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バニラ
突然、ふと思ったこと。
今 私はこの文字を溶かしてみたいと思った
増やすのではなく
消していきたい
そんなこと
出来ないけれど
ゆめ
いつか
温度をうんと下げて
冷たく
でも嫌な冷たさではなく
そう まるで
バニラアイスクリームのように
冷たいのに緩ませるチカラ
まったりして
懐かしくて
香り高くて
儚くて リアル
雪が舞うように
プリムラが咲き誇るように
雲が流れるように
シロクマが欠伸するように
白紙の頁に文字を溶かしてく
なみだのように
笑顔のように
バニラの香りだけそっと残して
溶かしてみたい
いつか
ゆめ




