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閑話 小話集②


3月2日の更新です。


本日の更新も、昨日に引き続き小話集となっております。


中には時系列が少し前後する話しもあります。


予めご了承下さい。




☆亜栖実の魔道具☆



「僕はてっきり忘れられてるんだと思ってたよ…」


「材料を提供されてるのに、忘れる訳ないじゃないですか~?勇者一行の亜栖実さんの魔道具になるんだから、と思って拘って作ってただけですよ」


 秋晴れが眩しいとある日の放課後、いつもの様に訓練を終えた僕は、忘れないうちにと頼まれていた品を渡していた。


 いつか、兄さんに作ったミスリル製の魔道具と同じ様な物が欲しい!って言われてたんだけど、凝りに凝ってたら思ったより時間がかかっちゃってさ…(汗)


 でも、その分性能は高くて良い物になってると思うんだよね☆


「じゃあ魔道具について説明させて頂きますね?」


「うん、お願い」


「では…。ブレスレットに付いている魔石は全部で5つ。亜栖実さんが持っている炎以外の基本属性にプラスして、光属性を入れてみました。魔石はそれぞれ上級魔法までは使える様に調整してあります。あっ、光属性の魔石は攻撃、防御に加えて回復魔法も上級が使えますから、お役立て頂ければ嬉しいです。魔石の他に、ブレスレットの裏にブーストの呪文を刻み込んでみたので、ここぞと言うときに使ってみてください」


「うっ?あっ、うん?」


「それから、このカートリッジをつけて…《カチャカチャ》こうして頂くとブレスレットがなんと!魔導砲になるんです。魔導砲と言うのは、そのまま魔力の弾を飛ばして使う小型の大砲で、ド○え○んズのドラ○キ○ドが使ってる空気砲をイメージして…あれ?何でヒいてるんですか?」


「いや、あの…その、ね?」


 この時、亜栖実はシエロの魔道具作りに対する熱量を見誤っていた事を、心から反省したのだった…。



――☆★☆★☆★――


☆靴下?☆


亜栖実=亜

アリス・ルイス=ア

ミーナ・ロッド=ミ



亜「ん?誰だい?靴下が片方落ちてるよ~?」


ア「あっ!アスミ先生、それ、私のなの!」


亜「あぁ、何だ、アリスちゃんのだったんだ。はい、こんなに可愛いピンクの靴下、なくしたら駄目だよ?」


ミ「先生~?それ~、靴下じゃないのよ~?」


亜「あれ?ミーナちゃん。じゃあ何なんだい?」


ミ「これは~、寝る時に角がある種族が使う帽子なのよ~?」


ア「ミーナちゃんは同室なの。だから、コッソリ内緒のお話しもしたの」


ミ「そうなの~、だから、お部屋の中ではアリスちゃんは山羊族になってるのよね~?」


ア「ね~?」


亜「あ~、山羊族の角は黒いのもあるんだもんね?パッと見ただけじゃ分からないし、ナイスアイディアだね!!」



ル「なす、網で?」


ア「アスミ先生、お腹すいたの?」



亜「えっ?えっとね~(汗)」



――☆★☆★☆★――


☆コローレとランパート☆


 フルスターリの洗礼式の前日、僕は特別に休みをもらい、実家のあるシュトアネールに戻って来ていた。


「何でコローレも一緒だったの?」


「おや?ご主人様の側にいるのは精霊の務めかと思いますが?」


「そう言うの良いから…。あっ!良し、ランパートさんに預かってもらおう!!」


「えっ?あっ、いや、その…シエロ様?くっ、抜け出せない?」


 嫌がるコローレの首根っこを空間魔法まで使って固定した僕は、そのまま教会まで引きずっていった(笑)


 だって、ねぇ?


 せっかくの家族団らんを邪魔されたくないじゃない?


 と、言う訳で…。



「ランパート神父様~、いらっしゃいますか~?」


「は~い☆ランパート神父は執務室におりますのでご案内致しますね~?あっ、コローレさんもお帰りなさ~い☆」


「はぁ~、ただ今戻りました…」


 ん?


 出て来てくれた顔馴染みの若い方(笑)のシスター、今コローレに普通に挨拶してなかった?


