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9.
「ハールトっ!」
「ウザい。」
夜中、ビルの屋上の手すりに座っていた俺に耀がくっついてきた。
「何で俺につきまとうんだよ。」
「いやー、他に居らんねん、遊び相手。」
「コウアは?」
「コウちゃんは怖い。」
「コウちゃんって何だ。」
「コウアやからコウちゃんやw」
「バカじゃねぇの。」
俺はそのまま翼をひろげて空に舞い上がった。
「なー、ハルト。」
「ついてくんな。」
耀も俺の後ろから着いてきた。
「なー、お前最近冷たいでー?」
「そんなことない。」
「あいつんとこ行かへんの?」
「……。」
「あ、とうとう振られたんか。」
「うるさい!!」
思わず耀にあたってしまった。
かっこわるい八つ当たり。
「…悪い。」
「別にええけども。やっぱり悪魔らしくないわ、お前。」
「らしくなくたって、これが俺なんだ。」
所詮、人間とは、一緒になんかやっていかれない。
一人ぼっちの、怪物だ。
そう、自分に言い聞かせた。
「思ってたより、好きみたいだ。」
空には月が白く輝き、星も光る。
「そういえばな。」
「まだ何かあるのか?」
「あの、可愛い子。紗弥とか言うたっけ?」
「…そうだ。」
「コウちゃん、そいつのとこ行ったわ。」
頭の中が真っ白になった。




