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月と翼の夜  作者: 由宇
2/17

2.

「あー、疲れたぁ…。」


飲み会のあと、すこし飲みすぎて火照った体を覚ますため、寒空の下を歩いて帰った。


「何で皆あんなに飲むんだろうなぁ…。」


ブラブラと家路を急ぐ。

酔いも覚めるような、身を切るような寒さに震えていた。


「ん?」


暗がりの中に何か動くようなものが見えた。


“ガサッ!”


「うわわわっ!!」

「…ミャー。」


茂みから出てきたのはただの黒猫。


「な、何だ、びっくりさせないでよ」


タッ、とあっという間に塀を越えて逃げてしまった猫。

走り去る瞬間、何故だか笑っているように見えた。


「……気味悪っ。はやく帰ろ。」


そうして先を急いだときだった。


“ドゴーン!!!”


私の居るすぐ傍に空から何かが降ってきた。


「え!?隕石!!?何!!??」


おそるおそる近づいてみた。


「えぇぇ――――っ!!!???」


空から降ってきたのは、1人の男だった。


***


まずいまずい。ちょっと冷静にならないと。

さすがにこんなことあるはずがない。

夢だ、夢。ものすごい悪夢なんだ。


「いたたたっ!!」


自分でほっぺたをつねってみればきちんと実感する痛み。


「夢じゃないんだー…。」


なんだか絶望的な気分に陥った。

どーしろと言うんだ、この状況を。


「と、とりあえず病院…?救急車…?」


でも、見た感じ全く怪我をしている様子はない。

どう考えてもめちゃめちゃ高いところから降ってきたのに。


「……こんなんありぃ!!?」


この場に放置していくこともできない。

周りには私以外人はいないし、誰も来る様子もない。

神様がほんとにいるのなら、私はあなたを恨みます。


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