5月31日 練習試合(白峰工業高校)8
朝のグラウンドからは、大きな声が響き渡っていた。今日は、俺たち3年生は練習休みとなっていたが2年と1年が朝練があったのだ。普段、練習できないアイツらにとってはいい機会かもしれないな。守備練習をしているアイツらを見ながら俺は坂を駆け上っていた。
ー5月24日ー
セカンドからショートの丹生へとボールが渡った瞬間、自分の運のなさをなげいた。スライディングをする間もなくアウトがわかった。なんで、ゴロ打たないんだよ。なんで、ノーバンでボール捕るんだよ。俺は、頭の中でいろいろな疑問が浮かんだ。俺は、ゆっくりとベンチへ向かうが、さっきまでの大きな声が聞こえてこない。そりゃあ、そうだよな。チャンスで橋本、川中、佐伯の三人を迎えようとしていたのに。
悠太「ドンマイ」
俺 「ああ、、、、、、、」
ベンチに帰って、真っ先に声をかけてくれたのは悠太だった。打席には、3番橋本が入ったが、アッサリとレフトへ打球を打ち上げてしまったのだ。レフトがボールを捕り、これでスリーアウトとなってしまった。
悠太「ナイスバッティングだったな」
俺 「バッティングの方はな」
悠太「なんたまの、ご機嫌ななめじゃねぇか」
俺 「当たり前だろ?」
さっきのチャンスを潰したのは完全に俺のせいだ。これなら、二塁打じゃなくて三振してベンチに戻ってきた方がよっぽどよかった。
悠太「気にするなよ」
俺 「気にするに決まってるだろ?」
悠太「早く守備につけよ」
俺 「ああ。わかってるよ」
悠太に渡されたグローブを受け取り、俺はグラウンドに走り出した。何をやっているのだろうか?センターのポジションについた俺は、ライトとキャッチボールをしながら、さっきの打席を振り返っていた。三好の初球をきっちり逆方向に打てたのは、本当によかった。そして、打った後に二塁に行けたのも完璧。ただひとつ悔やむとしたら、八幡の打球で飛び出さなければよかった。まぁ、仕方がないと言えば、そうなんだけど。試合は、7回。ピッチャーは、さっきの回と同じように八幡が投げていたのだった。しかし、なかなか思うようにストライクが入らないみたいだ。これは、ヤバそうだな。案の定、ファーボールを出してしまう。白峰工業高校のベンチからはさらに大きな声が聞こえる。何やってんだろうな、ホントに。セットポジショニング入った八幡がバッターにボールを投げた瞬間ランナーは走り出した。キャッチャー、ショート、セカンドが動き始めたが、バッターは容赦なくボールを振り抜く。打球は動いたショートの逆方向へと飛んでいったのだ。




