七夕とは
宇宙を知るほど、伝説はもっと豊かになる。
ベガとアルタイルは訳あって
14.4光年もの遠くに離れ離れ
それでも1年に一度出会えるのは
光速を超えた二人の愛や
七夕は年に一度、二人が会える日
短冊の文字は拙いけど
光より速く心が届く
願いは観測できなくても
星がそれを探しにいった
七夕は年に一度、光速超える日?
地球はベガと25光年 アルタイルと16.7光年
距離を保って一年公転する
そして同じ夜空に瞬く季節がある
僕たちからみた角度が二人を近づける
七夕は年に一度、僕たちの創造の中で
七夕は年に一度、二人を合わせる日
お読みいただきありがとうございます。
以下、詩の脚注です。
注1: 年に一度
地球の公転による見かけの配置に由来します。
織姫星と彦星は、地球から見ると夏の夜空に並んで輝く星です。
実際には約14.4光年離れており、物理的に「会う」ことはありません。
しかし、地球が太陽のまわりを1年かけて公転することで、毎年7月上旬にこの二つの星が夜空に同時に見える位置関係になります。
この「見える配置」が、七夕伝説の「年に一度の逢瀬」の根拠であります。私たちの願いとともに心の中で二人は会っているといえます。
注2:ベガとアルタイル
ベガ(こと座α星)は地球から約25光年離れた、自転速度が非常に速い恒星です。ベガの赤道付近は秒速274kmで回転しており、これは恒星の自壊限界速度の約94%ともいわれています。そのため星は楕円形に近い形状をしており、赤道と極で温度差が生じています。
ベガは地球の黄道面(公転軌道面)から約15度ほど北に位置しており、黄道十二星座の帯には含まれません。それでも七夕の夜には、アルタイル(わし座α星)とともに地球から見て並んで輝く位置関係になります。
注3: 14.4光年
ベガとアルタイルは、地球からはそれぞれ約25光年と約16.7光年離れていますが、三次元的な宇宙空間における二つの星の実際の間隔はおよそ14.4光年とされています。この距離は、七夕の伝説の「遠く離れた二人」の象徴的背景として詩中に用いられています。それは、数値で示せても、想いでしか越えられない距離です。
注4: 距離
どの星も、運動しているので、厳密な距離は、時間とともに変化していますが、いま考えている星の距離のスケールでは無視できます。