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僕らの時間は指輪と廻る  作者: 高山 和義
第3章 「時間軸」 ~豊嶋義男の場合~
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その1

お久しぶりです。

学校も始まり、なかなか書く時間が取れなくなってきましたが、ぼちぼち更新は続けていきますのでどうぞお付き合いください。

早起きは苦手ではない。

が、朝は苦手だ。

毎朝七時に起きるわけだが、決まって体がすごく重い。

油断したら起き上がったその体勢で再び寝そうなほどに重い。

これで学校が遠くて、毎朝六時起きとかだったら今頃自分はどうなっているのだろうかとぞっとする。

寝起きが悪いのは家族も承知済みで、一応アラームはかけているものの毎朝母親か妹が起こしにくる。

「よし兄起きてるか~い?」

若干あくび交じりではあるものの、妹が声をかけてきた。

「いまいくよ……」

重い体をベッドから引き剥がして、リビングに向かう。

ウチの朝食は、いかにも日本らしいごはんに味噌汁に主菜といったメニューだ。ちなみに今日の主菜は鮭の粕漬だ。

かなり用意は面倒だろうが、母親からしてみれば実家での習慣をいまさら変えるのも面倒くさいとのことなので、気にしないようにしている。

味噌汁を啜っているうちに、だんだんと目が覚めてくる。細い視界もだんだんと広がってくる。

とりあえず学校に行こうと思えるくらい目が覚める頃に、朝食も食べ終わった。いつも遅刻なして学校に行けているのはこの朝食のおかげ……は言い過ぎではあるが、いくぶんかは助けられている。

そういや今日は何日だったけか、と時計を見る。

大きめの四角いデジタル時計に表示されていた日付は九月二八日金曜日。

明日は午前授業だし、今日一日頑張れば後は楽だ。よし、頑張れ俺。

激しい寝癖を直しつつ歯を磨き、とりあえず人前に出れるような状態にしてから制服に着替える。

通学は電車。幼馴染の磐田も電車通学のはずだが、いかんせん俺はいつもぎりぎりに登校するので、登校中に会ったためしがない。

教科書はほとんど学校に置きっぱなしだ。毎回あれを持ち運びなぞできるものか。

複数教科をまとめてあるバインダーが鞄に入っていることを確認して、時計を見る。

「―やべっ」

思ったより時間がかかっていた。

流石に焦らなければ本格的にまずい、小走りで家を出た。

遅刻ギリギリの各駅に駆け込み気味に乗れて、とりあえず一安心したのもつかの間、視界に星屑のようなものが見え始めて、慌てて空いてる席に座る。

「……」

ふらつくような感覚もあったが、すぐに収まった。

息はまだ上がったままだ。朝ダッシュはやはりキツい。

でも早起きするよりはよっぽどマシだ、なんて張る必要もない意地を張っている。

学校の最寄り駅までは近い。息が落ち着く頃にはもう最寄り駅についていた。

目は覚めきったものの、体は相変わらず重い。おまけにさっきのダッシュで気怠さはピークに達していた。

だが、あまり遅く歩いているとさっきのダッシュの意味がなくなってしまう。

なんとかペースを保ち、ホームルームが始まる前に教室に到着。

「はぁ~。遅刻回避……」

「お疲れさん」

隣の友人が呆れ気味に言った。

「いつもギリギリとはいえ、今日は久々にガチで焦ったわぁ」

当然といえば当然であるが、教科書をロッカーに取りに行く前に担任が教室に入ってきた。

一気に今日の授業分を取り出しに行くのは厳しいかな……。一限の教師はすぐ入ってくるし……。

とはいえ、金曜の一限は現代文。教師は正直ユルいので、授業が始まったスキに取りに行こうか。


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