二十話目 洗礼式の話しを聞いた日
この世界では、赤ん坊が産まれる度に、天変地異が起こる様です。
しかし、火山が噴火したとか…。
プロクスお兄さんが産まれた日が一番ヤバいよな…。
「そうなんですか。あっ!だからしんぷさまは、ほのおにしゅくふくされた子どもだっておっしゃったのでしょうか?」
ん?神父様?何で急に神父様の名前が出て来るんだ?
「そうね、プロクス。神父様はもしかしたら貴方は精霊様とお会いする事が出来るかもしれない。とも仰っていたわよ?」
「せいれいさまと?うわぁ、うわぁ!いつおあいできるのだろう…。今からたのしみです!!」
「ルーは?ルーは?」
「あら~?ルーメルは何の月生まれだったかしら?」
???
何でここで生まれた月を聞くの?
ルーメンお姉さんが駄々っ子口調で、自分も精霊に会えるかどうか聞いてるだけだよな?
お母さんの顔がずっとニヤけてるから、本当にルーメンお姉さんの誕生日が分からないって訳じゃなさそうだし…。
「ん~?ルーのおたんじょうび?ルー、ちゃんといえるよ!6のつきの23にちだよ!!」
「ウフフ、ちゃんと覚えていたのね?ルーメンは偉いわね~。そうよ、6の月の23日が貴方のお誕生日。だから、5歳のお誕生日に教会へ行って、洗礼式を神父様にして頂くのよ?」
ほう、こっちでも教会ってあるんだね。
キリスト教がある訳ないから、月にいるっていう双子の女神様に捧げるの為のモノなのかな?
「その時にルーメンも精霊様にお会い出来るのか教えて頂きましょうね?」
で、5歳の誕生日に洗礼を受ける、と…。
でもさ、何で神父様が精霊に会えるかどうか知ってるんだ?
「そうか、ルーメンももうすぐだもんね?5さいになったら、教会でしんぷさまにぼくがいただいたみたいに、ステータスカードをいただくんだよ?」
「そうね、カードは洗礼式の後に神父様から頂くのよ?プロクスの時は、家族皆で教会にお邪魔したんだったわよね」
「はいっ、みんなの目のまえで、しんぷさまからのしゅくふくをいただきました。」
へぇー、ステータスカード…。
ゲームや小説みたいに、レベルとか、使用できる魔法の属性とかの個人情報が載ってるのかな?wktkだね(笑)
「ルーのときも、みんなきてくれる?」
「勿論よ?お祖父様とお婆様も来て下さるそうですよ?」
「おじいさまと、おばあさまもきてくれるの?ヤッター!!」
おぉ、遂にお祖父さんとお祖母さんに会えるのか…。
ルーメンお姉さんがこんなに喜んでるし、小さい子供を2人も預かるくらいなんだから、怖い人達ではないと…信じたい。
「奥様、先程大旦那様の連絡番の方がいらっしゃいまして、『6の月に入り次第行く、沢山プレゼントを持って行くから覚悟しておくのだぞ』との伝言をお預かりしてございます」
「まぁ!では、予定よりもお早くお着きになるのね?ジュリア、準備の方を宜しくね?」
「承知致しました」
うぇ!?お祖父さん達の話しが 出た途端に連絡が来るなんて、凄い偶然もあるんだな…。
って言うか、ジュリアさん何時の間に来たの?
隣に居たはずなのに、全然気がつかなかったんだけど…。
んー、この人も大概謎だよな~。
気がつくとこっちを見ながら何かメモ取ってたりするし。
かと思うと次の瞬間には庭で掃き掃除してるし…。
凄い優秀な人だって事は分かるんだけど…。
分かる事って言えば、白い兎の獣人さんで凄いメイドさんって事くらいしか知らないんだよね。
本当に何者何だろう…、ジュリアさんって。
「あっ、そうでございました。奥様」
「あら?なぁに?」
「先程、シエロ様に仰られていたお話しの件でございますが、豪雨や、猛吹雪、まして、火山の噴火等の天変地異が、赤子が産まれる度に起こっていてはこの国は壊滅してしまいます。その様な珍事…、失礼致しました。奇跡が起こるのは、女神様のご加護を受けられた方か、それに準ずる方だけでございます。プロクス様、ルーメン様が誤解してしまわれませんように、僭越ながら私めが、訂正させて頂きたく存じます」
ほっ、本当に何者なの!?この人…。




