百二話目 部活動見学に誘ってみた日
2017年初投稿日と言う事で、本日はもう一本更新させて頂きたく思います。
此方は2本目の更新です。
お間違えの無い様に、お気をつけ下さい。
次の日の放課後、僕は早速スミスさん他数人に声を掛けた。
「えっ!?魔道具研究会何てあるんスか?うわ~!それは是非とも行ってみたいッス!!」
「僕、魔道具を作った事何てないし、詳しくもないけど、良いのかな?」
「俺とブロンデにも声を掛けたって事は、ただの見学って訳でもなさそうな気がすんだけどよ…?俺の考え過ぎか?」
「でも色んな魔道具見られるんでしょ?楽しみだよね?」
部活の話しをすると、やっぱりスミスさんは喜んでくれた。
良かった~、昨日僕だけ呼ばれちゃったから若干スミスさんに対して後ろめたかったんだよね(ビクビク)
デイビッド君は無属性の音波魔法を持ってるから、マルクル先輩が考えてる【電話】の機能を実現させる為に必要になったりするかも?とか思って声を掛けてみた。
そんで、後のルドルフとブロンデは、友達だから声を掛けてみただけ(笑)
でもブロンデの雷属性が何かの役に立つかも?って言う計算も有ったり無かったり?
とにかく僕はこの4人に声を掛けました!!
『そこで何でふんぞり返んだが分かんねぇけっじょ、取りあえず私が呼ばれた理由だけでも説明してくんちぇ?』
おっと、クレイ来てくれてありがとう。
思ったより早かったね?
『そらシエロから呼ばれたっち言わっちゃら、文字通り飛んで来るよぉ。さっきマンマさ食ったばっかだから、あの子もグッスリ寝てっべしな?』
そっか、いつもありがとうね?
生まれたばかりの花の妖精のフロルの面倒をいつも見てもらっているクレイには本当、頭が下がるよ。
クレイに足を向けて寝られないよね?
『んな事何でもねぇよ~。で?なしただ?シエロがわざわざ呼び寄せる何て珍しいなぃ?』
あっ、うん。
昨日話したかもしれないけど、エストラ・ルガリアって言う名前のドワーフとエルフのハーフの先輩が居てね?
その先輩が昔はクレイみたいな土の妖精の声が聞こえてたって話してたんだ。
学園に入る頃にはもう聞こえなくなってて寂しいって言っててさ、先輩の母方のお祖父さんは見えるエルフだったらしいんだけど…。
あれ?クレイ聞いてる?
『あっ、ごめんなし?ルガリアってファミリーネームに聞き覚えさあったから、ちょっと考え込んじまっただよ』
何か僕の変な癖をうつしちゃったみたいだな…。
それで、何か思い出した?
『うん。私の友達が、確かエカイユ・ルガリアってドワーフの子供さ気に入って、くっ付かって行っちまったんだぁ?』
じゃあ、もしかエストラ先輩のお父さんの名前がエカイユさんで、クレイのお友達が気に入った人と同じ人だったら、そのうち会えるかもしれないね?
『そんだと良いんだけっじょなぁ~?もう3~40年くらい会ってないから、会いたいなぃ…』
3~40年!?
これは何とか会わせてあげたいな。
この学園の決まりで、家へ帰る許可が出る前に王都内なら出ても良いって許可が出るんだけど、その許可がおりるまで後3ヶ月。
もし先輩のお父さんとクレイの友達の宿主が同じだったら、許可がおりた時の行き先は決まった様なものだ。
「先輩は、魔道具に詳しいスミスさんの話しは勿論だけど、案外知らない人の方が、面白い発想をもらえるかな?って言っててね?僕の友達何人か連れてきてよって言われたんだよ。だから皆が良ければ、このまま部室に行かない?って誘ってみたの」
「なんだ、そう言う事か。マルクル先輩にはうちの兄貴もお世話になってるし、俺は構わないぜ?」
「「僕も大丈夫~」」
と言うことで、僕を含めた5人でスクルド先生のお部屋へ向かう事となった。
あっ、そう言えばこのメンバーってランスロット先生の部屋に行ったメンバーだね?
