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プロローグ
大切なもの、って何だろう?
宝石?
写真?
手紙?
いろいろあるだろう。
人の数だけ、とまではいかないだろうけれど。
たとえば、その大切なものが
記憶
だったら?
大切な人と、仲間たちともに過ごした時間。
それこそが大切なものだとしたら?
僕は、私は、俺は
それをずっと憶えていられるだろうか?
時は流れる、新しい仲間もできる、恋もする。
周りの環境もめまぐるしく変わっていく。
そして大切な記憶も、それらに流されて徐々に形をなくしていく。
僕も、私も、俺も
その例外ではなかった。
徐々にあの頃の記憶は薄れ、もう思い出すこともなくなっていた。
でも、僕らはちゃんと今、ここにいる。
過去の記憶が薄れても、また作っていけばいい。
ただ、大切な「記憶」には、欠けているピースがあったこともさえも、忘れてしまっていたなんて。




