<0章> 一部までの人物紹介
*一部の人物紹介ですが、ネタバレがあります。初めてここから見る方で抵抗がある場合は先に一章から一読お願いします。
『サムルド(旧アーコイド)関係者一覧』
『カータ・ルメシス』
十九歳の男性で容姿は黒髪短髪、二重の黒瞳が特徴で比較的細身、両腕の筋肉が発達している。
幼少期に母親を亡くし、父親の『ハーリン』一人に育てられるが、『狼型』の魔獣討伐依頼以降姿を消したため、その後はハーリンの親友である『マーニー・レーシュ』が親代わりとなる。
性格は目標をすぐにでも解決しようとする節があるせっかち屋で、その影響からか失敗することがとしばしば。
『キャシー・ルンド』との一件により、女性に対して不信感を持っており、特に胸が大きい女性が苦手になっている。
行方不明の父親を捜すために魔装士を目指し、無事にその目標を遂げると、魔装士団を立ち上げる。
特例により昇格指定課題をクリアしたため、現在の魔装士級は『九級』である。
得意な武器種は拳銃で、主に中距離を維持する戦闘スタイルだが、父親直伝の罠使用術も使用する。
所持魔装は拳銃型魔装の『サイフォス』
蒼黒色の拳銃で、装弾数八、『視力強化』の恩恵を付与するのが特徴、恩恵発動中は所持者の両目が蒼黒に変色する。
サイフォスは一発の威力と加速力が強みではあるが、反動とブレが激しいため、その分使い手が銃に慣れていないと扱うのが困難である。
魔技は『仮死の銃弾』
凄まじい音響と衝撃波を広範囲に炸裂させる魔素の凝縮体を撃ち出す、非殺傷の技。
『ハーリン・ルメシス』
四十八歳の男性で平均的な体型に金髪と黒瞳が特徴。
息子が思春期に入る前に最愛の妻を失ったが、持ち前の明るさでその悲しみを克服する。
仕事の多忙さからか、息子との接する時間が少なく、家に滞在するよりも平野や洞窟にいることが多い。
サムルドでは珍しい『二級』の魔装士級を取得しており、最終依頼歴は大型魔物と中型魔獣を単独で撃破と記録されている。
性格は楽観的で適当、何かと無茶をすることが多いせいか、大怪我をすることも珍しくはなかった。
得意な武器種は拳銃、片手剣であるが、二つの同武器種を扱う、二刀流と二挺拳銃も得意とし、ガンナーとしては珍しい近距離戦闘もこなす魔装士である。
所持魔装は二挺拳銃型の『ゼト』
二つの拳銃は漆黒であり、装弾数はそれぞれ十発である。
恩恵や異能は無いが、一発の銃弾の威力がとても高く、二つの拳銃による連続射撃が強み。
魔技は現在のところ不明であり、ハーリン自身が使用したのを見た者はいない。
魔装士級が二級であるにも関わらず、最高ランクの一級の『狼型』魔獣討伐依頼を特例で受けた以降、姿を消しており、事実上の『死亡扱い』になっている。
『マーニー・レーシュ』
四十八歳の男性で、少し荒い黒髪を馬の尾のようにしてあり、体つきは良くないが、背の丈は平均男性以上、眠たげな黄色いつり目が特徴。
魔装士機関開発部に所属する技術者であり、ハーリン・ルメシスの親友でもある。
魔装を実用化させた研究者だが、捻くれた性格のせいか、未だに独り身。
ハーリンの友人ということもあって、父親が不在気味のカータ・ルメシスの父親代わりを務めている。
ある依頼で仲間を失ってから、朱色の短剣型魔装『キルゴ』を解放出来ずにいるため、現在は魔装士の級を返却、後方支援に徹している。
『ポーラ・ネシート』
十八歳の女性であり、肩近くまで伸ばしている純白の白髪と二重の黒瞳、童顔気味な顔立ち、平均的な女性よりも鍛えているせいか、両腕と両足が細くもしっかりとしているのが特徴。
性格は物事を慎重に進めたがるせいか、時々思いつめることがある。
基本的に誰に対しても敬語を使うが、年下と父親には砕けた口調になることが多い。
幼少期から魔装士としての訓練及び戦闘技術を何よりも優先的に学んできたために、やや他人との交流にぎこちなさがある。
ここ半年は原因不明の不調で魔装を解放出来ずにいたが、カータ・ルメシスとの一戦で勘を取り戻すことに成功、現在は以前以上の戦闘が可能になっている。
現在はカータ・ルメシスの魔装士団に所属しており、魔装士級は九級である。
得意な武器種は狙撃銃だが、近中遠距離の全ての戦闘距離に対応できるため、必要ならば多種多様な武器を扱うことが出来る。
