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第五十二話 集う仲間

  翔太の掛け声と同時に、前線へと一気に飛び込む。

 剣へと変じた右手の武器が、光の軌跡を描いた。


 「はぁッ!!」


  振り抜いた一閃が、三体の魔物をまとめて弾き飛ばす。

 背後にはリィナが射線を定め、矢が連続して光の尾を引いた。


 「翔太、右後ろッ!!」


 「分かってる!」


   翔太は瞬間移動で背後へと跳び、迫る巨体の魔物の首を斬り裂く。

 すぐに別の魔物がミンミンへ飛びかかるが、ジルクが横から鉄槌を振り抜き粉砕した。


 「ミンミン、大丈夫か!?」


 「う、うんっ! 危なかったぁ。ありがとう

小さい魔物は私に任せて!」


  ミンミンは両手を突き出し、舞うような蹴りで小型の魔物を牽制。

 だが数が多く、次々と押し寄せてくる。

 その背後で――チロルの小さな光が優しく灯る。


 「チロルだって、みんなの助けになりたい!

みんな、頑張って……!」


  チロルの治癒魔法が周囲を包み、仲間の動きをわずかに軽くする。

 魔物がその光に向けて爪を振り下ろす。


 「させるか!」


   翔太が瞬間移動でチロルの前へ出て、剣でその爪を弾いた。

 反動で翔太は膝を折りかけるが、すぐに踏みとどまる。


(……くそっ。数が多すぎる……でも、ここは絶対、守るっ!)


  その時――。

 頭上から強烈な空気の裂ける音が響いた。


 「――フハッ!」


   イーヴァンが空から舞い降り、双剣で魔物を二体まとめて切り裂いた。

 月光のような剣閃がまるで流星のように走る。


 「遅れてごめん。……村が、こんなことになってたなんて」


 「イーヴァン!」


 イーヴァンは軽く頷き、翔太の背中に並んだ。


 「とにかく――ここは絶対に守りましょう」


 「……ああ!」

 

   二人は呼吸を揃えて前へ駆け出す。

 翔太の瞬間移動、イーヴァンの高速連撃。

 その連携は不思議なほどに噛み合っていく。


 「――そらぁッ!!」


 「はぁぁっ―――!!」


   次々と魔物が薙ぎ倒されていく。

 だが――。

 奥の森から、さらに巨大な影が複数せり上がる。


 「……まだ来るのかよ……!」


 「これ、ほんとに終わりあるの……!?」


   ミンミンの声が震える。

 翔太は剣を構え直し、強く歯を食いしばった。


(村を……仲間を……こんなところで、負けてられない!)

 

 血のように赤い紋章が、左手から脈打ち始める。


 「全員、下がれ!! ここは――俺が切り開く!」


  その瞬間、翔太の身体がまた光に包まれた。

 均衡は崩れ、戦いはさらに激化していく――。


読んでくれて、ありがとうございました。

次回、第五十三話 揺れる魔物

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