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3月22日 練習試合(牧海高校戦)

 なんで、あそこで走ったのか?監督に怒られたけど、悔いはなかった。あの後は、すぐ交代となったが、バッティングの感覚も全く悪くなかった。外角低めにきたボールを、キレイに左中間に打てたのは、調子がいい証拠だった。いつも俺のバッティングを近くで見ていた悠太や陵からも昨日のバッティングはよかったと褒めてもらった。まぁ、俺からしたら打てて当たり前なんだけどな。今でこそ、あまり試合に出なくなったから打つ確率も減ってしまったけど、中学の時は、毎試合1本は打っていた。中学時代は、打率398。ホームランは、25本くらいだ。みんなからは、不思議がられるけど、中学時代を知っている悠太からしたら、なんとも思わないそうだ。

 昨日の河西学園に続いて、今日も練習試合が行われていた。相変わらず、俺もベンチスタートだ。昨日のやらかしを見ていると、そりゃあ使いたいと思わないのもわからなくはない。けど、俺を使わなくて、なぜ他の奴を使うのか全然理解できない。俺は、グローブに入ったボールを投げ返した。自信があるといえばYES。やる気があるといえばNO。自分の中にあるのは確固たる想いだった。この想いを胸の中に秘めていても仕方がなかった。俺は、8回表の聖徳高校から始まる様子を見つめていた。今日の練習相手は、牧海高校。試合は、7回終わって、1対1。俺は、陵とキャッチボールをしながら話をしていた。


 陵「ナイスボール」

 俺「ピッチャーいけるかな?」


 完全に俺たちはふざけ出した。


 陵「余裕でいける、次交代やな」

 俺「ハハハハ」


 俺の後ろには、飯田がバットを振っていた。


 陵「面白すぎる」

 俺「もう一回いこうかな」


 また、橘のモノマネを俺をしだした。


 陵「よっしゃー、こい」


 ベンチから少し離れていることもあり、かなりふざけていた。すると、金属音が聞こえてきた。ファールボールが俺たちを襲う。俺がよけると、ボールは、陵の方に飛んでいく。ふざけていた陵も真顔になりボールから逃げる。ボールをとってもいいが、早い打球は、危ない。こんな速さ、高校生の打球じゃねぇな。バッターボックスを見ると橋本がいた。コイツかぁ。まぁ、橋本なら打ってもおかしくないよな。俺は、コイツがあんまり好きじゃなかっただけに、なんとも、言いようがなかった。本来なら、俺が橋本のような評価を受けてもおかしくなかった。なのに、こんな差があるのか?悔しさが滲み出てしまい目を背けてしまった。

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