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百八十五話目 謎の石の正体の日


4月4日の更新です。


本日も宜しくお願い致します。





 どうにも話しがあっちこっち脱線気味ですが、話しを戻してまとめてみると…。



 ・ワンダがダンジョンの宝箱で見つけた謎の石はクレアさん曰く、【氷の魔石】に特徴がやや似ているが、こんな光の反射の仕方をしない。


 ・クレアさんのお母さんが持ってる石に色が似ていて、仄かに感じる魔力も氷の魔石に似通ったところがある。


 とまぁ、大体こんな感じですかね?



「ふむ。これが氷の魔石だとして、その認識で再度【鑑定魔法】をかけたらどうなるか、やってみますか…」


「えぇ。シエロ君、頑張って下さいまし!」


 鑑定魔法は、使用すれば正体不明な品物が何なのかを教えてくれる便利な魔法ですが、やっぱりある程度使う側に知識がなければ、今回の様に分からない事も多いんです。


 だから鑑定魔法の使い手には、専門的な知識を持った職人や知識欲の塊みたいな学者さんが多いんですよね…。


 と言うわけで、今まで分からなかったのは僕に氷の魔石に関する情報が足りなかったからでは?と言う推論に至った僕は、クレアさんが知っている氷の魔石についての特徴やその他の情報を教えてもらった上で、再度挑戦してみる事にしました。


 あっ、他の3人ですが、さっきまでわたわたしている僕とクレアさんの様子をニヤニヤしながら見ていたので、頭に一発ずつ鉄拳を落として静かにさせました。


 お蔭で、今は真面目に石の様子を見つめていますよ?


 ね?コローレ君♪


 あれ?何か顔青くない?


 まぁ、いいや…。


「じゃあ、行くよ?《鑑定》!」


―――


《氷属性の魔石?》


属性色:水色


学園内ダンジョンのたaw箱から出て来た魔石。

ただの氷属D@の魔石に見えるが、実はv-せ@がo-@んされている


備考:魔力切れ


売却予想価格:◎※aj♪wm☆tg


―――


 お~。まだ文字化けってるけど、前より読める部分が増えたな…。


 【?】になってるけどちゃんと【氷属性の魔石】になってるし、説明の欄も氷属…までは読める様になった。


 ん?もしかしてこの【たaw箱】って【宝箱】の事?実は…のところが読めなくて気になるけど、この増えた【備考欄】ってところも凄い気になりますね…。



 う~ん…【魔力切れ】ってなってるって事は、魔力を充填すればまた使えるのかな?


 僕は、テーブルの上に置いていた石を手のひらで包み込む様に持つと、徐に魔力を流してみました。


 流通している魔石はいわゆる充電式乾電池と一緒で、魔力を充填出来れば半永久的に使用する事が出来ます。


 なるべくその属性の魔力を充填出来れば良いんだけど、もしその属性の魔力の保持者がいなくても、無属性の魔力なら代替えが利くと言う事で、無属性持ちは何かと重宝されてるんです。


 これは僕が作っている人工魔石も同じ様に使えるので、我が魔道具研究会では日常的に魔力を充填している光景が見られ…。


 いかんいかん、また話しがズレ…。



「あれ?」


 石に魔力を送り込んでみたものの、普通の魔石とはまた違った状態にあるのか、送り込んだ魔力が吸い込まれる事無く弾かれてしまいました。


「どうしたんですの?」


「どうなったの?」


「なぁ、結果はどうなったんだ?」


「ニコニコ」


 弾かれてしまった事に驚いて声をあげると、一斉に4人からまくし立てるように話しかけられました。


 ニコニコしてる光の精霊は…。うん、ほっとくとして、また1人で色々納得して進んじゃってましたね?


 頭の中で考えてただけなのに、もう話してる気になってたや!?


