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月と翼の夜  作者: 由宇
9/17

9.


「ハールトっ!」

「ウザい。」


夜中、ビルの屋上の手すりに座っていた俺に耀がくっついてきた。


「何で俺につきまとうんだよ。」

「いやー、他に居らんねん、遊び相手。」

「コウアは?」

「コウちゃんは怖い。」

「コウちゃんって何だ。」

「コウアやからコウちゃんやw」

「バカじゃねぇの。」


俺はそのまま翼をひろげて空に舞い上がった。


「なー、ハルト。」

「ついてくんな。」


耀も俺の後ろから着いてきた。


「なー、お前最近冷たいでー?」

「そんなことない。」

「あいつんとこ行かへんの?」

「……。」

「あ、とうとう振られたんか。」

「うるさい!!」


思わず耀にあたってしまった。

かっこわるい八つ当たり。


「…悪い。」

「別にええけども。やっぱり悪魔らしくないわ、お前。」

「らしくなくたって、これが俺なんだ。」


所詮、人間とは、一緒になんかやっていかれない。

一人ぼっちの、怪物だ。

そう、自分に言い聞かせた。


「思ってたより、好きみたいだ。」


空には月が白く輝き、星も光る。



「そういえばな。」

「まだ何かあるのか?」

「あの、可愛い子。紗弥とか言うたっけ?」

「…そうだ。」

「コウちゃん、そいつのとこ行ったわ。」


頭の中が真っ白になった。


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