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無気力なくらげ
本質的にそうだから
変えることなんてしない
みずの流れが急かしたって
いつからか彷徨う
頑なに閉ざしてあげる
不器用なやわらかさは
気持ち悪い嘘なんでしょう
だから痛みを刺してあげる
やさしさは底
透明は永遠の不透明
かなしみを売りにする
フラフラだけが夢の電飾
否定形しか浮かばないの
罪をあたためれば気化するって
信じながら忘れてゆくかしら
ふらつきを愛していたい
聞こえる波は渦巻きの声
泡の華が氷に咲いてる
つめたく浸食して核を掠める
ただ月を眺めていたい
見えない骨が編みこまれる
絡みあう音を波だけが消してる
海鳥はうたわないから
漂うだけで 漂うだけで
誰が沈めてくれますか




