梨
歌詞? 物語?
梨のアイスキャンディーを食べたら
薄っすら香ってきたあの日……
わたしは梨の皮を剥いていた
あなたが梨なら食べられる
そう言ったから
あなたは昔ケンカしてボコボコにされ
歯もボロボロで前歯しかなくて
肋骨も異様な形につながっていた
あなたの口から語られた凄まじい過去
わたしが知らないあなた
林檎は固いけど梨なら大丈夫って
美味しそうに頬張っていた
梨の果汁がほとばしる
過去は過去
どうしたって戻れない
今が大事だって
でもそこから始まるストーリーも
結局ボキボキの過去になった
全部あなたが悪いと思っていた
わたしは悪くない
余りにも無知だった
言われるがままに
違うって気付きながら
逆らう風を追いやった
バカバカバカバカバカ
あなたといる時
わたしは詩を書けばよかった
あなたの横顔をもっと
ずっと見つめながら
わたしは詩を書けばよかった
何でゲームばかりしてたんだろう
溺れていたんだ
見えない海に
あなたといる時
わたしは小説を書けばよかった
あなたの語った武勇伝もっと
ずっと聞き込んで
わたしは小説を書けばよかった
なんでよそ見ばかりしてたんだろう
愛されているんだ
いつも信じていた
梨のアイスキャンディーは
いつまでもわたしを冷やし続けて
胸の奥がじんじんしてる
過去のストーリーなんて
都合のいいようにいくらだって書き変えられる
わたしたち大きな勘違いしてたんだ
今 あなたに会えたとしても
愛されたいとも愛したいとも
きっと思わない
でも梨の季節が来て
もし あなたに会えたとしたら
やっぱりわたしは梨の皮を剥くと思う
書きながら思ったのですが、たぶんTwitterの診断メーカーに言われた「愛してくれたから自分も愛してると思いこんでたよマジで」がどこかにきっと引っかかり出来たような感じです。