 うわ~、気をつけよう…。



「ごめんごめん。クレアさんのお蔭で昨日試してみた時よりは沢山読めたよ。でも――」



 僕は、今読み取った事を掻い摘んで皆に説明しました。


 すると、僕の話しを聞いていたクレアさんが、


「これが本当に氷の魔石だとしたなら。ですが、私は氷属性を持っていますので、何かお役にたてるかもしれませんわ」


 と提案してくれました。


 無属性が弾かれたのには驚きましたが、鑑定結果の【氷属性の魔石?】が本当に氷属性の魔石だったとしたら、確かに氷属性持ちのクレアさんに魔力の充填を頼むのが一番手っ取り早い方法ではあるんですよね…。


 でも、鑑定結果自体もまだあやふやな部分が多いし、クレアさんに頼むのは気が引けるなぁ…。


 もし、これが呪いでもかけられた魔石だったらマズいし…。


 えっ?じゃあ何で僕は平気なのかって?


 実はコローレから魔除けのお守りを…。


 ん?


 あぁ、心配ならクレアさんに、このコローレから貰ったお守りを持ってもらいながらやってもらえば良いのか…。


 もう!とっとと気付けよ…自分……!!


「シエロ君?」


「あぁ、すいません。ちょっとクレアさんにお願いした場合のリスクを考えていまして…」


「リスク、ですか?」


「シエロ、【リスク】って例えばどういうもの?」


 慌てて返した僕の言葉に反応したクレアさんとブロンデが揃って右側に頭を傾かせました。


 んふふ。何気にこの2人、息がピッタリ合ってるんですよね~。


 この前もクラスで2人だけがツボるという珍事が起きましたし、意外と芯の性格が似ているのかもしれません。


「うん。もしこの魔石が呪われていて、僕みたいな無属性魔法が使える魔法使いではなく、【氷属性魔法】が使える魔法使いを狙っていたとしたらマズいでしょ?」


 ブロンデはコクリと頷き、【呪われていたら】と言う言葉を理解してゾッとしたのか、右肩を何度もさすって気持ちを紛らわせ様としています。


「それならシエロ君だって危なかったのではありませんの?」


 肩をゾワゾワさせて自分を抱きしめる様に体をさすっているブロンデの横で、クレアさんは1人眉を顰めながら少し強い口調で、そう僕を注意して来ました。


 どうやら彼女だけは、本当に僕を心配してくれた様です。


 うぅ。この頃、化け物や美幼女扱いばかりされてきたから、クレアさんが本気で叱ってくれるのがちょっと嬉しい。


「心配してくれてありがとうございます。僕にはコローレからもらったお守りがあったので、ちょっと油断していましたね…」


 僕はそう言いながら、制服のジャケットの裏ポケットから小さな巾着袋を取り出しました。


 それは、直径3~4cmくらいの大きさながら精緻な刺繍が巾着袋一面にびっしりと施されていて、ある種芸術作品の様にも見えます。


「まぁ、綺麗な袋ですわね?鮮やかな新芽色の布地に施された金糸の刺繍が素敵ですわ~♪」


「ありがとうございます。その刺繍自体が魔除け・呪い除けの効果がある魔法陣となっております。シエロ様、その守り袋をクレアさんがお持ちになって魔力の充填をなさるなら大丈夫ではありませんか?」


 ちゃっかり僕の心の中を読んだコローレが、【僕に提案しています】と言う定で助け舟を出してくれます。


 お守りの貸し借りって良いんだっけ?などと考えてしまっていた元日本人的には本当に助かる助け舟でしたね♪


「そうだね。クレアさんさえ宜しければ、お願いしても?」


 僕は助け舟を出してくれたコローレに頭の中で【ありがとう】と伝えながら、クレアさんにそうお願いしてみました。


「勿論ですわ☆」



 僕のお願いをきいてくれたクレアさんは、そう言いながらニッコリと笑ってくれた。





光の精霊が夜なべ(笑)して作った御守り…。


何だか御利益ありそうですよね?


本日も此処までお読み頂き、ありがとうございました。



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