入学してから2ヶ月ちょっと、あの日以来このメンバーで連む事が多くなってきたなぁ…。
――――――
「いらっしゃ~い☆皆よく来てくれたわね~?きゃ~ん♪猫耳可愛い~」
「わぷっ!?」
あっ!!早速ブロンデが昨日の僕みたいな事に!?
リペア先輩!
止めたげて!?
いや、本当に離して~!!
――――――
「うわぁ~。スゴイッス!こんなに魔道具がいっぱいッス~」
マルクル先輩にも手伝ってもらって何とかブロンデからリペア先輩を引き剥がす事に成功。
その後、先輩2人から案内を受けて部屋の中へ入ったところで、スミスさんが歓喜の声をあげた。
何か部屋に入る前から疲れた。
とか思ってる時にこんな嬉しそうな声が聞こえたら、小父さんの疲れなんかあっという間に吹き飛ぶってもんだよね、うんうん。
やっぱり話してみて良かった♪
許可を下さった先生とマルクル先輩には感謝だね?
本当なら3年生になるまでは秘匿される情報なんだしさ…。
「じゃあ初対面の子もいるし、シエロ君。僕達に紹介しくれないかな?」
あっ、ボーッとしてる場合じゃなかったや(汗)
「はっ、はい。では僕の隣から、猫族のブロンデ・フォールド、ヒューマンと兎族のルドルフ・エルリック、蝙蝠族のデイビッド・ロウズ君、そして、ゾーイ・スミスさんです。」
「マルクル先輩と同室のブロンデ・フォールドです。今日は宜しくお願いします」
「6年A組、エルドレッドの弟、ルドルフ・エルリックッス。宜しくお願いします」
「こっ、蝙蝠族のデイビッド・ロウズと申します。宜しく、おっ、お願いします」
「ご紹介に預かったゾーイ・スミスッス!ハシャいでしまって申し訳ないッス。宜しくお願いしますッス!!」
「えっ!?スミスってもしかして、アグニ・スミスさんの娘さん?」
マルクル先輩に促され、簡単にだけど皆の紹介をさせてもらったら、リペア先輩がゾーイさんに食いつきだした。
だからアンタはどうしてすぐ人にへばりつきたがるんだ!!
「えっ?あっ、はい。そうッス。うちのパパンは確かにアグニ・スミスッス」
真面目なスミスさんは、目を白黒させながらもリペア先輩の質問に答えていた。
ほらっ!後輩が困ってんだから、いい加減離れなさいって!!
「あ~、ビックリした~ッス。ブロンデ君、さっきは笑っちゃってゴメンナサイッス。この先輩全然離れないッスね…」
「アハハ、ごめんね~?つい興奮しちゃってぇ~♪でも感激だわぁ~?アグニさんの娘さんにお会いできるなんて~☆」
全、然謝る気ねぇな…、こりゃ…。
はぁ、まぁいいや…。
マルクル先輩もリペア先輩を見つめながら疲れた顔してるし、きっと何度注意しても無駄なんだろう。
それにしてもさ、スミスさんのお父さんって有名な人だったんだね?
ん?何?皆して変な顔して…。
あれ?デジャヴ?
「お前は何も知らないんだなぁ~?頭は良い癖に本当、可笑しな奴だよ…。アグニ・スミスって言ったら王都でも超有名な彫金技師だぜ?」
「知らない人はいないくらい凄腕の彫金技師なのよ?」
うぅ、そんな事言われてもなぁ…。
王都へは祖父さんのうちへ来るくらいであんまり来た事すらないし、地元でも自由に出歩けたのは自分家の周りだけだったし…。
「あ~。そう言えばシエロ君って伯爵様のご子息様だったんだっけね…。シエロ君があんまり親しみやすいから、すっかり忘れてたよ…」
ちょっ、ブロンデまで遠い目しないでよ!
ごめんね?世間知らずでさぁ~(泣)
自重を知らないリペア先輩でした(笑)
本日もお読み頂きまして、ありがとうございました。
尚、明日からはまた一本ずつの更新となります。
宜しくお願い致しますm(_ _)m




