表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
光と影、二つの魂  作者: そら
第2章 「それぞれの戦場」
26/26

第五話 アルス編 廊下の刃——ライトを狙った男

それは、夜明け前の廊下で起きた。


アルスが執務室から書庫に向かう途中——ライトが書類を抱えて角を曲がった瞬間影が動いた。


黒衣の男。

刃。

ライトへ。


アルスの体が動いたのは考えるより先だった。


一歩。


右手で刃を止めた。

素手で。


刃は止まった。

男の腕がアルスの手に掴まれていた。


ライトが書類を落とした。

顔が青い。


男は一瞬だけ抵抗しようとして——アルスの目を見て止まった。

穏やかな目だった。

しかしその目の奥に、この男を怒らせてはいけないと本能が告げるものがあった。


「……誰に頼まれた」


アルスは静かに聞いた。


男は答えなかった。

代わりに懐に手を伸ばした。

毒入りの小瓶——七賢院の暗殺者が最後の手段として持ち歩くものだ。


アルスはそれを止めなかった。


間に合わなかったのではない。

止める必要がないと判断した。


男は倒れた。

アルスはしゃがんで男の外套を確認した。

縫い込まれた刻印——影糸の印だ。


「アルス様……右手は」


ライトが震える声で言った。


アルスは右手を見た。

刃が触れた跡がある。

しかし大したことはない。


「問題ない」


回復魔法をかけながら言った。

痕が消える。

ライトはその様子をじっと見ていた。


「……アルス様」


「何だ」


「今の……速度は」


ライトは言いかけて、止まった。

アルスは立ち上がり廊下の先を見た。

誰かが見ていたような気がした。

振り返っても誰もいない。


「シルヴィアを呼んでくれ。この件の処理が必要だ」


「……はい」


ライトは頷いた。

しかしその目に何かが残っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