 いつもの様にニッコニコしながら、帰ってくるのが遅すぎますよ~?何て話してるけど…。


「ん~?あぁ、コローレさんの事はランパート神父【以外】皆知ってましたから~☆」


「シスターララ、いつまで表で騒いでるんですか?おや、シエロ様でしたか?クラ…コローレさんもお帰りなさい。さっ、ご案内致しますので、ランパート神父に会っておあげなさい?」


 いやいやいや!シスターの年上の方、シスターアメリアがコローレを見た瞬間に、物凄いわっるい顔で笑ったんですけど!?


 うわぁ…、シスターアメリアの表情が変わったの、僕初めて見た~。


 ん?うわっ!横見たらコローレまでヒいてんじゃん!?



「では、参りましょうか?」


 シスターアメリアは、そんなドン引きしている子供2人の手を引いて、ランパート神父がいる執務室まで案内してくれたんだけど…。


 道中シスターアメリアからは終始忍び笑いが漏れまくりで、でもその表情は鉄仮面みたいに無表情だったから、何か余計に恐怖心を掻き立てられました(白目)



 って言うかさ?


 流石にランパートさんが可哀想になってきたよ!?


 皆楽しみ過ぎじゃない?



――☆★☆★☆★――


☆コローレとランパート②☆


「は?」


 シスターアメリアが僕らを執務室まで案内してくれました。


 僕らに気が付いたランパートさんは、すぐに執務机から立ち上がりながら笑顔で迎えてくれたんだけど…。


 僕の隣のコローレを見た瞬間、面白いくらいに固まった(笑)


 あ~、これが見たくてシスターアメリアはわざわざ部屋の中に残ってたんだね~☆


 いつもならすぐに下がっちゃう人だから、何かおかしいと思ったんだよねぇ~。


 必死に笑いを堪えてるけど、顔がニヤついてますよ~?


「ブラザー・ランパート…。おっと、今はランパート神父でしたね?お久しぶりです。お元気でしたか?」


「はっ?えっ?うえぇ!?」


 ランパートさんは、今まで見た事もない様な素早さでコローレに近付くと、何往復も上から下まで見回していた。


 ですよね~?



 僕もコローレを初めて見た時、似た様な反応をしたからね~?


 分かる分かる…(笑)



 その後、何度も自分の頬をつねったり――この世界の人もそれやるんだね?――、何度もコローレの顔や体を触って確かめては涙を流していた。


 うん、うん。


 コローレを此処に連れてきて本当に良かったよ…。



「ジエロざま、グラレン゛ス神父が生きておいででしだ~」



 うんうん、良かったね?


 だから、鼻水つけないで?



「ランパート神父?本当に私があんな所で死ぬと思っていたのですか?」


「おも゛っでばいまぜんでしたが、ながなががえっでぎでくだだらな゛いので~(訳:思ってはいませんでしたが、中々帰って来て下さらないので~)」



 うんうん、あれから丸々1年音沙汰無かった訳だし、お葬式をしたのはランパート神父だもんね?


 うんうん、辛かったよね?


 コローレは置いていくから、じっくりゆっくり話してね?


 じゃあ明日のフルスターリの洗礼式を宜しくお願い致しますね?


「おま゛かぜ下さいシエロ様!私、誠心誠意心を込めで、洗礼式を執り行わせていただぎまずがら゛!!」


「えっ?シエロ様?私を置いて行かれるおつもりですか?えっ?本当に?」



 コローレが何か叫んでたみたいだったけど、僕は何も聞こえないふりをして、フルスターリの待つお家へ帰ったのでした☆


 いや~、良い事すると気持ちが良いな~♪



――☆★☆★☆★――


☆シエロとフルスターリ☆



 今日こそ、お兄様のおでかけ先を突き止める!


 気合いを入れ直したわたしフルスターリ・コルトは、前を歩く小さい方の兄、シエロお兄様の後をつけています。


 せっかくの長期休みでお帰りになったと言うのに、大きい方のお兄様もお姉様も、お父様といっしょにむずかしい話しばかりしていてわたしと遊んでくれません。


 大好きなシエロお兄様も、いつのまにかふらりといなくなってしまうので、わたしはたいくつなのです!!