所持魔装は狙撃銃型の『スポウダム』
銀色の銃身である細身なスポウダムは銃声が小さく、装弾数は五発と少ないが、殺傷力と射出スピードががとても高い。
『聴覚強化』の恩恵を付与するスポウダムは恩恵発動中に、所持者の両耳に銀色のピアスに似たホログラムを装着させる。
魔技は『静寂なる衣』
自身の身体に二秒間あらゆる対象から捕捉されないローブをまとう特殊な技。
『ブロン・ネシート』
四十六歳で、短髪白髪の筋肉を身体中にまとい、黒瞳がギラリと光るのが特徴の男性。
サムルドの魔装士機関最高責任者であると同時に、過去にはサムルドの特別精鋭隊の団長を務めていたこともあり、副団長はマーニー・レーシュであった。
魔装士制度とランク付けをアーコイド18世に提唱した人物であるために、崇められている節があるが、本人は『一級』魔装士として未だに現役活躍中である。
娘である『ポーラ・ネシート』に幼き頃から戦闘・魔装士としての訓練を勧め、魔装士になるよう助言をしてきたせいか、ポーラのコミュニケーション能力に支障を与えてしまったのではないかと負い目を感じている。
得意な武器種は長槍、重槍であるが、基本的な近接武器ならば、そつなく扱える。
一部の時点では魔装・恩恵・異能・魔技は不明。
『リリン・クメイラ』
サムルドの魔装士機関に専属勤務している二十四歳の金髪長髪の女性で、一重まぶたと平均女性よりも一回り大きい胸が特徴。
性格はおおらかで真面目だが、少し親密な間柄になると、急にどこか抜けたような態度になる。
基本的には機関の受付業務に勤しんでいるが、魔獣・魔物の素材管理や周辺地域の情報集をこなすこともあり、機関関係者からは敏腕であると認識されているが、酒を飲むと性格が豹変してしまう欠点がある。
『キャシー・ルンド』
サムルド魔装士機関の魔装士学院に通学していた女生徒であり、青髪長髪、青色の瞳で二重、胸も大きく、端正な顔立ちをしているのが特徴。
周囲には大人しく、真面目な性格をしていることで突き通しているが、本来の顔は大きな胸と話術を使い、同学年の男性から金を巻き上げるといった性格をしている。
過去にカータ・ルメシスの恋人の振りをして騙したが、報復としてかなりの重傷を負い、ハーリンからの復讐に恐れたため、現在は姿をくらましている。
『ジークドリア関係者一覧』
『オリプス・ナケイル』
ジークドリア魔装士機関に席を置いている二十四歳の男性で、栗色の短髪、赤い瞳で一重、半袖ジーパンの服装が特徴。
全魔装士の中で唯一、最短日数で『四級』まで上り詰めた凄腕の魔装士であり、基本的にはチームに所属せずに、気ままに単独で過ごしている。
以前までは真っ直ぐで情にもろい性格であったが、とある理由で現在は無気力気味である。
個人的な理由と職務の都合上ジークドリアに席を置いているが、国内の不安定な事情にうんざりしてきているため、転属を考え中。
得意な武器種は長剣、薙刀で中距離以上の範囲を取る武器は使用できないが、その分、近距離戦闘に特化している。
所持魔装は薙刀型の『シベラ』
持ち手から刃先にかけて綺麗な緑色のグラデーションがあるシベラは、基本的な薙刀よりも重量があり、小回りが効かないが、その分切れ味がとても高く、切断能力がずば抜けている。
一部の時点では恩恵・異能・魔技に関して不明。
『ハイント・コフマ』
ジークドリアの魔装士機関最高責任者の男性で、五十歳であるにも関わらず前線に出ており、白髪混じりの黒髪、一重で空色の瞳、全身の有り余るほどの筋肉が特徴。
争いや戦闘を好み、ジークドリアの基本方針をジークドリア王に提示し、見事に受諾させた人物であるが、最近になってそのやり方が否定されてきている。
魔装士機関の決め事も基本的にはハイントが決めており、強い者こそ級を上げやすいというようにしている。
ハイント自身はブロンと同じく『一級』魔装士であり、外の仕事に従事しているが、年齢のせいもあり、現役時代よりは戦闘能力が落ちている。
サムルドとあまり交友関係が上手くいってないのは、互いの最高責任者の性格が合わないことが挙げられている。
一部の時点では魔装・恩恵・異能・魔技は不明。
『リルバ・エイス』
