↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/325

王国軍、緊急迎撃態勢を敷く③

<ベルスタイン、突如として混乱が始まる>


王都近郊の街、ベルスタイン は、静かな夜を迎えていた。 昼間の喧騒は消え、家々の窓からは暖かな灯りが漏れている。露店もすっかり片付き、人々は各々の家で眠りにつこうとしていた。

そんな静寂を引き裂いたのは、突如響いた轟音だった。

家の中では、一家が静かに夜を過ごしていた。暖炉の火がゆらめき、家主は布団にくるまりながらうとうとしていた。すると突然——

ドンッ!!

壁が大きく揺れ、梁が軋む。家の中の棚が崩れ、陶器が床に砕け散る。

何かが建物に激突するような音が、夜の街を震わせる。衝撃に揺れる家屋、舞い上がる土埃。

「な、なんだ!? 何が起こった!?」

家主が飛び起き、外を見ようとすると、壁に大きな穴が開き、そこには不気味な影が揺れていた。数秒の静寂の後——

「ぎゃああああ!!」

悲鳴が夜の闇を突き破った。

家の中でくつろいでいた住民たちは、慌てて窓を開ける。街灯に照らされた通りの向こう、崩れかけた壁の前で、大きな影が揺らいでいる。

「な、何だ……?」

住民たちは恐る恐る影を見つめた。街の路地に、異様な動きをする影が複数、ふらつきながらさまよっている。

「魔物か……?」

「まさか、魔王軍……?」

影たちは何かを叫んでいる。しかし、その言葉は意味を成さず、くぐもった呻きのように聞こえる。

「おい……こっち、くるぞ!!」

住民が叫ぶや否や、群衆が一気に騒ぎ出した。

「誰か! 騎士団を呼べ!!」 「逃げろ! 街が襲われるぞ!!」 「くそっ、どこから来たんだあいつらは!?」

ベルスタインの市街の警備兵が駆けつける。震える手で剣を抜き、影へと声をかける。

「お、おい! そこにいるのは誰だ!? 動くな!!」

しかし、影たちは返答せず、ふらつきながらなおも進む。その動きはどこか異様で、不気味だった。

「こ、こっち来るな!!」

恐怖が警備兵たちの背筋を凍らせる。次の瞬間——

「魔王軍の襲撃だ!!」

誰かがそう叫んだ。その言葉が伝染するように、ベルスタインの街は一気に混乱へと飲み込まれた。

「鐘を鳴らせ! 緊急警報だ!!」 「王都へ急報! 王都へ急報!!」 「早く!! 奴らが攻め込んでくる!!」

警備兵たちは慌てて街の鐘を叩き鳴らし、王都への伝令を走らせる。

これが王国全土を巻き込む騒乱の始まりとなった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。