支援(?)
「いたたたたたた……」
周りを見渡すと、俺は森の中に突っ込んでいた。景色は悪くない。……ただし、目の前には間抜けな女神がいる。
近い、近すぎる! 童貞の俺にとっては、これはもうキスの距離だぞ。
いや、違う、これはもうキスしてるだろ!? こんなご都合主義の展開、本当にあるのかよ。こんな適当なラノベ、読むやついるのか?
「うぅぅ……せっかく昇進できると思ったのに……これが最後の勇者対応のはずだったのに……」
彼女は本来の姿を現し、ようやく異常事態に気づいたようだ。俺は話題をそらすことにした。
「やったー! 俺、勇者!」
「……あああああ!? さっき何が起こったの!? わ、わ、私の……私の初キスが、こんな奴に奪われるなんて……! 変態! 鬼畜! うああああ!! しかも、私はさっきもう勇者を送り出したのよ!? そっちの女の子が本物の勇者なの! お前なんて、何の価値もないんだからね!!」
バレてしまったか。彼女は必死に服で唇をゴシゴシ拭いている。……こうなったら最後までしらばっくれるしかない。
「おいおい、せめて旦那には優しくしてくれよ。じゃないと、お前も同類になるぞ?」
「ああああああ!! もう思い出させないでぇぇぇ!! なんなのよ、これは!? もう一回この話したら、お前をこの世界から消し去るからな!!」
どうやら責任を追及されることはなさそうだ。こういう時は、地面でジタバタしているポンコツ女神を放置して、さっさと先へ進むのが正解だろう。
「ちょっ、待ってよぉぉ……」
彼女はあんなに嫌そうな顔をしながら、なぜかぴったりと俺にくっついてくる。……意外と怖がりなのか?
「で、ここってどこなんだ?」
「も、森の中……」
俺は彼女を見つめる。彼女も俺を見つめる。
……今、俺はとんでもないミスに気づいた。
「……お前、まさか、ここがどこか分かってないのか?」
「しょ、しょうがないでしょ!? 私、下界のことあんまり詳しくないんだから! とにかく、魔王が好き勝手やってて生態系がメチャクチャなのは知ってるけど……」
「はぁ……ダメだこりゃ。おい、お前飛べるんだから、上から周りの様子を見てこいよ。」
「なんで女神にそんな指図するのよ……」
しかし、俺が見つめると、彼女も俺を見つめ返す。そして、なぜか便秘みたいな苦しそうな顔をし始めた。
「うぅぅぅ……飛べない……全部お前のせいだぁぁぁ!!」
「チッ、使えねぇな。仕方ない、適当に歩くか。お前がいるなら死にはしないだろ。」
「うああああ!! それも無理!! 私、もう復活魔法とか使えないから! 簡単な魔法しかできないの!! 一体私に何したのよぉぉ!!」
「……はぁ、役立たずめ。まあいい、山を登ろう。食い物は……」
俺は近くに赤い実と黒い実を見つけた。……でも、どっちも毒がありそうで怖い。
仕方ない、死なない女神に食わせてみるか。
赤い実を食べた時は何ともなかったが、黒い実を食った瞬間――
「う、うぅぅぅ……お腹痛いぃぃぃ……」
彼女は泣きながら、茂みの向こうで必死になっていた。
どうやら赤い実は大丈夫、黒い実は危険っぽい。
俺は赤い実を一口かじる。……渋い。でもまあ、食えなくはない。
彼女が戻ってくるのを待ち、俺たちは再び歩き始めた。
「鬼畜!! 女神を毒見に使うとか、最低!」
「それができるのはお前だけだ。誇るべきことだぞ。」
「そ、そうなの……?」
俺はだんだん、このポンコツ女神の扱い方が分かってきた。
しばらく進むと、視界が開けた。……というか、崖だった。
そこから見えるのは、中世風の城下町。まさしく異世界って感じだ。だが、そこに行くには、広大な森を突っ切る必要がある。
