腹痛
昨夜、突然の腹痛で撃沈しておりました……
不意打ちを付かれることなんて多々ある
驚くほどのことでもないさ
でも見えない夜間の痛みは対処に困る
エコーやレントゲンやCTスキャン
僕の家にはないし使えない
気休めの薬飲んだって逆流するよ
悪い奴らが攻撃を仕掛けてくる
僕のヒーローはスクリーンの中
飛び出してはくれなかった
炎症がじわじわ広がってゆく
どんな態勢で挑めばいいのか
冷たい汗が雨みたいに流れる
唸ったって攻撃は止まない
ーあの日救急車の中で
僕を救ってくれたのは
救急隊の女の人
「大丈夫」
そのひとことが嬉しくて
こんなに痛いけど
こんなに優しくて
ものすごく苦しいけど
ものすごくあったかくて
「大丈夫」
そのひとことが嬉しくて
それは仕事だよね 君は他人だよね
それなのに
僕の中に沁み込んだー
本当に辛い時
一人ではもう解決出来ない時
限界だと知った時
助けを求めるしかなくて
本当に救ってくれたのは
神ではない仏ではない
紛れもなく人だった
人はとても優れている
悪魔にもなるし天使にもなる
人は容易くて 難しい
そんなことを考えていたら
いつの間にか眠りにおちた
目が覚めたら敵は撤退していた
雑魚だったのだろう
そういえば
僕も人だったよな……