サムルドとジークドリア間の魔装車ドライバーをしている三十六歳の男性で、薄青色の刈り上げ、薄青色の一重が特徴。
平野を移動することが多いせいか基本的には作業着でいることが多く、性格も人当たりが良い。
基本的にはジークドリアに定住をしているが、依頼があればサムルドまですぐに飛んでくることもままあるせいか、ブロンからの信頼も厚い。
『イジヌ関係者一覧』
『ビビグア・二メア』
イジヌで正式に魔装士になった二十二歳の男性で、髪色はグレー、瞳は二重でグレー色、体型は両腕・両足が発達しているのが特徴。
性格はやや好戦的だが、基本的には真面目で、命令には忠実である。
魔装を取得してからよく分からない『勘のようなもの』に悩まされており、その原因を探るために色々な大陸に訪れるという目標があった。
得意な武器種は片手剣だが、基本的な近接武器は扱える。
過去にイジヌの山道で『ギュラム・モノニ―』に魔装士団員を殺害され、命乞いをした後に連れ去られたため、現在は消息不明。
所持魔装は片手剣型の『?』
一部の時点では恩恵・異能・魔技は不明。
『ギュラム・モノニ―』
魔装士の中でトップクラスのブロンとハイントを超えるとまで噂されている、金髪、黒いサングラスと黒いライダージャケットが特徴の四十代ほどの男性。
名義上はイジヌ出身ではあるが、『要注意人物』されているため、行方知らずになっている。
強い魔装士をひたすら狩り続けるという信念から行動をしており、基本的には無口だが、戦闘に関する事柄になると人が変わったように人格が変化する。
成長がある、もしくは有用な人材は戦闘後に生かすが、それらに該当しない魔装士は全て殺害することから『魔装士狩り』という異名がある。
得意な武器種は大剣のみで、それ以外は拳を使って戦闘を行い、飛び道具や罠といったものは使用したがらない。
所持魔装は全身鎧型の『?』
真っ黒な全身を包むこの魔装は、頑強さと軽さの両立をしていて、あらゆる攻撃から所持者を保護する。
今までにこの鎧に傷を付けたとされる人物はハーリン・ブロンとされていて、最近ではカータが最後である。
魔技は『常闇による消失』
自身を中心に極大のドーム状の漆黒膜を展開させ、中にいる対象の魔素を強制放出させる異端技。
一部の時点では恩恵・異能に関して不明。
『メメラン・テレー』
ギュラムに想いを寄せる三十歳の女性で、金髪長髪、一重で金色の瞳、目の下には烏の入れ墨、踊り子が着ていそうな大胆過ぎる衣装、平均的な女性体型に大きな胸が特徴。
ギュラムと同様イジヌ出身だが、常に行動を共にしており、ギュラムの思考や行動に崇拝している節がある。
ギュラムを想うあまりか、自信を極限まで強化し、体術と話術に隠密行動を主としたものが危険視されている。
得意な武器種は無いが、異能と隠し武器を併用したトリッキーな戦いを好み、基本的には相手を下に見て戦闘を行う。
所持魔装はネックレス型の『ミネア』
桃色のネックレスであるミネア単体では何の武器にはならないが、その付与されている異能を使うことで、自身の戦闘の幅を広げることが可能になる。
『単語具現化』という異能を付与するミネアは異能を使用する際に指先から言った言葉をそのまま現象化させることが可能だが、文章や曖昧な単語では失敗し、干渉させる事柄が大きいと魔素の量が増大する。
魔技は『愚かな旋律』
美しい音色を奏で、聞いた対象の注意を強制的にミネアへ曲げさせると共に、音色がある間は対象が離れなくなるようにさせるヘイト稼ぎの技。
『コニ関係者一覧』
『ジナ・ズメ』
コニの魔装士機関最高責任者である妙齢に見える四十二歳の女性で、ショートカットをした薄緑色の髪、二重で瞳の色が薄茶、胸はとても控え目、上下の服装が常にグレーのパジャマが特徴。
自由国というコニのせいか、とても穏やかでマイペースな性格であるが、戦闘指導術・戦闘要員育成術に長けており、サムルドに提供している。
その風貌からか全魔装士機関の最高責任者の中で一人だけ浮いているようなジナだが、その手腕はアーコイド18世が認めており、サムルドでは特別接待をしようとするも全て拒否されている。
一部の時点では魔装・恩恵・異能・魔技は不明。
次回から第二部一章に入ります