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妹
作者病んでいます。すみません。
シベリアンハスキーのぬいぐるみは
確かにいつもあの椅子に座っていた
でも僕が望んだわけじゃない
いつの間にか君がいた
可愛いなんて思わなかったよ
花が欲しいというなら薔薇にしよう
色はいらない
たくさんあればいい
たくさん塗ればいい
僕はあの子をばらばらにさせない
そう 仰せつかったのだ
ああ 経験値が高いけれど
負けてあげなくてはいけない
サッカーが好きだったわけじゃない
走ることが好きだった
だからやめていいんだ
でも裏切られるのは嫌だ
あの人はいなくなった
ゴールは見つからない
僕はあの人の変わりにはなれない
僕はときどき心をつぶした
でも失くしたことはない
何度だって再生できた
おかげで僕はこの国で
一番裕福になった
決められた道だけどキメるのは僕
極めるのも僕
シベリアンハスキーのぬいぐるみはもういない
薔薇は赤いほうがいい
あの子は走ってる
ゴールは見つからない
ただあの人はいる




