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魔女の素敵な発明品

 むかしむかし人里離れた森の中に、1人の魔女が住んでいました。

 魔女は魔道具を発明するのが大好きでした。


 ある日、魔女は新たに発明した魔道具を持って街へ行きました。

 冒険者ギルドを訪れてギルド長に魔道具を買ってもらうための商談を始めました。


「本日はどのような魔道具をお持ちになったのですか?」


「全部で4つあります。まずはこちらです」


 魔女はアイテムボックスの中から、大きな水晶玉を取り出しました。


「魔女さん、この冒険者ギルドには魔力を測定するための水晶玉はたくさんあります」


「いいえギルド長さん、これはただの魔力を測定するための水晶玉ではありません。どんなに大量の魔力を込めても絶対に割れない魔力を測定するための水晶玉なんです」


「なに!?どんなに大量の魔力を込めても絶対に割れない魔力を測定するための水晶玉だって!?」


 ギルド長はとても驚きました。


「そんなものはいりません!」


「どうしてですか?このどんなに大量の魔力を込めても絶対に割れない魔力を測定するための水晶玉を使えば、ある日突然冒険者登録にやってきた人が魔力を測定するための水晶玉にとてつもなく大量の魔力を込めた場合でも絶対に割れないので測定不能になることはありませんし安全面でもとても優秀です」


「ええい!ダメなものはダメなんです!そんなものを使ったら神の裁きが下ってしまう!」


「そうですか……」


「……はっ!?失礼、取り乱してしまいました。次の魔道具を拝見します」


「わかりました。続いてはこちらです」


 魔女はアイテムボックスの中から、小さな金属製の箱を取り出しました。


「これは冒険者パーティ内でのメンバーの貢献度を客観的にわかりやすく表示する魔道具です」


「なに!?冒険者パーティ内でのメンバーの貢献度を客観的にわかりやすく表示する魔道具だって!?」


 ギルド長はとても驚きました。


「そんなものはいりません!」


「どうしてですか?この冒険者パーティ内でのメンバーの貢献度を客観的にわかりやすく表示する魔道具を使えば、本当は強くて戦闘で大活躍しているのに何故かそのことに気付かれずに役立たずだと言われてパーティを追放されたあとに自分を追放したパーティはどんどん落ちぶれていくという展開や、支援魔法でパーティ全体を強化しているのに何故かそのことを内緒にしているせいで役立たずだと言われてパーティを追放されたあとに自分を追放したパーティはどんどん落ちぶれていくという展開を防ぐことができます」


「ええい!ダメなものはダメなんです!そんなものを使ったら神の裁きが下ってしまう!」


「そうですか……」


「……はっ!?失礼、取り乱してしまいました。次の魔道具を拝見します」


「わかりました。3つ目はこちらです」


 魔女はアイテムボックスの中から、大きな水晶玉を取り出しました。


「魔女さん、どんなに大量の魔力を込めても絶対に割れない魔力を測定するための水晶玉はもう見ました」


「いいえギルド長さん、これはどんなに大量の魔力を込めても絶対に割れない魔力を測定するための水晶玉ではありません。魔力測定結果の桁数が多い場合に自動で表示桁数を増やす機能がついた魔力を測定するための水晶玉です」


「なに!?魔力測定結果の桁数が多い場合に自動で表示桁数を増やす機能がついた魔力を測定するための水晶玉だって!?」


 ギルド長はとても驚きました。


「そんなものはいりません!」


「どうしてですか?この魔力測定結果の桁数が多い場合に自動で表示桁数を増やす機能がついた魔力を測定するための水晶玉を使えば、本当はとても高い魔力を持っている人間が魔力を測定した時に表示できる桁数が2桁までだったせいで1001が01と表示されてしまい貧相な魔力しか持っていないと判断されてしまうようなしょうもない事故を防ぐことができます」


「ええい!ダメなものはダメなんです!そんなものを使ったら神の裁きが下ってしまう!」


「そうですか……」


「……はっ!?失礼、取り乱してしまいました。次の魔道具を拝見します」


「わかりました。最後はこちらです」


 魔女はアイテムボックスの中から、銀色の指輪を取り出しました。


「これはどんな時も冷静でいられる指輪です」


「ほうほう、それは興味深い魔道具ですな」


「ありがとうございます。このどんな時も冷静でいられる指輪を使えば、ある日突然ランクの低い新人冒険者がこの辺りには生息していないドラゴンやワイバーンのような珍しくてとても強い大型モンスターを倒してその素材をたんまりと持ち帰り冒険者ギルド内でこれ見よがしに広げたとしてもギルドの受付嬢が『え!?これをあなた1人で!?』とビックリ仰天して褒め称えることはなくなります」


「そんなものはいりません!」


「どうしてですか?他にもこのどんな時も冷静でいられる指輪を使えば、『やれやれ目立ちたくないんだがな』と言っておきながら大勢の目の前でこの世界の一般常識から逸脱したド派手な魔法を見せびらかした人間が『これくらい普通だよな?』とかいう無自覚ですっとぼけたセリフを口走った場合でも一切取り乱す事なく落ち着いて返事をすることもできます」


「ええい!ダメなものはダメなんです!そんなものを使ったら神の裁きが下ってしまう!」


「そうですか……」


 魔女が発明した魔道具は1つも買ってもらえませんでした。

 おしまい。

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