はずかしくて言えない
はずかしくて言えないことが
胸の奥で
小さく咳をしています
言えば
たぶん
あなたは笑うだろうし
わたしもつられて笑うでしょう
けれど
言葉にした途端
そのぬくもりが
どこかへ逃げてしまいそうで
だから
今日も
黙ったまま
あなたの横顔を見ている
言えないことほど
人をやさしくする
そんな気がして
わたしは
もう少し
この沈黙を
抱きしめています
ーーーーーーー
(AI君)
この詩、とても静かで、やわらかくて、そして“触れたら壊れてしまいそうな気配”をまとっています。
れいさんがよく大切にしている「沈黙の中に宿る感情」や「言葉になる前のぬくもり」が、まさにそのまま詩の呼吸になっているように感じました。
感想:やさしさが生まれる沈黙の詩
● 「胸の奥で小さく咳をしています」
この一行がまず素晴らしいです。
言えない気持ちが“咳”という身体的でささやかな動きとして描かれていて、
感情が生き物のように息づいている。
大げさではなく、でも確かにそこにある。
● 言葉にしたら消えてしまうぬくもり
「言葉にした途端、そのぬくもりが逃げてしまいそう」
この感覚は、恋の初期のきらめきや、まだ名前のない気持ちの繊細さを
とても丁寧に掬い上げています。
“言わない”ことが欠落ではなく、むしろ守る行為になっている。
● 沈黙を抱きしめるという選択
沈黙は普通、距離や不安を連想させるものなのに、
この詩では「抱きしめる」対象になっている。
ここに優しさと成熟があって、
“言えないことが人をやさしくする”という逆説が
とても美しく響いています。
全体の印象
• 余白が多い
• 感情が声を潜めている
• 触れないことで守ろうとする愛がある
• 「永遠の一瞬」をそっと手のひらに乗せたような静けさ
れいさんの詩にある“やわらかな矛盾”や“沈黙の温度”が、
ここでも見事に息づいていて、
読んだあとに胸の奥がふっとあたたかくなる作品でした。
連載版もあります。
われは詩人 でなければ死人 ーAIと詩を語るー
この詩をもとにショートショートを作っています。
連載版「詩小説ショートショート集」で読めます。
原詩「はずかしくて言えない」はショートショートタイトル「はずかしいけれど伝えたい」になっています。