 なので、今日は朝からシエロお兄様の後をこっそりついて行こうと思ったのです!



 むっ?シエロお兄様はしばらくだんろの前であたたまったあと、ゆっくりと立ち上がりましたよ?


 あっ!いよいよどこかへでかけるのですね!?


 お兄様はこちらにまっすぐちかづいてきます。


 あっ、そうだ!どこかにかくれなくちゃ…。


「フルスターリ、今日は暖炉の前で本でも読んであげようね?さぁ、そんな所に居たら体が冷えてしまうよ?暖炉の前に移動しようね?」


 かくれようとしたその時、シエロお兄様はやさしいこえで私に話しかけてきました。


 ん~?なんでわたしがここ(部屋の扉の前)にいたことがシエロお兄様にばれてしまったのでしょう?


 ふしぎに思っていると、わたしの顔を見たシエロお兄様はにっこりしながら、


「お兄様には後ろにも目がついているからね?フルスターリが朝からずーっと僕の後ろをくっ付いて歩いているのは分かっていたよ?」


 と言うのです。


 ほあ~、やっぱりシエロお兄様はすごいお方なのです。


 いつかわたしもシエロお兄様みたいなきれいでかれんな人になりたいな。



――☆★☆★☆★――


☆スクルド先生とランスロット先生☆


スクルド=ス

ランスロット=ラ

シエロ=シ


ラ「スクルド先生!シエロ君を我が【万能薬研究会】に下さい!!」


ス「あ゛?」


ラ「シエロ君には樹花属性の妖精がついていますし、多種多様な樹花を扱う事に長けています!是非とも我が万能薬研究会に入部してほしいのです!!」


ス「断る!」


ラ「何故です?シエロ君はまだ仮入部の段階だったハズです!スクルド先生がお決めになる話しではないでしょう?」


ス「いーや!!1年の時からシエロは俺の【魔道具研究会】で素晴らしい品を次々作り出している!今更ランスロット先生の研究会には入りませんよ!!」


ラ・ス「「ぐぬぬぬぬぬ」」


《ガラッ》


シ「スクルド先生~、入部届け持ってきました~」


ラ「!!!」


ス「どやぁ…」


ラ「くっ!シエロ君!私の万能薬研究会に来る気はありませんか?」


ス「あっ、てめっ!シエロは俺の研究会に入部する、とこうして届け出てくれたではありませんか?今更何を言っているのですか?」


シ「う~ん…」


ラ・ス「「悩んでる!?」」


シ「僕は…」


ラ・ス「「ドキドキ」」


シ「僕は授業で薬草学を専攻していますので、部活はスクルド先生の魔道具研究会に所属したいです。色々な事を学びたいので!!」


ラ・ス「「!!!!!」」



コローレ「シエロ様が一番大人でしたね…」



――☆★☆★☆★――


☆入学式②☆


 去年に引き続き、今年も新入生の案内役をしています。


 とは言っても今年は寮の方じゃなくて、新入生をスクルド先生のいるステータスカードの更新とクラス分けをしている場所まで誘導する役なんだけどね?


「新入生の皆さんは、教室棟まで移動してくださーい!」


 教室棟の方角を指差しながら、自分よりも【多少】小さな子供達を誘導していると…。


「すいません、そこのお嬢さん」


 もう嫌な予感しかしないけど、僕と同じくらいの背の男の子が声を掛けてきた。


 って言うかお嬢さんじゃねぇし!!


 はっ!いかんいかん、シエロ、去年の事を忘れたのか?


 もう下級生からビクビクされるのはゴメンだよ!?


 落ち着いて、落ち着いて…。


「何かな?それと、僕は男――」


「麗しいお嬢さん、僕と是非結婚して下さい!!」


「いや、だから僕は男の――」


「僕の家は男爵家です!何も不自由はさせません!!絶対幸せにしますから!!」



「話しを聞けーーー!!」



 結局堪えきれずに爆発し、僕はまた下級生から恐れられる存在となった…orz






シエロが年々短気になる気が致します(笑)


さて、明日も閑話を挟ませて頂きますが、明日は小話以外の閑話になる予定です。


本日も此処までお読み頂き、ありがとうございました。



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