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電子人形は笑わない。  作者: 達 悠遊
序章
1/2

プロローグ

【プロローグ】


辺りが炎の嵐に包まれる中で、俺は辛うじて息をしていた。

膝から崩れ落ちたあと、一体どれだけの時間伸びていたのだろう。仲間の手を借りてようやく立ち上がる。


標的(ターゲット)はここにいる』


その事実だけが、俺の残り少ない気力と活力を奮い上がらせる。

標的の名を叫び、血眼になりながらただひたすら施設の中を駆け抜ける。

次の瞬間、廊下一杯に張り巡らされたガス管に亀裂が入り、黒の煙を吐き出しながら爆発していく。

耳を劈く轟音、目を刺すような煙が蔓延する中、導かれるようにある一つのドアの元へと辿り着く。

そのドアを開けるのに躊躇などなかった。アイツはここにいる。確信まで至らずとも、直感でそう感じ取れた。


冷え込んだ外気が、そこを外だと気づかせるのにそう時間はかからなかった。強風が空から舞う白の結晶の着地をせかす。

俺の目の前には、黒のゴシックドレスを身に纏った少女がひとり。この場にはそぐわないドレスを翻し、彼女はくすりと微笑む。


『何故、このような事をしてまでこの娘を助ける』


俺はドレスの少女の足元にぐったりと倒れ込む少女を見やって、言葉を紡ぐ。


『そこに、俺の半身がいるからだ』


彼女は高らかに笑う。可笑しくて仕方が無いようだ。何せ俺の体は何一つ機能など失っていない。

向けた剣先に自分の姿が映るや否や、彼女は転がっていた鉄パイプを手に取る。

俺が走り出したその瞬間、彼女も遅れを取りながらも動き始める。


────キーーンッ。


甲高い金属音が響いた直後、その衝撃に耐えられず足場にはひびが入る。

バックステップで華麗に間を取ると、彼女は使い物にならなくなった鉄パイプを投げ捨て、口を開く。


『研究材料を失うのは惜しいことだ。だか、いい収穫でもあった。二度目はないぞ、少年よ。貴様の半身は常に手中に納めておきたい。次に会うときは立派な資料として、私の手元に…』

その顔は、悔しさとは裏腹にうすら笑みを浮かべていた。

彼女が身を翻すと同時に、熱風が俺を包み込む。


このままではいけない。

強くならなくては。前に進まなければ。


剣先が空を薙ぎ、割れた煙の間からは雪が舞い込む。



───これが彼、氷那寺冬織の物語りの始まりだった。

初めまして、達 悠遊と申します。

この作品が初投稿、初連載となります。

ざっと大まかなストーリーとしては高校生時代の頃から推敲しており、文字に起こすに至りました。

間違った言葉の使い方などあれば、逐一報告してくださるとありがたいです。

また拙い文章表現に関しては…スルーで(笑)


この作品を基盤として、沢山の人に読んでいって頂けたらと思います。精一杯悩んで悩んで、文字に起こして行こうと思います。


連載スピードは比較的遅いので、気長に待ってて下さい。


それではまた。のしのし。

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