5月12日 鍵Ⅵ
次なる俺の目標は、17日にある道和高校との練習試合だった。まぁ、スタメンで出場できる可能性はかなり低いが。道和高校と戦えるのはシンプルに楽しみだった。それだけに、ベンチから眺めるのはつまらない。じゃあ、どうすればいいのか?その答えはわからなかった。高校1年生から必死にその答えを模索していたが見つからない。
ー5月6日ー
悠太が鍵を取りに行っていると、俺はあることに気がついた。それは、力づくでやればこの扉が開くということだった。確かに鍵はかかっている。でも、本気の力を出せば無理矢理開くんじゃないかと思った。
悠太「とってきたぞ」
俺 「誰かいたのか?」
自慢げに声を出したがそれは俺にとって大したことはなかった。
悠太「いや、ほとんどいなかったし余裕だったよ」
俺 「そうなんだ」
鍵が来たのに、何とも思わなかった。
悠太「てか、勝手に開けようとすんよな」
俺 「ハハハハ。悪いな」
悠太「やっぱりこの扉あきそうか?」
俺 「気づいていたのか?」
首を縦に振る悠太は、俺と同じように何かを感じとっていた気がした。
悠太「よし、入るぞ」
俺 「おお」
部室からは、相変わらずなんとも言えない臭いがしていた。この部屋には誰もいないはずなのに。
悠太「でも、誰もいないと広く感じるよな」
俺 「そうだな。普段は10人以上いるし、そう感じないんだろうな」
部室の広さを感じた俺たちは、なんとなく部屋を眺めていた。
悠太「早く鍵出せよ」
俺 「ああ」
再びポケットに手を突っ込み、鍵を掴んだ。視界に入ると、やはり名前が記されていた。
悠太「あったか?」
俺 「うん。どこだっけ?陵の場所?」
えっーと。上から順番に、、、、。川中、八幡、橘、田畑。横にいって、佐伯、橋本、山里、永谷。この横かぁ。定本の下に遠山と名前が書かれていた。
悠太「ここじゃねぇの?」
俺 「そうだな」
俺は、ロッカーの鍵を見つめた。俺は、ゆっくりロッカーに近づき、鍵を手に握りしめた。
悠太「どうした?」
俺 「何もねぇよ」
鍵を差し込むと金属が掌に吸いつく。ガチャリと音がし、俺はそのまま鍵を回した。
悠太「何が入ってるんだ?」
ワクワクが止まらないようだ。そんな悠太に対し、俺はどこか緊張していた。すると、扉が重々しく開いたのだった。




