閑話 僕の弟。
10月7日分の更新です。
少し間が開いてしまってすいませんι。
本日2回目の投稿です。
前話でキリが良かったので、閑話を一本挟んでいます。
少し、主人公の暮らす国の情報が載っていますが、殆どひらがなで読みにくいと思われる方は、読み飛ばして頂いても大丈夫です。
閑話は、他の兄妹達が主体となっております。
ぼくの名前は、プロクス・コルトともうします。
モーント王国、コルトはくしゃく家が長男としてうまれました。
まだ、5さいと、じゃくはいのみではございますが、よろしくおねがいいたします。
ぼくがすんでいるのは、シュトアネールというまちです。
シュトアネールは、お父さまが国王へいかよりおあずかりしているりょうちで、しゅとモーントより、南がわにいちしています。
このまちは、火山という、火をふくお山が近くにあり、おんせんとよばれる、あたたかいお水がほうふにわきだしているそうです。
そのため、ふゆばは雪ぶかくなるモーント王国においても、あたたかいちいきとして、他のきぞくの方々からもしられています。
国王へいかよりおあずかりしたシュトアネールのまちを、ここまでさかえさせたのは、ぼくのお父さまなんだそうです。
ぼくのだいすきなおじいさまでも、できなかったすごいことをなしとげたお父さまを、ぼくは心よりそんけいしています。
しょうらいは、お父さまのあとをついで、りっぱなナイトになりたいです。
何でかというと、かぞくのみんなとおなじくらいだいすきな、シュトアネールのまちのみんなをまもりたいからです。
ナイトはみんなをまもるしょくぎょうだって、お父さまがおっしゃっていたから、ぜったいになりたいと思いました。
――――――
さいきん、ぼくにまもりたい人がふえました。
ぼくに弟ができたのです。
弟の名前は、シエロ・コルトと言います。
ぼくとはじめてあった時、弟のシエロは、ぼくのかおをみて、ないてしまいました。
ぼくの目は、とおくのものがぼやけてみえてしまうという、びょうきなんだそうです。
しゅじいの、ベアードせんせいがおっしゃっていたからまちがいないんだと思います。
だから、ベッドにねむるシエロのこともよくみえなくて…。
よくみようとしたら、なかれてしまいました。
よくみようとしているぼくの顔はすごくこわいらしいのです…。
妹のルーメンが前にそういっていました。
ルーメンは、ぜったいにうそはつきません。
だから、シエロがみたぼくの顔も、すごいこわい顔だったのだと思います。
ごめんね?っていったらシエロはゆるしてくれたけれど…。
シエロをこわがらせてしまったことにかわりはありません。
ぼくは、そのとき、とてもかなしくなりました。
何でぼくはこんなびょうきになってしまったんでしょうか…。
グスッ…。
ぼくはお兄ちゃんだから、ないたらだめなのに、びょうきのことをかんがえると、どうしてもなみだがでてきてしまいます。
こんなことじゃ、りっぱなナイトにはなれないって思うのに…。
なぜかいつも、むねがくるしくなって、なみだがとまらなくなってしまうのです。
「あー、うっ?」
むねがくるしくて、うずくまってないていたら、いつのまにかぼくのよこにきていたシエロに、ひざのあたりをたたかれていました。
さいきん、足だけでいどうするということをおぼえたから、シエロから目がはなせないわ、とお母さまがおっしゃっていたのを思い出しました。
「うっ?」
びっくりして、シエロを見つめたら、なぜかシエロまでびっくりしたような顔をしていて…。
ウフフ…。
いつのまにか、ぼくはわらっていました。
もう、むねもいたくありません。
「いー」
ぼくがわらったら、シエロもわらってくれました。
だめなぼくをなぐさめてくれる、やさしくて、かわいいシエロ。
ぼくはいつか、そんな君をまもれるナイトになれるかな?