「さて、まずは作戦を立てよう。お前、その格好じゃダメだな。」
「な、なんでよ!? こんなに可愛いのに!」
「半日以内に貞操を失いたいなら、そのままでいいぞ。」
「え? き、気持ち悪っ! 変態!」
「だから、もっと冒険者っぽい服装が必要だ。」
「うぅ……こう?」
彼女の体が光に包まれ、一瞬で女冒険者の姿になった。……たぶん、光は見せないための演出だろうな。
「便利だな、その機能。」
「と、当然よ!」
貧乳なのに胸を張るな。気づかれた。睨まれた。
「俺は……まあ、問題ないだろ。ボロボロの学生服だけど、泥で汚れてるし。」
だが、日が暮れそうだ。このままでは町までたどり着けない。
「よし、助けを求めるか。歩くの疲れたし。」
「だったら最初からそうすればいいじゃん!!」
「お前、金持ってるか?」
「スルーされた!? しかも発言が不快!」
「まあ、金がなくても、お前みたいに可愛いなら一晩売れば……」
「待った待った待った! お金ある! ちょっとはあるの! それに、私を売るって何!? お前、さっき『俺の女にする』とか言ったくせに、人設ブレてない!?」
「悪い、後悔した。」
「どっちの意味だよ!!」
「とにかく、薪を集めよう。お前は火をつけろ。乾燥させるなよ。」
「はぁ……」
薪を拾いに行く俺。だが、その途中で、不穏な声が聞こえた。
「……町まで送ってやるよ。でもさ、かわいい子だなぁ……どうだ?」
「断る。」
「そんなこと言うなって……」
見てられねぇ。俺は飛び出した。
「おい、お前。」
「え? 誰だお前?」
「ナンパが下手すぎる!」
「「は?」」
目の前の二人が同時に声を上げた。
「ナンパというのはな、男が女を口説くための技術だ! だからこそ、自分だけが満足して相手の気持ちを考えないナンパは最低レベルなんだよ! お前のやってることはまさにそれだ! まったくの最低野郎だ!」
「そ、そんな……まさか俺が……」
「だからこそ、真のナンパとは相手を本当に惹きつける行動であるべきだ! 例えば、おばあちゃんを助けてあげるとか、道案内をするとか、そういうのこそが最高レベルのナンパ術なんだよ!」
「師匠!! 俺を、いや、僕を弟子にしてください!! 自分の間違いを深く理解しました! どうかお許しを、師匠!!」
「よろしい、顔を上げろ。」
男は感動した顔で顔を上げた。その瞳には希望の光が宿っている。
「謝るべき相手は俺じゃない、彼女だろ?」
「す、すみませんでした! こんな失礼なことをしてしまって、本当に申し訳ないです! 師匠の教えを胸に、もう二度とこんなことはしません!」
「え、ええ……まぁ、大丈夫……?」
「では、このちょっと頭の足りないお嬢さんを町まで案内してもらえるかな?」
「はいっ! 喜んで!!」
こうして、俺たちは無事に町へ向かうことになった。
……俺がせっせと集めた薪は、結局一度も使われることはなかった。
隣を歩く女神は、未だに呆然とした顔をしていたが、やがて深いため息をつき、小声で俺に言った。
「……ねえ、あなたが私にしてること、さっきの男と同じじゃない? 勝手にハーレム入り決定とか、私の気持ち完全に無視してるし。」
だが、俺はすぐに彼女を説得し、納得させることに成功した。
町に着く前には、な。
AIGCです
ill.FLUX.1
chatgptの翻訳を使用し、申し訳ないと思っているが、申し訳ないと思うことは何もないようだ......
でも内容はgptを使っていない。
いつかライトノベルを書けるようにgptを指導したい。
ご指導をお願いします。
25/2/13: イラストを追加する