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いかふらい2
物語風。
「ボクが考えるところ、ボクはむかし人間であって、きっと誰かを愛し、誰かに愛され、苦楽を共にしながら生きて、天寿を全うしたのだと思う」
「それなのに、生まれ変わったら…… ボクはイカだった。何となくがっかりはしたけれど、ボクはイカなりに生きてきた。そして、捕らえられ…… 天寿を全うした」
ー以上、イカの呟きー
レンジに入れたイカフライが爆発するのは知っている
イカフライだけじゃない
イカ天だって同じだ
いや むしろ僕はカキフライが食べたい
では なぜ イカフライなのか
きっとそれはまわっているからだ
僕が一歩も動かなくても
地球はまわる
だからイカフライが来た
カキフライが欲しいなら
僕が動けばいい
そんな単純な話なんだ
でも地球にまわされドンブラコの方が楽チンだと思う僕は
レンジの中で回転するイカフライを見つめながら呟いた
「イカフライばんざい」
BANG!!!!




