回転速度が丁度良い感じに収まってきた。
おしっ!ここまでくれば、後はいつもの様に体内から出すだけだ。
出て来い!黄緑色!!
《ぶわぁっ》
一陣の風を伴いつつ、手のひらに現れたそれはーーー。
あれ?
あー、これはこれで、ある意味意外な物が出て来たな~。
何と言うか、今までで一番分かりやすい(笑)
出て来る時に風を纏ってたのも分かりやすいポイントの一つだしね。
あー、いつもこうなら良いのに。
今回、僕の中から出て来たのは…。
一時期やたらと流行った、ハンドタイプの【扇風機】だった。




