5月19日 真相
今日は雨かぁ。まぁ、昨日はオフだったし仕方がないか。雨でグラウンドは使えない。体育館で筋トレのコースかぁ。俺は、部室から外のグラウンドを見つめていた。"どうした?"声をかけてきたのは、永谷だった。
俺 「いや、なんもねぇよ」
永谷「そうか」
少し沈黙の間が空いた。部室には、人がいなくなっていた。
永谷「そういえば、お前GW休み学校に来ていたのか?」
俺 「えっ?」
思わず聞き返してしまった。
永谷「この前、宝来が話してたから」
俺 「‥‥」
まさか、バレていたとはな。すると、永谷が笑い出した。
永谷「図星かよ。お前もわかりやすいな」
俺 「そんなことねぇよ」
ユニフォームに着替え終えた永谷は、チンタラしているみたいだった。
永谷「別に俺は誰にも言わないから気にすんなよ」
俺 「気にしてねぇよ」
永谷「そうか?ならいいけど」
永谷が知っているということは、他の奴にもバレてるのか?気になったけど聞くことはできなかった。
俺 「なんて宝来は言ってたんだよ?」
永谷「GW休みの時にお前を見たってな」
俺 「なるほどな」
よかった。そこまでしか、バレてなくて。もっと深いところまでバレていたら大変なことになっていたな。
永谷「何があったんだよ?」
俺 「鍵が見つかったんだよ」
永谷「鍵?」
黙っておくには限界があると思った。永谷が誰かに言う可能性もあったが覚悟を決めて話すことにしたのだった。
永谷「なるほどな。それで、お前と山田が部室に入ったっていうことか」
俺 「そういうこと」
永谷「じゃあ、ロッカーも本当は八幡に見つけてほしかったのか?」
俺 「まぁ、おそらくな」
俺は、ロッカーから見つけたものを素直に話すことにした。
俺 「八幡に言った方がいいか?」
永谷「別に言わなくてもいいんじゃないか?」
俺 「なんで?」
永谷「アイツが見つけられなかったっていうのが全てだろ?」
まぁ、そうなんだけど。
永谷「お前のところに巡ってきたことも何か意味があるんじゃないか?」
俺 「そうなのか」
なんとも言えないな。永谷の言うこともわからなくはないが。
永谷「バレないようにしろよ?バレたらモメるからな」
笑いながら、帽子を被り部室から出ていったのだ。




